お正月野菜を知りましょう
暮れになると、店頭に見慣れない野菜が並びます。
縁起物であるとか、鮮やかな色合いが好まれて、古くからおせちに使われてきたお正月野菜です。
お正月野菜の栄養、選び方などを紹介します。
八つ頭(やつがしら)
里芋の一種で、九面芋とも呼ばれます。親芋から小芋の茎が出て、お互いに密着して大きなかたまりになったものです。それぞれが「お頭」なので縁起がよいといわれます。
- 栄養
- 主成分はでんぷんで、少量のたんぱく質を含みます。皮をむいた時の独特のぬめりはガラクタン(多糖類)がたんぱく質と結びついたものといわれます。
- 目利き・保存
- 乾燥を嫌うので、泥がついているものがおすすめです。冷蔵庫は低温で乾燥しすぎるので、保存には適しません。15℃前後で保存しましょう。
- 調理のヒント
- 煮物、お雑煮に。
京芋
里芋の一種で、薄茶のしま模様があり、さつまいもに似た形をしています。
- 栄養
- 主成分はでんぷんで、少量のたんぱく質を含みます。皮をむいた時の独特のぬめりはガラクタン(多糖類)がたんぱく質と結びついたものといわれます。
- 目利き・保存
- 乾燥を嫌うので、泥がついているものがおすすめです。冷蔵庫は低温で乾燥しすぎるので、保存には適しません。15℃前後で保存しましょう。
- 調理のヒント
- 煮崩れしにくいので、煮物に向きます。
京にんじん
東洋系のにんじんで、細長く、鮮やかな赤い色が特徴です。その色から、金時にんじんとも呼ばれます。関西では正月料理に欠かせません。
- 栄養
- だいだい色の色素はカロテン、赤色はリコピンで、どちらも抗酸化能力が高いため、生活習慣病の予防に効果があります。ちなみに、カロテンはにんじんが語源になっています。油を使って調理すると、ビタミンAの効力が増します。
- 目利き・保存
- 色、つやがよくて、表面のなめらかなものを選びましょう。野菜保存袋に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。
- 調理のヒント
- 鮮やかな色をいかして、煮物、お雑煮に。
くちなしの実
栗きんとんを色鮮やかに仕上げるために使います。さつまいもを煮る時に加えます。
煮立つにつれてくちなしの実の色が出て、きれいな黄色に染まります。
さつまいも500gに、くちなしの実1個が目安です。
- 下ごしらえのポイント
- だしパックに入れるか、ガーゼで包み、すりこぎでたたいて割って使います。
くわい
青くわい、白くわい、吹田(すいた)くわいの3種類がありますが、手に入りやすいのは画像の青くわいです。独特のほろ苦さがあります。
- 下ごしらえのポイント
- 芽を残して調理する場合は、ほどよい長さで芽を切り、安定がいいように底を薄く切ります。その後、底から芽に向かって皮をむいていきます。
ゆりね
ゆりの球根のことで、ほのかな甘味と苦味、ほくほくした舌触りが特徴です。おもに鬼ゆりと小鬼ゆりが使われます。
- 下ごしらえのポイント
- 鱗片を外側から1枚ずつ、ていねいにはがしていきます。傷や黒ずみがある場合は、包丁で薄くそぎ切ります。
ちょろぎ
シソ科の多年草で、根にできる巻貝のような地下茎を食べます。梅酢漬けにして赤く染め、黒豆に添えることが多い。縁起をかついで「長老木」「長老喜」「長老貴」「千代呂木」などと書かれることもあります。