四谷荒木町鈴なり 村田明彦さんの 本格修行コース!!

やぁ、よく来てくれた!
最初に言っておくが、正直、私の修行は厳しい。
しかし真摯に取り組んだ暁には、
必ずおいしいだし巻き卵が作れるはずだ。
だしの旨みと卵の香り際立つ本格的なだし巻きを伝授しよう。

まずは準備!

調理器具
卵焼き器

正方形のものでも長方形のものでもどちらでも

※村田さんは15cm×15cmの正方形の卵焼き器を使用しています

菜箸

油をひく、卵を巻く際に使います

材料
  • 卵/3個​(L玉 180g)​
  • キッコーマン
    旨みひろがる 香り白だし
    /大さじ1​
  • 水/90ml​
  • 大根おろし/適量

だし巻き、五つの心得

  1. 其の壱 卵の溶き方にこだわる!
    箸を立てて、白身を“切る”ように溶くのがポイント。水分を入れる前にしっかり溶いておこう。​
  2. 其の弐 巻きはじめが肝心である!
    はじめは卵をうすく広げて卵に火が入りやすいように。巻く“きっかけ”を作ってあげる。
    まったく慌てる必要はない!
    あとは巻いていくのみ!​
  3. 其の参 卵液は7~8回に分ける!
    ミルフィーユのように層をつくることで、 だしの抱え込みがよくなる。
    ふわっとした食感になり、おいしいだし巻き卵となる。
  4. 其の四 返すとき箸は添えるだけ!!
    箸は卵の後ろに1本添え、上側には触れない。そのまま卵焼き器だけを返すように巻くべし。慣れない方はフライ返しを使っても、もちろんいい。
  5. 其の伍 心構え おいしいだし巻きを思い描き、真摯に取り組むべし

動画で解る いざ巻かん!究極やわらかだし巻きたまご

  • 難易度MAX!あふれ出るだし!究極をすでに超えた村田スペシャルだし巻きたまご​​​
    村田流、だしを楽しむだし巻きたまご!​
    ここまで出来たらだし巻き上級者!!​
    じゅわ~~~っとあふれ出るだし、
    しっとりふるふるの卵の質感がたまらない~~~~​
    もはや飲みたくなるほどのだし感あふれるだし巻きです。​
  • だし巻きリカバリー!鶏そぼろなめこあん だし巻きたまご
    多少形が崩れたとしても、
    このあんかけがあれば見栄えよく仕上がります。
    なめこと鶏のだしとあいまって、
    ぐっと旨み引き立つ味わいになりますよ。
    もちろん“あん”にも白だし使ってます!

基本に慣れたらもうひと工夫!村田流おつまみアレンジ

  • ねぎいくらだし巻きたまご​
    彩りも鮮やかなごちそうだし巻き。
    華やかなでハレの日やおもてなしに。
    もちろんお酒に合うのは間違いなし!​
  • じゃこ胡椒​だし巻きたまご​
    ピリリと香る胡椒とじゃこの旨みが絶妙な一品です。
    どんどんお酒が進む、やみつきの味わいです。
    胡椒が強めでもおいしいですよ。

食材の変化を感じ、
素材の旨みや香りを活かす。
だし巻き卵には料理の基本が詰まっています。
ぜひ、得意料理のひとつにしてください。

四谷荒木町 鈴なり 村田明彦さん
予約困難な人気和食店「鈴なり」の店主。
祖父がふぐ屋を経営していたことから料理人を志す。
老舗日本料理店「なだ万」で13年間修業を積み、2005年同店を創業。若いお客様にも足を運んでいただきたいという想いから、 本格的なコースをリーズナブルに提供している。

村田さんに聴く だし巻きにまつわる話​ ~修業時代はうまく巻けなかった?!~​

  • 修行時代は巻けませんでした(笑)​
    自分が修行していた「なだ万本店」は懐石コースしかないんですね。
    そこにだし巻きはないんですよ。
    1~2年目くらいの頃に他の店に手伝いに行くんですよ、助(すけ:ヘルプ)に。
    ホテルの店舗に行った時に作りましたね。朝食担当で。
    できもしないのに「できる」といってスクランブルエッグみたいにして、まきすに入れて形を整えるみたいにしてましたよ(笑)。
    ちゃんと巻けるように練習もしましたよ。​
  • お店でリクエストされると・・・​
    ノーマルも多いですよ。
    あとはつまみになるようなものあります。うにとか。​
    お子さんとか来るときは、ちょっと砂糖を加えています。
    個人で作る時にはやっぱりうにとか。
    鮭フレーク入れてもいいです。
    やっぱりおつまみかな。​
  • 中に具材を入れた時は・・・
    中に具材入れると、ちょっと慌てちゃうんですよ。
    でも、温度帯は若干弱めがいいですよ。​掴むと柔らかいので切れるんですよ。
    でも掴んでもいいけど、めちゃめちゃ「エアリータッチ」で力入れないで巻くっ
    ていうのをやった方がいいです(笑)。
    具材はなんでもいいんです。
    自分は「うに」が好きですね(笑)。
    あとはツナ缶、ハムチーズ、
    しそのような薬味もいいですね。​

せっかくなので村田さんのだしのひき方大公開!

ここまで読んでくださり、ありがとう。
せっかくなので、鈴なり流のだしのひき方をご紹介します。
一晩以上かけじっくりだしの旨みをひきだしていきます。
ぜひ挑戦してみてください。
材料
  • 真昆布/30g 乾いた布で軽く汚れをふき、折っておく。
  • かつお節/50g 今回はうすくかいた並削りを使う。
  • 水/一升(1800cc)

※画像は2倍量で作っています。

  • 水に一晩、真昆布をつけおき、水だしを作る。

  • 火にかける。お風呂より少し熱い温度になり鍋のふちにあぶくが出てきたら、昆布を取り出す。このとき湯は沸かしてはならない。

  • 沸く直前になったらかつお節を入れ、その後すぐ火を止める。火を止める前に入れるのがコツ。このとき、灰汁(大き目の泡)があったらとる。旨み(小さい泡)はとらないよう注意する。

  • 濾していく。大き目のボウルに濾し器と厚手のキッチンペーパー​を重ね、流し入れる。この時、かつお節にしたたるよう、静かに丁寧に流すこと。かつお節の層でもだしをろ過していくため。

  • 鰹と昆布の澄んだ旨みがあふれるあわせだしの完成です。

香り白だしに感動
一晩以上かかるだしのおいしさが、
こんなに手軽に楽しめるなんて。
本当にすごいですよ、香り白だし。
プロがひいただしとも遜色ありません。
旨みが重なり、料理が一段とおいしく
なるはずです。
正直、おすすめです。