フランスのマダムにならった春野菜の軽やかなひと皿
上田 淳子 先生(料理研究家)





2023年4月5日のKCC食文化と料理の講習会 YouTubeライブ配信は料理研究家の上田淳子先生をお招きし、「フランスのマダムにならった 春野菜の軽やかなひと皿」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
上田先生は調理師専門学校卒業後、スイスのホテルやフランスの星つきレストランなどで3年間修業。帰国後、シェフパティシエを経て料理研究家として独立。家庭でできるフランス料理をご紹介しています。現在、著作本、雑誌、テレビ、広告などで幅広くご活躍。双子の母としての経験をいかした家庭料理も人気です。
フランスでならった野菜の調理法「エチュベ Étuvée 」を使い、春野菜を楽しむフレンチをご紹介いただきました。「エチュベ」とは、野菜に少量の水と油脂を加えてふたをして加熱する「蒸し煮」のことです。短時間ででき野菜の味が凝縮され、野菜本来の持つおいしさを楽しめます。
- 鶏肉のソテー プランタニエ
プランタニエとは春という意味。エチュベ(蒸し煮)した新玉ねぎとグリーンピースと、軽くソテーした鶏肉を合わせました。バターと生クリームを使いミルキーな味わいに。グリーンピースの淡緑色が映えます。味も色合いもやさしく仕上げたいので、鶏肉に焼き色をつけないのことがポイントです。
- 春野菜のエチュベ
前菜やサラダとして、肉や魚の付け合わせとしてもぴったりの一品。ここでは春の緑色の野菜を使いましたが、四季それぞれの野菜でエチュベができます。バターだけでなく、オリーブオイルやごま油など違う風味の油を使ったり、加熱時間を変えれば野菜の食感も変わり、簡単にいろいろなバリエーションが楽しめます。
- 新玉ねぎのポタージュ
春ならではの新玉ねぎのおいしさをシンプルに味わうスープ。だし類は使わず材料もいたって簡単。ここでもエチュベの技法を使い、新玉ねぎを少ない水分でやわらかくじっくり蒸し煮にします。焦がさないことが大切。これをミキサーやブレンダーにかけてなめらかにし、牛乳を加えれば出来上がり。新玉ねぎが持つ甘さとフレッシュなみずみずしさを楽しめます。
フランス風に春を味わう家庭料理。どれも気軽につくれそうなフレンチ3品でした。
講習会のレシピ
鶏肉のソテープランタニエ
鶏もも肉 | 大1枚(300g程度) |
---|---|
塩 | 小さじ1/2+少々 |
こしょう | 少々 |
グリーンピース(さやから出したもの) | 200g |
新玉ねぎ | 1/2個 |
ベーコン | 40g(長めの薄切り2~3枚、または塊) |
生クリーム | 100ml |
サラダ油 | 小さじ1 |
バター | 10g |
ローリエ | 1枚 |
- 1玉ねぎは1cm程度の角切りにする。ベーコン薄切りならば1cm幅、塊ならば5mmの棒状に切る。
- 2鶏肉は余分な脂を取って半分に切り、塩小さじ1/2、こしょうをする。
- 3フライパンにサラダ油を入れて中火にかける。温まったら鶏肉を並べて焦がさないように表面が白っぽくなるまで焼き、取り出す。
- 4フライパンにバターを入れて中火にかける。溶けて泡立ってきたら玉ねぎ、ベーコンを入れて、さっと炒める。
- 5グリーンピース、鶏肉、水1/2 カップ、ローリエを加えて、さっと混ぜてふたをし、5分蒸し煮にする。
- 6「5.」のふたを取り、煮汁が多いようなら軽く煮詰める。生クリームを加え、強めの中火にし鶏肉に火が通り煮汁に軽くとろみがつくまで2~3分煮る。塩、こしょうで味をととのえる。
春野菜のエチュベ
アスパラガス(太め) | 4本 |
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新玉ねぎ | 1/2個 |
スナップえんどう | 6~8本 |
そら豆(さやから出して皮をむいたもの) | 10粒 |
バター | 10g |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 小さじ1弱 |
こしょう | 少々 |
- 1アスパラガスは根元のかたい部分をピーラーでむき、長さ3等分に切る。新玉ねぎは皮をむき、縦に7mm幅に切る。スナップえんどうは筋を取る。
- 2フライパンまたは鍋に「1.」を入れて、バター、水1/3カップを入れ、ふたをして中火にかける。煮立ったら2~3分野菜に火が通るまで蒸し煮にする。ふたを取り、そら豆を加えてさっと煮て火を通し、しょうゆ、こしょうで味をととのえる。
新玉ねぎのポタージュ
新玉ねぎ | 2個(400g) |
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牛乳 | 200ml |
バター | 20g |
塩 | 小さじ1/3+少々 |
※お好みで | 生クリーム、デルモンテ エキストラバージンオリーブオイルなど |
- 1玉ねぎは皮をむいて薄切りにする。
- 2鍋に玉ねぎを入れ、塩小さじ1/3を入れて軽く混ぜる。この中に水1/2カップとバターを加えて中火にかける。ふたをして煮立ったら弱火にして、10分ほど玉ねぎがとろりとやわらかくなるまで蒸し煮にする。(途中焦がさないように注意。水がなくなってきたら足す。)
- 3「2.」に牛乳を加え、ミキサー、ブレンダーなどでなめらかになるまで攪拌する。濃度が濃いようなら水で調整する。
- 4「3.」を火にかけて温まったら塩、こしょうで味をととのえる。
- ※お好みで生クリームやオリーブオイルを加えてもよい。

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