ミニマルレシピで楽しむ クリスマスのフレンチ
上田 淳子 先生(料理研究家)
2024年12月7日KCC食文化と料理の講習会は、料理研究家の上田淳子先生をお招きし、「ミニマルレシピで楽しむ クリスマスのフレンチ」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
上田先生は調理師専門学校を卒業後、スイスのホテルやレストラン、フランスの星つきのレストランなどで3年間修業しました。帰国後、シェフパティシエを経て料理研究家として独立し、本、雑誌、テレビ、広告などで幅広くご活躍されています。フランス料理のほか、双子の母としての経験を生かした家庭料理も人気です。
最小限の食材や調理でおいしさを引き出す“ミニマルレシピ”。クリスマス向きでコース仕立ての料理を3品ご紹介いただきました。
- サーモンのタルタル
前菜はフレンチ定番の牛肉のタルタルを、牛肉の代わりにサーモンでアレンジしました。フランスではクリスマスによくサーモンを食べます。刺し身用サーモンの角切りをハーブや玉ねぎとともに、マヨネーズ風味のソースで和えただけの手軽な1品。サーモンはしょうゆをまぶすことによって、うま味がプラスされるだけでなく、魚の臭み消しの効果も発揮します。食感を出すためサーモンは角切りにするのがポイント。さらに、いかや甘えびなどを加えると食感と味わいにアクセントがつきます。料理がミニマルなので盛りつけをおしゃれに。セルクルで抜いたり、ガラスの器に盛ればレストランの一皿のようになります。
- 鶏肉ときのこのフリカッセ
メインは鶏肉です。フリカッセとは「白い煮込み料理」の意味を持ちます 。生クリームを入れクリーミーに煮込みました。食材は鶏肉、きのこ、玉ねぎの3つで、調理器具もフライパンひとつでできます。きのこは数種合わせた方が味わい深く、よりおいしくなります。煮込む前に鶏肉は焼いて皮目にある余分な脂を出します。白く仕上げたいので焼き色はつけないようにします。付け合わせにはフィットチーネのような平たい麺などが添えられますが、ここでは低糖質、高たんぱくな大豆麺を使いました。
- ビーツといちごのデザートマリネ
いちごにビーツを合わせることで、新鮮でインパクトのあるデザートに仕上がります。ビーツはボルシチなどの料理に使われる鮮やかな赤紫色の野菜で、加熱すると甘みが出ます。最近は水煮にされたものが店で売られるようになりました。ビーツといちごをはちみつ、レモン汁、オリーブオイルでマリネします。オイルが味に丸みとコクを与えます。白い濃いヨーグルトと緑のミントを添えてクリスマスカラーに。
ミニマルレシピはシンプルなので気負わず楽しんでつくれ、バリエーションも広がる料理でした。
講習会のレシピ
サーモンのタルタル
サーモン(刺身用) | 140g |
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キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 少々 |
ディル | 1枝 |
玉ねぎ(細かいみじん切り) | 大さじ1 |
【A】 | |
マヨネーズ | 小さじ1 |
オリーブオイル | 小さじ1 |
塩 | 少々 |
こしょう | 少々 |
【好みで】 | |
ハーブやサラダ野菜、ピンクペッパーなど |
- 1サーモンは3、4mmの角切りにし、しょうゆをまぶす。ディルは葉だけを刻む。玉ねぎは水に10分ほど浸けて水けをきり、クッキングペーパーなどに包んでしっかり水けをしぼる。
- 2ボウルに(1)と調味料Aを加えて混ぜ合わせる。
- 3器に(2)を盛りつけ、ハーブやサラダ野菜、ピンクペッパーなどを飾る。
鶏肉ときのこのフリカッセ
鶏もも肉 | 1枚(300g) |
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好みのきのこ(しめじ、しいたけ、マッシュルームなど) | 200g |
玉ねぎ | 1/2個(100g) |
油 | 少々 |
バター | 8g |
マンズワイン・白 | 70ml |
水 | 50ml |
生クリーム(乳脂肪分40%以上) | 70ml |
塩 | 小さじ1/2+少々 |
こしょう | 少々 |
キッコーマン 大豆麺 | 1袋(62g) |
- 1鶏もも肉は余分な脂を切り取り4等分にする。塩小さじ1/2を全体にすりこみ、こしょうをする。
- 2しめじは石づきを落としほぐす。しいたけも石づきを落とし薄切りにする。マッシュルームも同様に切る。玉ねぎはみじん切りにする。
- 3フライパンにうすく油をしき、鶏の皮の方を下にして中火にかける。焼き色をつけないようにじっくり焼き、皮の脂を溶かし出す。裏返して身の部分をさっと焼いて取り出す。
- 4(3)の余分な脂をキッチンペーパーでふき、バターを加え再度中火にかけてバターが溶けてぶくぶくしてきたら、玉ねぎを入れて炒める。しんなりしたらきのこを加えて水分が出て軽く煮詰まるまで炒める。
- 5(4)にワインを加えて火を強め、ワインが半量になるまで煮詰めて(3)の鶏肉を戻し、水を加えて沸いてきたら火を弱めてふたをし、鶏肉に火が通るまで5分程度煮る。
- 6(5)に生クリームを加え、とろみがつくまで煮詰める。塩、こしょうで味をととのえる。
- 7大豆麺は電子レンジで加熱するか、鍋でゆでて水けをきる。
- 8皿に(6)のフリカッセを盛りつけ、(7)の大豆麺を添える。
ビーツといちごのデザートマリネ
ビーツ(※市販品・ゆでたもの) | 80g |
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いちご | 100g(5、6粒程度) |
レモン汁 | 小さじ1と1/2 |
はちみつ | 小さじ1と1/2 |
オリーブオイル | 小さじ1/2 |
ギリシャヨーグルト(水きりしたヨーグルト) | 適量 |
ミントの葉 | 適量 |
- 1市販品のゆでたビーツは1cm角に切る。いちごはへたを取り食べやすく切る。
- 2ボウルにレモン汁、はちみつ、オリーブオイルを入れて混ぜ合わせ、(1)のビーツといちごを入れて合わせ、冷蔵庫に1時間程度おく。
- 3器に(2)を盛りつけ、ギリシャヨーグルトを添え、ミントを飾る。
※キッチンペーパーを敷いた上にヨーグルトをのせ、好みの固さになるまで水けをきる。
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