【第1回】高橋拓児先生が伝える<和食の魅力>

講師

高橋 拓児 先生(「木乃婦」三代目)

「和食」のユネスコ無形文化遺産登録10周年を迎え、2023年10月に<和食の魅力>をテーマにしたパネルディスカッションを開催しました。そのパネリストを講師に迎え、料理講習会を4回にわたり開催。2024年1月27日の第1回は、「木乃婦」三代目 髙橋拓児先生をお招きしました。

講習会のレポート

髙橋先生は大学卒業後、東京の料亭で修業し京都に戻り「木乃婦」三代目を継がれました。その後、食農科学の博士号を取得し、科学理論に基づく調理法を取り入れた新しい日本料理を展開しています。日本食普及の親善大使、日本料理アカデミー副理事長などを務め、多くの海外の食イベントにも参加しています。

今回は先生が選んだ和食の魅力を伝える2品ご紹介いただきました。

  • 小かぶらのまるごと鹿の子焼き

    和食に新しい調理法を取り入れることで、かぶの新たな味わいと食感を引き出した一品。皮つきのかぶの全面に細かい切り込みを入れて砂糖をすり込み、オーブンでじっくり焼いた後、かつおと昆布だしのあんをかけました。料理が国やジャンルを越えてグローバルに広がる現在、世界共通の新たな技術を取り入れながらも、そこに日本の食文化をのせ和食を表現していくことが大切。この料理もかつおと昆布だしの代わりに、牛のブイヨンを使えばフランス料理に、上湯(シャンタン)を使えば中国料理になるといえます。

  • 埋み豆腐 2024

    埋み豆腐は温めた豆腐に炊き立て白飯をのせ、白みそ仕立ての温かい汁をかけた冬の料理です。通常は溶き辛子を添えますが、代わりにふきみそにすることで、冬の料理に春の訪れを感じさせることができます。「和食」のユネスコ無形文化遺産登録にある和食の特長の一つとして、「四季の移ろいを表現し、季節感を楽しむ」があります。ふきの香り・苦みを加えるだけで、冬から春への季節の変化を表現し、楽しむことができます。炊きみそと呼ばれる白みそは、弱火でしばらく火を入れるのがポイント。煮ることでおいしくなります。

    改めて和食の良さ、そしてこれからの和食の未来を教えていただいた講習会でした。

講習会のレシピ

小かぶらのまるごと鹿の子焼き

材料:4人分
小かぶ(葉つき) 小4個
大さじ1
粉糖 大さじ2
だし 400ml
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ 大さじ1と1/2
マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒 大さじ1
水溶き片栗粉 適量
つくり方
  1. 1かぶの茎と葉と根は切り落とし、よく水洗いする。
  2. 2(1)のかぶの皮を筋の深さまで、全面に細かく鹿の子に切り込みを入れる。粉糖をかぶの表面にまんべんなくふりかけ、切り込みの中まで入り込むようにまぶす。
  3. 3オーブンは200℃に予熱する。(2)のかぶをアルミホイルに包み、オーブンに入れて30~40分焼く。途中上下返す。
  4. 4かぶの茎と葉は粗みじん切りにし、塩を加えて軽くもんでしばらくおく。水で洗い軽く塩分を落としてから、ザルにあげて水気を切る。
  5. 5鍋にだしを入れて火にかけ、うすくちしょうゆ、酒を加え、ひと煮立ちしたら水溶き片栗粉でとろみをつけ、(4)を加える。
  6. 6(3)のかぶを器に盛り、(5)のあんをかける。

埋み豆腐2024

材料:4人分
絹ごし豆腐 1丁(300g)
だし(かつお節と昆布) 500ml
白みそ 125g
温かいご飯 330g(米1合分)
しゃぶ餅 4枚
ふきのとう 4個
【A】
赤みそ 50g
1個
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん 15ml
砂糖 5g
マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒 80ml
つくり方
  1. 1鍋にだしと白みそを入れて混ぜ合わせ、火にかけて温める。
  2. 2ボウルに、Aの材料を入れてしっかり混ぜ合わせ鍋に移し、弱火にかけゆっくり練る。
  3. 3ふきのとうは軸を揃えて半分に切り、熱湯でさっと湯がいて冷水に取る。水気を切って細かく刻み、(2)の中へ入れて混ぜ合わせる。
  4. 41/4等分にした豆腐を熱湯で温める。
  5. 5お椀を温めて(4)の豆腐を入れ、しゃぶ餅をサッと湯にくぐらせて豆腐にかぶせて、温かいご飯を上に盛りつけ、温めた(1)を周りから流し入れ、(3)のふきのとうのみそを添える。
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