世界の料理から日本の家庭料理へ ルーツをたずねる
ヤミー 先生(料理研究家)





2025年3月1日KCC食文化と料理の講習会は、料理研究家のヤミー先生をお招きし、「世界の料理から日本の家庭料理へ ルーツをたずねる」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
ヤミー先生は世界を旅する料理研究家。輸入食材店に勤務しながら料理ブログをはじめ、人気料理研究家に。現在はテレビや雑誌、企業のレシピ開発などでご活躍です。「世界中の料理が自宅でも簡単に作れる!」と好評な料理教室「Yummy’s Cooking Studio」を主宰しています。
日本の食卓は、世界の食を学び取り込むことで豊かになってきました。外国から伝わり日本の家庭料理となったルーツの料理を、楽しいお話とともにご紹介いただきました。
- フリカデッレ Frikadelles
ハンバーグのルーツと言われるドイツの料理です。ハンバーグとは違い、肉に香辛料やハーブを混ぜ込んで焼き、ソースなしでシンプルに食べることが多いです。今回はキャラウェイシードとパセリを加えました。しっかりと焼き色をつけることで、香ばしいおいしさが出ます。ここではしょうゆとにんにくの風味をつけた炒め玉ねぎを、付け合わせ兼ソースとして添えました。しょうゆの味が加わることでご飯のおかず風になります。
- コトレッタ Cotoletta
とんかつのルーツと言われるミラノ風カツレツです。伝統的には仔牛の骨付きロース肉の薄切りが使われます。ここでは肉をたたいて薄くのばしました。衣には細かいパン粉を使い。パルメザンチーズやパセリなどを加えることもあります。とんかつと違うのは、たっぷりの油で揚げるのではなく多めのバターで揚げ焼きにすること。今回は油に風味づけ程度のバターを加えました。基本ソースはなくレモンを添える程度ですが、リッチにしょうゆを隠し味にしたきのこのクリーム煮を添えました。
- ペイシーニョス・ダ・オルタ Peixinhos da horta
天ぷらのルーツはポルトガルです。いんげんを小魚に見立てて揚げたもので、料理名は“菜園の小魚たち”。衣にベーキングパウダーと膨らむのを促進させるため酢を加えています。天ぷらよりもぽってりとした衣で、揚げたてでなくてもおいしくいただけます。現地では軽食やお酒のつまみとしてよく食べられています。いんげんだけでなく、他の野菜、肉でも魚でも揚げる食材は自由。白ワインと合いそうです。
他の家庭料理の外国との食のつながりも調べてみるとおもしろそうです。
講習会のレシピ
フリカデッレ(ドイツ)
合いびき肉 | 280g |
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玉ねぎ | 1個 |
バゲット(固くなったもの) | 30g |
【A】 | |
卵 | 1個 |
パセリ(みじん切り) | 大さじ2 |
塩 | 小さじ1/2 |
こしょう | 少々 |
キャラウェイシード | あれば少々 |
サラダ油 | 大さじ1 |
バター | 10g |
キッコーマン ステーキしょうゆ にんにく風味 | 小さじ1 |
マスタード | 適量 |
パセリ(みじん切り) | 適量 |
- 1玉ねぎ半分はみじん切りにする。残りは繊維を断つように薄切りにする。バゲットは水に浸してやわらかくし、水けを軽くしぼってちぎる。
- 2ボウルに合いびき肉とAと(1)の玉ねぎのみじん切りとバゲットを加えてよくこね合わせ、4等分にして円形にまとめる。
- 3フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、(2)を入れて両面をこんがりと焼き取り出す。
- 4(3)のフライパンの汚れをふき取ってバターを入れ、溶けたら(1)の玉ねぎの薄切りを加えてしんなりするまで炒める。ステーキしょうゆを加えて炒め合わせる。
- 5皿に(3)のフリカデッレを盛りつけ、(4)の玉ねぎをのせ、マスタードを添える。仕上げにパセリをふりかける。
コトレッタ(イタリア)
牛ももステーキ用 | 2枚(約200g) |
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塩 | 小さじ1/2 |
こしょう | 少々 |
小麦粉 | 適量 |
卵 | 1個 |
パン粉 | 適量 |
サラダ油 | 大さじ1 |
バター | 10g |
【きのこのクリーム煮】 | |
まいたけ | 1パック |
生クリーム(35%脂肪) | 50ml |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 小さじ1 |
こしょう | 少々 |
- 1牛肉はラップフィルムにはさんで麺棒などでたたいてのばす。塩、こしょうを両面にまぶし、小麦粉をまぶす。溶き卵にくぐらせ、パン粉をしっかりとつける。
- 2フライパンにサラダ油とバターを入れて中火にかけ、バターが溶けたら(1)を入れて両面こんがりと焼いて取り出す。
- 3きのこのクリーム煮をつくる。(2)のフライパンの汚れをふき取り、(油が足りない場合は少量足す)まいたけをほぐし入れて火が通るまで焼き、生クリーム、しょうゆを加えて和える。仕上げにこしょうをふる。
- 4皿に(2)のコートレットを盛りつけ、(3)のきのこのクリーム煮を添える。
ペイシーニョス・ダ・オルタ(ポルトガル)
いんげん | 20本 |
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塩 | 少々 |
薄力粉 | 適量 |
【A】 | |
薄力粉 | 50g |
ベーキングパウダー | 小さじ1/2 |
卵 | 1個 |
塩 | 少々 |
こしょう | 少々 |
水 | 50ml |
酢 | 小さじ1/2 |
サラダ油 | 鍋底から1cm位の量 |
レモン(くし切り) | 適量 |
- 1いんげんはヘタとスジを取って耐熱皿に並べ入れ、塩少々をふりかける。ラップフィルムをかけて電子レンジ(600W)で2分加熱する。粗熱が取れたら薄力粉をまぶす。
- 2ボウルにAを入れて泡立て器で混ぜ、水を少しずつ加えてなめらかな衣をつくる。最後に酢も混ぜる。
- 3フライパンにサラダ油を入れて180℃に熱する。(1)のいんげんに(2)の衣をたっぷりつけて、淡いきつね色になるまで揚げて油をきる。
- 4皿に(3)を盛りつけ、レモンを添える。

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