柳原尚之の和食のきほん~ご飯を極める~

講師

柳原 尚之 先生(近茶流嗣家・柳原料理教室副主宰)

2020年9月26日のKCC食文化と料理の講習会 YouTubeライブ配信は、近茶流嗣家、柳原料理教室副主宰の柳原尚之先生をお招きし、「和食のきほん~ご飯を極める~」をテーマに開催しました。

講習会のレポート

柳原尚之先生は、近茶流宗家の柳原一成氏とともに、東京・赤坂の教室で、日本料理、茶懐石の研究指導にあたり、国内だけでなく、海外にも日本料理を広める活動を幅広く行っています。近茶流とは江戸時代、文化文政の頃に興ったといわれる、柳原家家伝の料理道です。

今回は、和食のきほんである“ご飯”をテーマに、近茶流で培ってきた技を交えて、お米の炊き方や季節のご飯料理をご紹介いただきました。上手にお米を炊くには、使う鍋のふたや炊いている時の音を注意深く聞くことが大事とのこと。料理は、色合いも料理名も秋らしい炊き込みご飯と、秋なすを使った簡単などんぶりをならいました。改めて、日本の食文化の中心にある“ご飯”を見直す機会となりました。

講習会のレシピ

米の研ぎ方、炊き方

材料
3カップ(600cc)
720ml(米の容量の20%増し/新米の場合は米の15%割増し)
  • 炊く鍋はふたの重いものが望ましい。ふたが重いと圧力がかかってふっくらと炊ける。
つくり方
  1. 1米はさっと洗い最初の水は手早くを捨て、水気をきる。(最初の水につけておくとぬか臭くなる)
  2. 2米を手のひらを使って、米と米をすりあわせるようにして研ぐ。この時力を入れ過ぎると、米が割れてしまう。
  3. 330回ほど研いだら、水を入れて白濁した水を捨てる。(白濁した水は、根菜類の下ゆでなどに利用する)
  4. 4再度30回ほど研いで水を入れて白濁した水を捨て、水が透明になるまでくり返す。
  5. 5鍋に水気をきった「4.」の米と分量の水を入れて30分浸水させ、米に十分水分を含ませる。
  6. 6「5.」を火にかけ沸騰するまで強火にする。沸騰したら中火にして沸騰させ続ける。(米がα化して柔らかくなる)水分が減って米の表面がぶつぶついうようになったら弱火にする。
  7. 7米の表面に水分がなくなったら強火にする。ぱちぱちと乾いた音がしたら、(4鍋の下まで水分がなくなったとわかる)10秒間強火を保って火を消す。
  8. 810分間蒸らし、十分に水分を含ませふっくらとさせる。
  9. 9 炊きあがったご飯の天地を一度返して、余分な水分を飛ばし、つやつやのご飯にさせる。
  10. 10ご飯をおひつに移す。ない場合はふたと鍋の間に乾いた布巾をはさむ。

秋色黄枯茶飯(しゅうしょくきがらちゃめし)

材料:4人分
炊き込みご飯の場合:うるち米 2と1/2カップ(500cc)
炊きおこわの場合:うるち米
          もち米
2カップ(400cc)
1/2カップ(100cc)
550ml
   
A;  
  キッコーマン特選丸大豆しょうゆまろやか発酵 大さじ2
  マンジョウ料理の清酒 大さじ1と1/2
   
芝えび(殻つき) 150g(殻なしの場合80g)
まいたけ 100g
甘露栗 8個
ぎんなん(ゆでて皮をむく) 12個
   
下煮汁;  
  だし 100ml
  キッコーマンいつでも新鮮うすくち生しょうゆ 小さじ1
  マンジョウ本みりん 小さじ1
  塩 少々
つくり方
  1. 1炊き込みご飯は、うるち米を研いで水550mlにつけて30分おき、Aを加える。
    炊きおこわは、うるち米ともち米を合わせて研いで水550mlにつけて1時間ほどおき、Aを加える。
  2. 2芝エビは背わたを取り、殻をむいて塩水(分量外)で洗う。まいたけは、石づきを取り、小房に分ける。甘露栗は4等分にする。
  3. 3下煮汁の調味料を合わせて火にかけ、沸かした中に芝エビとまいたけを入れて、2~3分ほど煮て汁気をきる。
  4. 4「1.」を火にかけて沸騰したら、「3.」と甘露栗とぎんなんを入れて炊きあげる。

なすと豚こまの柳川丼

材料:2人分
豚こま切れ肉 100g
新ごぼう 1/3本(40g)
なす 1本
あさつき 適量
適量
   
煮汁;  
  だし 100ml
  マンジョウ料理の清酒 大さじ1/2
  砂糖 大さじ1/2
  キッコーマン特選丸大豆しょうゆまろやか発酵 大さじ1
  マンジョウ本みりん 大さじ1
   
2個
温かいご飯 丼2杯分
山椒や七味唐辛子 好みで
つくり方
  1. 1豚肉は4㎝長さに切る。ごぼうはささがきにして水にさらしアクを除く。なすは、縦半分に切り、5㎜幅の斜め切りにして水にさらす。
  2. 2フライパンに油を入れ、豚肉を炒めてバットに取り出す。
  3. 3同じフライパンに油を入れ、水気をきったなすとささがきごぼうを入れて強火で炒める。火が通ったら豚肉をもどし、だし、酒、砂糖、しょうゆ、みりんを加えて軽く味を含ませる。
  4. 4「3.」に軽く溶いた卵を入れて、蓋をして火を止めて10秒おく。
  5. 5丼にご飯をよそい、その上に「4.」をのせて、あさつきの小口切りを散らし、好みで山椒や七味唐辛子をかける。
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