料理講習会45周年記念「シェフがコラボで伝授!フレンチの基本 肉の焼き方の極意」
谷 昇 先生(「ル ・マンジュ・ トゥー」オーナーシェフ)
國長 亮平 先生(「トワヴィサージュ」シェフ)





2025年10月5日KCC食文化と料理の講習会は45周年を記念して「ル・マンジュ・トゥー」オーナーシェフの谷昇先生と「トワヴィサージュ」シェフの國長亮平先生をお招きし、「シェフがコラボで伝授!フレンチの基本 肉の焼き方の極意」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
2025年でKCC料理講習会は45周年。それを記念してフレンチシェフ2人をお招きし、コラボの講習会を開催しました。
谷先生は、1994年に東京・神楽坂に「ル・マンジュ・トゥー」をオープンし、現在もオーナーシェフとして現場に長年立ち続けています。料理人の育成や食に関するイベントにも積極的に参加し、常に新しい挑戦をしています。ジャンルを問わず、多くの料理人たちが憧れるシェフです。
國長先生は、谷昇シェフのもと9年間中心スタッフとして働き、その後フランスで料理の経験を積み帰国。2022年に東京・銀座の「トワヴィサージュ」のシェフに就任しました。伝統的なフランス料理をベースにしながら、食材を生かす料理を提供。自ら畑を耕し、生産者との交流も積極的に行っています。
今回は、フレンチシェフとして長年磨いてきた「肉の焼き方」のテクニックを、家庭でも生かせるようにご紹介。
師弟関係にある2人のシェフならではの楽しいトークを通して、料理の魅力や楽しさも教えていただきました。
- 鶏もも肉のソテー ソース・トマト
鶏肉の水分を逃さず、身をふっくらジューシーに、皮をパリっと仕上げるコツをご紹介。
塩は皮ではなく身の方だけにふり、しばらくおきます。こしょうは苦みが出るので、焼く時には使わないのが谷先生流。
まず身側を軽く焼いて反り返るのを防ぎ、皮側を下にして焼きながら、出てきた脂とうま味を絶えずスプーンでかけて火を通します。こうすることで、ムラなくふっくら仕上がります。
今回はトマトソースとまいたけのソテーを添えました。 - 豚肩ロースのロティ ソース・シャルキュティエール
豚肩ロースは場所によって食感や味わいが異なり、食べて楽しい部位です。
皮はないので、両面に塩をふってしばらくおき、なじませてから焼きます。肉の弾力を確認して火が通ったら、アルミホイルで包み、休ませるのがポイント。
その後、強火で両面に焼き色をつけて仕上げます。ソースは「お肉屋さん風」という意味のソースで、コルニッション(小さなきゅうりのピクルス)とワインビネガーの酸味が豚肉をさっぱりと引き立てます。
つけ合わせには、國長先生の畑で採れた、じゃがいもとさつまいものチップスを添えました。 - 牛肉のポワレ ソース・ヴァンルージュ
講習会のレシピ
鶏もも肉のソテー ソース・トマト
鶏もも肉 | 2枚(1枚250g) |
---|---|
塩 | 3.5g(肉重量の0.7%) |
サラダ油 | 適量 |
トマトソース | |
デルモンテ 完熟カットトマト 388g | 1パック |
玉ねぎ(みじん切り) | 1/2個(100g) |
にんにく(みじん切り) | 1かけ |
オリーブオイル | 10g |
鶏ガラスープの素 | 5g |
塩 | 適量 |
黒こしょう | 適量 |
つけ合わせ | |
まいたけのソテー | 適量 ※大ぶりにさいて、オリーブオイルでソテーする。 |
- 1鶏肉は身の方にだけ塩をふり、20~30分おいて塩をなじませる。
- 2
ソース
鍋にオリーブオイル、玉ねぎ、水100mlを入れて火にかけて煮る。水分がなくなり、玉ねぎに火が入ったら、オリーブオイル(分量外)を加えて香りを出すように炒める。 - 3玉ねぎの甘味が出てきたら、にんにくを加えて炒め、カットトマト、鶏ガラスープの素を加えて煮詰める。仕上げに、塩、黒こしょうで味をととのえる。
- 4
肉を焼く
フライパンに油を入れて火をつけ、フライパンが温まる前に鶏肉の身の方を下にして中弱火で焼く。肉が白っぽくなってきたら裏返して皮の方を焼く。 - 5中火にして、常に皮の下に油があるように肉を動かしながら、鶏肉の関節があった部分をおさえながら焼く。
