2019年12月7日
<野菜をいかした 精進おせち>
野村大輔先生




2019年12月7日のKCC料理講習会は、「shojin 宗胡」オーナーシェフの野村大輔先生をお招きし「野菜をいかした 精進おせち」をテーマに開催しました。
講習会のレポート
野村先生は、実家である老舗精進料理店の料理長を務めた後、2015年、東京・六本木に「shojin 宗胡」をオープンし、現代の感性を取り入れた、新しい精進料理を発信しています。オーナーシェフとして活躍するかたわら、海外でも、日本の精進料理の文化を紹介する活動を行っています。
おせち料理にも向く、精進料理3品をご紹介。縁起の良い海老芋を使った<海老芋とも和え>は、煮た芋を、それを裏ごしたもので和えた一品。だしは、残った野菜の端や皮と昆布でとった精進だし。精進料理の食材を無駄なく使うという精神をいかします。<炒めなます>は、にんじんの赤、春菊の青、れんこんの白、しいたけの黒、かぶはくちなしで黄色に染め、精進料理のいう「五色」に仕立てました。<丸十きんとん>の、丸十とは、さつまいものこと。レモンの風味をいかした、さわやかな味わいのきんとんです。
講習会のレシピ
海老芋とも和え
材料:4人分
海老芋 |
500g |
---|---|
米のとぎ汁 |
適量 |
柚子 |
適量 |
A; | |
だし |
700ml |
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵 |
50ml |
マンジョウ 本みりん |
30ml |
砂糖 |
50g |
つくり方
①海老芋は皮をむき、米のとぎ汁で、串がスッと通るまでゆでて取り出し、水でさらして、再び、ゆでる。
②①の海老芋を鍋に入れ、Aを加え、コトコトと5分程炊いて火を止め、半日程そのままおく。
③②を煮汁ごと再び火にかけて温め、海老芋の半分は裏ごし、残り半分は、1.5cm角に切る。煮汁は取っておく。
④③の裏ごした海老芋に、取りおいた煮汁を、適宜加えて混ぜ合わせ、なめらかなペーストにする。
⑤④に③の角切りの海老芋を加えてあえ、上から振り柚子をする。
炒めなます
材料:4人分
かぶ |
3個 |
---|---|
にんじん |
1/2本 |
れんこん |
1/2節 |
しいたけ |
5枚 |
春菊 |
1束 |
くちなし |
2本 |
赤唐辛子(鷹の爪) |
1本 |
デルモンテ エキストラバージン オリーブオイル |
大さじ3 |
白ごま(半ずり) |
少々 |
A; | |
だし |
300ml |
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵 |
20ml |
酢 |
80ml |
砂糖 |
35g |
つくり方
①かぶとにんじんは、皮をむき、短冊に薄く切る。水500mlにくちなしを割り入れ、ひと煮立ちさせ、かぶを30分程つけて、黄色く染める。
②れんこんは、皮をむき、小口から薄く切り、酢水(分量外)につける。
③しいたけは、軸を取り、横半分に切って、せん切りにする。
④春菊は、茎からは葉を取り、熱湯でさっとゆで、冷水にさらし、かたくしぼり、2cm角に切る。
⑤Aを鍋に入れ、ひと煮立ちしたら、赤唐辛子を入れて火を止める。
⑥フライパンに、オリーブオイルを入れ、①、②、③を入れて、中火から強火で炒め、8割程度、火が通ったら、⑤を入れてひと煮立ちさせて冷ます。
⑦⑥に、④の春菊を混ぜ、白ごまをふる。
丸十きんとん
材料:4人分
さつまいも |
1本(500g) |
---|---|
くちなしの実 |
2個 |
水 |
600ml |
グラニュー糖 |
150g |
レモン(皮をむく) |
1/2個 |
つくり方
①さつまいもは、皮をむき、5cm幅の輪切りにして、鍋に、適量の水と砕いたくちなしを入れて火にかける。さつまいもに串が通るまでやわらかくなったら、水にさらす。新しい水に替えて再び火にかけ、沸いたらざるにあげる。
②水600mlとグラニュー糖を合わせて火にかけ、蜜をつくり、①のさつまいもとレモンを入れて火をとめて、1日おく。
③②を再度、火にかけ、沸いたらざるにあけ、さつまいもと蜜に分ける。さつまいもの2/3量は裏ごしする。
④③の裏ごしたさつまいもを鍋に入れ、蜜を適量加えて火にかけ、軽く粘度がつくまで、しばらく練って火を止める。
⑤残りのさつまいもは、2cm角に切り、④に混ぜ合わせる。