生まれたきっかけからこだわりまで
開発者が語る
『リコピンリッチⓇ』誕生秘話
開発者
日本デルモンテ株式会社
商品技術開発部
基幹発展グループ長
小林 弘嗣
キッコーマン飲料株式会社 プロダクト・マネジャー室(当時)
商品開発グループにて『リコピンリッチⓇ』を企画。
商品化を果たした1か月後の2017年4月、現在のポストへ就任し、『リコピンリッチⓇ』開発に熱意を注いでいる。
『リコピンリッチⓇ』の「リコピンの量」に注目が集まっていますが、なぜこれほどの量を配合できたのでしょうか?
トマトの量を限界まで増やした結果です。
もともと『リコピンリッチⓇ』のコンセプト自体が、「通常のトマトジュースよりも多くのリコピンを、トマトがもっているリコピンだけで摂取できる飲料」だったんです。なので、添加物などによるリコピンの増強は考えず、まずは「トマトを入れられるだけ入れてみよう」と、開発を進めました。
結果、今では800mlペットボトル1本でトマト30個分のリコピンを実現しています。
そんなにたくさんのトマトを飲料にするのは大変そうですが・・・。
商品化への熱意で試行錯誤の末、完成!
これ以上トマトを入れると飲める状態ではなくなるため、今できる最大の濃さですね。商品化までには相当な苦労がありました。この濃さを実現するためにトマトペーストを使用していますが、そのままでは粘度が高すぎて飲み物になりませんから。
ただ、「どうしても商品化を」という熱意があったので、試行錯誤の末に完成させることができました。それでも発売当初は、普通のトマトジュースの3倍以上の製造時間がかかっていて、工場から「やめてくれ」と言われたことも(笑)。
リコピン製剤などを添加せず、トマトのみでつくるのもひと苦労では?
個体差があるトマトを使って、ブレない味を出すのが難しい。
リコピン製剤などの添加は最初から考えていないので、トマトのリコピン量をいかに管理するかがカギとなります。原料となるトマトは、デルモンテが独自に開発した品種を含む数種類を使用していますが、当然ながら含まれるリコピン量や味わいには個体差がありますし、地域や生産年でも変わるもの。それらのトマトの品質チェックはもちろんのこと、トマトペーストも全ロットのリコピン量を分析するといった管理を行っています。
その上で塩や砂糖を加えずに、すべての商品がブレなく同じ味わいとするのにもっとも気を遣いますね。
食品表示に「トマトジュース」ではなく「濃縮トマト飲料」と記載されているのも、この濃さに理由が?
トマトジュースの域を超えた濃さになったので。
『リコピンリッチⓇ』は糖度が高く、農林水産品などの統一規格となるJASが定めたトマトジュースの定義を越えているんです。もはやトマトピューレの範疇ですが、それでは飲み物であるとわかりにくいため、「濃縮トマト飲料」と表示しています。「濃いトマトジュース」と理解していただければ幸いです。
『リコピンリッチⓇ』を、どんな方に飲んで欲しいですか?
トマト好き、トマトジュース好きの方に、ぜひ!
トマトが好きな方、普段からトマトジュースを飲んでいる方ですね。普通のトマトジュースより若干割高ではありますが、味そのものを気に入ってリピートしてくださる方が多いんです。もちろん、私たちにもその自信があるので、ぜひ一度、飲んでいただきたいですね。
使用されるトマトは、地域や生産年によって品質が変わるため、産地を実際に訪れてチェックを行っています。