2020年12月5日
<田村隆の王道おせち ~煮しめ、田作り、紅白なます~ >
田村隆先生(「つきぢ田村」三代目)
【YouTubeライブ配信】




2020年12月5日のKCC食文化と料理の講習会 YouTubeライブ配信は、「つきぢ田村」三代目 田村隆先生をお招きし、「田村隆の王道おせち~煮しめ、田作り、紅白なます」をテーマに開催しました。
田村隆先生のご生前のご厚情に深く感謝の意を表しますとともに、先生のご功績を偲び、謹んでご冥福をお祈り申しあげます。
2021年1月 キッコーマン株式会社
講習会のレポート
田村隆先生は、東京・築地の「つきぢ田村」の三代目。代々受け継いだ伝統の味と技を守り、店で腕をふるう一方で、テレビ番組や料理本などメディアを通して、家庭の和食の伝承にも力を注いでいます。わかりやすく楽しい語り口が人気です!
今回は日本料理の伝統を踏まえた、家庭版おせちの王道レシピをご紹介いただきました。
<煮しめ>は、初代の田村平治氏の「料理人は煮物がうまくつくれなくては」という教えを受け継ぐ一品。ポイントは“冷ましては煮る”を繰り返し、煮汁を素材に煮含ませます。<田作り>は、カリッとした食感が身上なので、ごまめの水分をよく飛ばし、手早く煮汁を表面にコーティングさせます。<紅白なます>の大根とにんじんは、“なます切り”という切り方で程よい歯ざわりにします。田村先生曰く、おせち料理はていねいにつくればその分おいしくなる料理とのこと。時短料理が主流になる今、ていねいに料理つくる大切さを感じた講習会でした。
講習会のレシピ
煮しめ
材料:つくりやすい量
A:淡い色の材料
高野豆腐 |
2枚 |
---|---|
れんこん |
2節(300g) |
酢 |
大さじ1 |
にんじん |
1本 |
煮汁A
だし |
600ml |
---|---|
砂糖 |
大さじ5 |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ |
大さじ2 |
※仕上げに
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん |
大さじ1 |
---|
B:濃い色の材料
干ししいたけ(小) |
10枚(35g) |
---|---|
砂糖 |
ひとつまみ |
ごぼう |
1本(150~200g) |
米のとぎ汁 |
適量 |
こんにゃく |
1枚 |
サラダ油 |
小さじ1 |
煮汁B
だし |
600ml |
---|---|
砂糖 |
大さじ4 |
キッコーマン いつでも新鮮 特選しょうゆ まろやか発酵 |
大さじ2 |
※仕上げに
キッコーマン いつでも新鮮 特選しょうゆ まろやか発酵 |
大さじ1/2 |
---|
C:ぬめりのあるいも
里いも |
10個 |
---|---|
酢 |
大さじ1 |
煮汁C
だし |
600ml |
---|---|
砂糖 |
大さじ3 |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ |
大さじ2 |
※仕上げに
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん |
大さじ1/2 |
---|
絹さや |
15枚 |
---|---|
塩 |
少々 |
つくり方
つくり方:下ごしらえ
■A(淡い色の材料)の材料の下ごしらえをする
<高野豆腐>
①たっぷりのぬるま湯につけ落とし蓋をし、10分後裏返し、落とし蓋をしてぬるま湯が冷めるまでおく。
②①を新しい水につけてもみ、出てくる水がにごらなくなったら、しっかりと水気をしぼり、1枚を6等分する。
■B(濃い色の材料)の材料の下ごしらえをする
<れんこん>
①ピーラーで皮をむき、たっぷりかぶるくらいの水と酢大さじ1を加えた湯でゆでる。
②①が透き通ってきたら、冷水に取って冷まし1cm幅に切る。
<にんじん>
①4~5cm長さに切り、さらに放射状に3等分に切る。それぞれ中心の角を少しそいで切り落とす。