- 6出てきた鶏の汁と脂をスプーンですくい、身の厚いところにかけながら焼く。
- 7身の方を押して弾力が出てきたら火を止め、身の方を下にして1~2分休ませる。
- 8(7)のフライパンの余分な脂をふき取り、再度休ませた鶏肉の皮目を強火で焼く。
- 9
盛りつけ
皿に(8)の鶏もも肉のソテーとつけ合わせのまいたけのソテーを盛りつけ、(3)のソースを添える。
豚肩ロースのロティ ソース・シャルキュティエール
豚肩ロース肉 | 2枚(1枚200g) |
---|---|
塩 | 3.2g(肉重量の0.8%) |
サラダ油 | 適量 |
ソース | |
玉ねぎ(薄切り) | 1個(200g) |
無塩バター | 30g |
小麦粉 | 小さじ1/2 |
A | |
ワインビネガー・白 | 大さじ1 |
マンズワイン・白 | 100ml |
B | |
鶏ガラスープの素 | 4g |
水 | 50ml |
C | |
コルニッション(薄切り) | 30g |
ディジョン・マスタード | 大さじ1 |
オリーブオイル | 大さじ1/2 |
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん | 50ml |
塩 | 適量 |
黒こしょう | 適量 |
つけ合わせ | |
根菜のチップス | 適量 *じゃがいも、さつまいもをスライスして水にさらす。 170℃くらいの温度であげてチップを作り、塩をふる。 |
- 1豚肉は室温に戻し、肉の両面に塩をふり10分ほどおく。
- 2
ソース
鍋に玉ねぎ、バター、水100mlを入れて強火で煮る。水がなくなり玉ねぎに色がついてきたら小麦粉を加えて混ぜ合わせる。 - 3Aの材料を入れて一煮立ちさせる。Bの材料を入れて中火で混ぜながら煮詰める。Cの材料を入れて混ぜ合わせる。
- 4
肉を焼く
フライパンに油を入れ中強火で熱し、(1)の豚肉を焼く。肉の弾力を確かめて火が入ったのを確認したら、取り出してアルミホイルで包み休ませる。 - 5フライパンの余分な脂をふき取り、油を入れ、休ませた豚肉の両面を強火でおいしそうな焼き色がつくように焼く。(バターを加えて風味づけしてもよい)
- 6
ソースの仕上げ
(5)のフライパンにみりんを加えて沸かし(3)のソースに加えて塩、黒こしょうで味をととのえる。 - 7
盛りつけ
皿に(5)の豚肩ロースのロティ、根菜のチップスを盛り付け、(6)のソースを添える。
牛肉のポワレ ソース・ヴァンルージュ
牛肉サーロイン | 2枚(1枚150g) |
---|---|
塩 | 2.4g(肉重量の0.8%) |
サラダ油 | 適量 |
ソース | |
にんにく(みじん切り) | 小さじ1 |
ブランデー | 10ml(なければ水大さじ2) |
キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ | 小さじ2 |
マンズワイン・赤 | 30ml |
無塩バター | 10g ※火にかけ色づくまで加熱した焦がしバター |
黒こしょう | 適量 |
つけ合わせ | |
れんこんのソテー | 適量 *皮をむいて輪切りにし、オリーブオイルでソテーする |
- 1牛肉は室温に戻し、両面に塩をふり10分ほどおく。
- 2
牛肉を焼く
フライパンに油を入れ中強火で熱し、牛肉の下に常に油があるようにして両面を焼く。好みの火入れ加減になったら、アルミホイルで包み1~2分休ませる。肉汁が出れば残しておく。 - 3フライパンの余分な脂をふき取り、油を入れ、休ませた牛肉の両面を強火でおいしそうな焼き色が付くように焼く。
- 4
ソース
(3)のフライパンの余分な脂をふき取り火にかけ、にんにくを入れて香りが出てきたら、ブランデー、赤ワインを加える。フライパンに残ったうま味をこそげ取るようにし、水分が煮詰まってきたらしょうゆ、焦がしバターを入れて混ぜる。(2)の肉汁もあれば加え、黒こしょうで味をととのえる。 - 5
盛りつけ
皿に(3)の牛肉のポワレとつけ合わせのれんこんのソテーを盛りつけ、(4)のソースを添える。

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