昆布の佃煮


下煮・味つけ煮・仕上げ煮の3段階で
味わい深くなります
昆布としいたけ、しょうゆ。和のうまみを組み合わせた佃煮は、常備しておきたい和ごはん定番の一品です。調理はシンプルですが、ていねいに煮上げていくことで、おいしさが格段に変わります。
一度ゆでこぼして、昆布のアクとぬめりを取ってから、3段階で煮ていきます。まず、酢を加えた「下煮」で、昆布をやわらかくし、味が入りやすくします。次に、乾物の味つけの黄金比率である、しょうゆ:みりん:砂糖=1:1:1で「味付け煮」をします。最後に、しょうゆとみりんで香りとツヤをまとわせる「仕上げ煮」で煮きったら、完成です。
干ししいたけは、うまみを重ねるだけでなく、煮ているときにくっつきやすい昆布の間に入ることで、味わいにムラもなく煮ることができます。さらに味の変化を楽しむなら、「味つけ煮」のタイミングで山椒を加えたり、最後に、削り節や刻みごまをからめたりするのもおすすめです。
- ●干ししいたけを加える
- ●アク・ぬめりを取る
- ●下煮・味つけ煮・仕上げ煮の3段階で煮る
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料(つくりやすい分量)
- 日高昆布…50g(もどして200g前後)
- 干ししいたけ…2枚
- 一味唐辛子…少々
- 〈A〉
- マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒…1/4カップ
- 米酢…大さじ1/2
- 水…2カップ
- 〈B〉
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ2
- 砂糖…大さじ2
- 〈C〉
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ1
つくり方
1. 昆布としいたけをもどす
昆布は、約3時間水でもどす。干ししいたけは、やわらかくなるまで水でもどす。

たっぷりの水で4〜5倍にもどします
昆布はバットでもどすとふくらみ具合が一目瞭然です。全体が浸かるくらいたっぷりの水でもどしはじめ、水が足りなければ足します。途中で裏返しながら、しわがなくなるくらいまで4〜5倍にふくらむまでもどします。干ししいたけは水に浮きやすいので、はじめに水中へしっかり浸します。
2. 昆布としいたけを切る
昆布は、3~4㎝角に切る。しいたけは軸を落とし、薄く切る。

主役と脇役として大きさに差を
昆布は1枚ずつ切ったら、重ねて角切りにします。しいたけは軸を切り落とし、できるだけ薄く切ります。主役はあくまでも昆布。しいたけは脇役です。
3. ゆでてぬめりを取る
鍋に昆布、しいたけ、水3~4カップを入れ、中火にかける。煮立ったらざるに上げ、水で洗って水けをきる。

上品な味わいに仕上げるためのひと手間
白い泡をともなってゆで汁がうす緑色になってきたら、ぬめりとアクが抜けてきたサインです。ゆでこぼして水洗いすることで、昆布のぬめりやアク(苦み)を取ります。水洗いするときはこすらずに、ぬめりを感じるところがあれば指先でやさしく拭うように洗います。このひと手間で上品な味わいに仕上がります。
4. 下煮をする
鍋に昆布、しいたけ、〈A〉を入れて、強火にかける。煮立ったら中火にして約10分煮る。

味がしみ込みやすくなります
昆布は味が入りづらいため、はじめに酢で煮てやわらかくします。一度しっかり煮立たせて、酒のアルコール分と酢の酸味をとばします。酒が昆布の苦みを取りながら、うまみを加えてくれます。
5. 味つけ煮をする
〈B〉を加える。煮立ったら中火のまま上下を返しながら15分ほど煮る。

煮汁が半量になるまで煮ます
砂糖、みりん、しょうゆは順不同でかまいません。中火のまま煮立て味がまんべんなくいきわたるよう、軽く上下を返しながら煮ます。煮汁が半分くらいにまで減ったら、仕上げ煮へ。
6. 仕上げ煮をする
〈C〉を加える。中火のまま煮汁がなくなるまで煮る。バットに広げ、粗熱を取り、好みで唐辛子をふる。保存容器に移して保存する。

最後に香りとつやをまとわせます
仕上げにしょうゆとみりんを加えて煮ることで、つやのある、しょうゆの香り豊かな佃煮になります。最後はゴムべらなどで鍋底をなぞるように混ぜながら、煮汁がなくなるまで煮ます。バットに広げ、湯気がなくなり粗熱が取れたら、好みで一味唐辛子を加えます。冷めたら保存容器に移し、冷蔵庫に入れて3日くらいおくと味が落ち着いて食べごろです。
(1人分熱量41kcal/塩分1.1g/調理時間約60分)※10人分としたときの値。調理時間に昆布、干ししいたけをもどす時間、冷蔵庫で味をなじませる時間は含まず。
ヘルシーポイント
ゆでたキャベツ、ほうれん草、小松菜などを食べやすく切り、昆布を細切りにして和えるだけで、野菜をたくさん食べられます。
使った調味料はこちら
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2025年4月22日