②断面を下にしておき、梅の抜き型で抜く。
<干ししいたけ>
①砂糖ひとつまみを加えた水につけ、浮かないようにラップフィルムで落とし蓋をして、一晩おいて戻す。軸は切って除く。
<ごぼう>
①たわしで洗って太めの斜め切りにし、たっぷりの米のとぎ汁でゆでる。やわらかくなったら、ざるに上げてさっと洗う。
<こんにゃく>
①両面に、厚みの1/4まで斜めに細かく切れ目を入れる。
②サラダ油を入れて中火で熱したフライパンで、両面に焼き色をつける。
③熱湯でさっとゆでて、水けをきり、高野豆腐と大きさ、厚さを合わせて正方形に切る。
■C(ぬめりのあるもの)の材料の下ごしらえ
<里いも>
①器の高さに合わせて上下を平らに切り落とす。
②縦に皮をむく。下から上へまっすぐにむき上げ、上下の断面が六角形になるようにする。
③鍋にたっぷりかぶるくらいの水と酢大さじ1を加え、弱めの中火でゆでる。やわらかくなったら、湯をきり、水で洗ってぬめりを取る。
④ざるに上げて、水気をふき取り、器にすき間なく並べられるように、里いもの側面を丸みを平に切り落とす。
つくり方:煮しめる
①各A、B、Cの材料を、別のフライパンか鍋に入れ、各煮汁(A)(B)(C)を加えて、中火にかける。
②煮立ったら弱めの中火にし、アルミ箔で落とし蓋をし、3~4分煮る。
③火からおろし、落とし蓋をはずして冷ます。このように煮ては冷ますを3~4回繰り返し、味をしっかり含ませる。
④最後に落とし蓋を取り、強めの中火にかける。Aはみりん大さじ1、Bはしょうゆ大さじ1/2、Cはみりん大さじ1/2をそれぞれ加え、鍋をゆすりながら煮汁をとばす。
⑤汁けがからんでつやが出たら、バットに移して冷ます。
つくり方:盛りつける
①絹さやはへたとすじを除き、塩少々加えた熱湯でさっとゆでて、ざるに広げて湯をきり、塩少々をふって手早く冷ます。
②⑤が冷めたら絹さやを添えて、器に盛りつける。
紅白なます
材料:つくりやすい分量
大根 |
1本(正味850g) |
---|---|
にんじん |
75g |
柚子の皮 |
10g |
<つけ汁>
だし |
200ml |
---|---|
酢 |
180ml |
砂糖 |
80g |
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ |
小さじ2 |
塩 |
大さじ2 |
---|---|
砂糖 |
少々 |
つくり方
①大根は長さ2~3等分に切って皮をむき、長径が10cmほどのだ円になるように、斜め薄切りにする。
②①を縦長にそろえて少しずつ重ね、端からせん切りにする。にんじんも同様にしてせん切りにする。ボウルに大根、にんじんを入れて塩大さじ2をまぶす。
③柚子の皮はせん切りにして、砂糖少々をふって軽くもみ、しんなりとさせる。
④つけ汁の材料は小鍋に入れて中火で煮たて、砂糖が溶けたらおろして、完全に冷ます。
⑤②がしんなりとして水けが出たら、さらしの布巾に包んで水で洗う。塩けがなくなったら、水けをしっかりとしぼる。
⑥ボウルに③と⑤を合わせて混ぜる。ラップフィルムをかけて冷蔵庫で冷やし、味をなじませる。
田作り
材料:つくりやすい分量
ごまめ |
50g |
---|
A; | |
---|---|
マンジョウ 料理の清酒 |
大さじ2 |
砂糖 |
大さじ2 |
キッコーマン いつでも新鮮 特選しょうゆ まろやか発酵 |
大さじ2 |
白ごま |
大さじ2 |
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つくり方
①ごまめはフライパンに広げて、弱めの中火にかけ、じっくりとからいりする。または、ごまめを耐熱皿に広げて、電子レンジで加熱し、よく乾燥させる。
②カリッと香ばしくなり、おいしそうな焼き色がついたら、盆ざるに移して冷ます。
③フライパンをきれいにし、Aの調味料を入れて強めの中火で煮立てる。細かい泡がふんわりと立ったら、②を加えてからめる。
④白ごまをまぶし、かたまりにならないように、バットに広げる。