<年末年始はおウチでごちそう!>第3回 受け継いでいきたい“手づくりおせち”

講師

柳原 尚之 先生(近茶流宗家、柳原料理教室主宰、博士(醸造学))

2022年12月10日のKCC食文化と料理の講習会 YouTubeライブ配信は近茶流宗家、柳原料理教室主宰の柳原尚之先生をお招きし、「受け継いでいきたい“手づくりおせち”」をテーマに開催しました。

講習会のレポート

柳原先生は江戸時代文化文政期から伝わる近茶流を継承し、東京・赤坂の柳原料理教室で日本料理、茶懐石を研究指導。和食の継承活動や江戸時代の食文化の研究をライフワークとし、また海外のイベントにも参加し、世界へ日本料理を広める活動も行っています。

おせちの意味や文化などの説明とともに、これからも受け継いでいきたい料理をご紹介いただきました。

  • かわり五万米

    五万米(ごまめ)は、おせちにかかせない三つ肴のひとつ。五穀豊穣を祈りつくります。ポイントはからめる蜜(みつ)を煮詰め過ぎないこと。加熱し過ぎると“あめ”になり、ごまめどうしがくっついてしまいます。くるみの他ナッツ類を入れると食感の違いが楽しめ、おいしくいただけます。

  • 紅白柿なます

    大根とにんじんの紅白で平安を意味します。大根とにんじんの割合は10:1が色合いにちょうどいいバランスです。塩をふってすぐにもむと折れるので、しんなりしてから水気をしぼります。干し柿のフルーツの甘みと柚子の香りを添えて。

  • 錦玉子

    黄色と白の二色と錦の“にしき”をかけ合わせた一品。黄色には黄金として財運を呼び、また邪気を払う意味があります。材料はゆで卵と砂糖と塩だけでいたってシンプル。ポイントは蒸し時間5分をきっちり守ること。蒸し時間が長いとふんわりとした食感がなくなります

  • 煮しめ

    冬の根菜を中心に普段の材料でつくるものですが、おせちを代表する一品です。具材を一緒に油で炒めてから煮るつくり方をご紹介。落しぶたをすることでかき混ぜなくても、具材に均一に火が通り味つけもでき煮崩れしません。みりんの半分を最後に加えると照りよく仕上がります。

おせちの持つ意味や願いを伺い、これからもこの食文化を受け継いでいきたいと感じた講習会でした。

講習会のレシピ

くるみ五万米

材料:4人前
ごまめ 40g
むきくるみ 50g
ごま油 大さじ1と1/2
   
A;  
 キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ 大さじ2
 砂糖 大さじ3と1/2
 マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒 大さじ1と1/2
つくり方
  1. 1フライパンにごま油を入れて、むきくるみを煎り、キッチンペーパーに取り出す。同じフライパンにごまめを入れて煎り、少し焼き目がついてきたらキッチンペーパーに広げて冷ます。
  2. 2フライパンの余分な油はキッチンペーパーで取り除き、Aを合わせ、砂糖をよく溶かしてから火にかけ、蜜状になるまで水分を飛ばし、「1.」を混ぜ合わせる。バットにあけて冷ます。

紅白柿なます

材料:4人分
大根 4cm長さ(200g)
にんじん 4cm長さ(20g)
小さじ1/2
干し柿(あれば市田柿) 1個
ゆずの皮 適量
   
【甘酢】  
 米酢 100ml
 砂糖 大さじ4
 塩 小さじ1/6
つくり方
  1. 1大根とにんじんは細く切り、塩小さじ1/2をふって混ぜる。10分ほどおいて、水が出たらもんで水けをしぼる。
  2. 2柿は半分に切って小口切りにする。ゆずの皮は白いわたを取り、みじん切りにする。
  3. 3鍋に甘酢の材料を入れて火にかけ、砂糖と塩を溶かし冷ます。
  4. 4「1.」に「3.」の甘酢を適量かけて、「2.」を加えてなじませる。

錦玉子

材料:流し缶(120mm×80mm×45mm)1個分
4個
砂糖 40g
小さじ1/4
つくり方
  1. 1黄身と白身を別々に裏ごしにかける。砂糖と塩を混ぜてふるいにかけ、黄身と白身に半量ずつふり込んで、軽く混ぜ合わせる。
  2. 2流し缶に裏ごした白身を入れて平らにならし、その上に半量の黄身を入れて再びならし、残りの黄身をふんわりのせる。
  3. 3湯気の立った蒸し器に「2.」を入れ、蒸し器とふたの間にさらしのふきんをかけ、切りふたにして中火で5分蒸す。
  4. 4「3.」を流し缶から取り出し、冷ましてから4等分にする。

煮しめ

材料:4人分
鶏もも肉 1枚(200g)
干ししいたけ 小4個
里いも 大2個
ミョウバン水 焼きミョウバン小さじ1+水600ml
にんじん 中1/2本
れんこん 1/2節(150g)
ごぼう 1/2本
白こんにゃく 1/2枚(150g)
絹さや 12枚
少々
   
ごま油 大さじ2
だし 400ml
砂糖 大さじ4
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ 大さじ3
マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒 大さじ2
マンジョウ こだわり米麹仕込み 本みりん 大さじ2
つくり方
  1. 1干ししいたけは水に一晩つけて戻し、軸を除く。
  2. 2里いもは皮をむいてひと口大の乱切りにし、ミョウバン水に30分ひたして水洗いする。
  3. 3にんじん、れんこんは皮をむき、縦半分に切って乱切りにする。れんこんは薄い酢水につける。
  4. 4ごぼうは包丁で皮をこそぎ、乱切りにして水にひたす。
  5. 5白こんにゃくはひと口大にちぎり、熱湯でさっとゆでる。
  6. 6絹さやはガクと筋を取り、塩ひとつまみ加えた熱湯でゆでて水に取る。
  7. 7鶏肉は大きめのひと口大にそぎ切りにし、酒大さじ1(分量外)をふりかける。
  8. 8鍋にごま油を熱しなじませてから、強火で里いもを炒める。里いもの角に透明感がでてきたら、にんじん、ごぼう、れんこんを順に加えて炒める。こんにゃくを加えて油がまわったら、鶏肉を鍋肌につかないように中央に加え、野菜にからめるようにして油をまわす。
  9. 9鶏肉の表面が少し白くなったら火を弱め、だしを入れて沸いたら、「1.」のしいたけ、砂糖を加えてアクを取る。落としふたをして煮汁がふたにあたる火加減で3分煮る。
  10. 10「9.」にしょうゆ、酒を加えて再び落としふたをして同様の火加減で煮る。煮汁が少なくなったら落としふたを取り、最後にみりんを加えて強火にして、照りを出す。斜め切りした「6.」の絹さやを加え、軽く混ぜて火を止める。
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