菜の花の辛子和え

香り、食感、色、形……
和食の基本として大切にしたい要素です

野菜のおひたしは、シンプルだからこそ基本を大切にしたい料理です。ポイントは「野菜の鮮度」と「ゆで過ぎない」こと。そのために、まずはゆでる前に野菜をみずみずしく元気にするよう水揚げをしますたっぷり水分を含ませることで、火通りがゆるやかになってゆで過ぎを防ぎ、香りや食感がよくなります。

色よく仕上げるには、湯に塩を入れるよりも高温で手早く火を通すほうが効果的です。盛り付けにも気を配り、菜の花の葉や花の形を見せるようにしましょう。 単素材の一品でも食卓で存在感を放つはずです。

菜の花はアクが強く表面積が多いので味が絡みづらいのですが、「しょうゆ洗い」をすることでアクが取り除かれ、十分に味が行き渡ります。下味がつくことによって本味付けでも味が絡みやすくなります。

  • ●水揚げして鮮度復活
  • ●ゆで過ぎない
  • ●「しょうゆ洗い」で下味付け

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2人分

菜の花…1/2束
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…小さじ1
〈A〉
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…小さじ1
練り辛子…小さじ1/2

つくり方

1. 水揚げする

菜の花の根元を5mmほど切り落とす。冷水を入れたボウルに、菜の花を立てるように入れ15~30分置く。

お花を水に挿すように

水切りした花を花瓶に挿すように茎を切って水揚げすることで、菜の花がパリッと生き返ります。葉っぱが開いてきたら水が行き渡り、元気になった証拠です。

2. ゆでる

鍋に1リットル(5カップ)の湯を沸かす。沸いたら中火にし、菜の花を手で握り、茎の部分だけを湯に入れてひと呼吸(5秒ほど)おき、全体を湯に入れる。箸で沈める。

強引に湯の中に沈めましょう

菜の花は茎、葉、花と、さまざまな要素がある野菜です。なので火通りを均一にするために、ゆで時間に差をつけます。菜の花などのアブラナ科の野菜の表面は水を弾きやすいので、ぐっと押さえながら湯に沈めていきます。

3. 冷水で冷ます

菜の花の上下を返しながら30~40秒ゆでたら、箸で取り上げ冷水にとり、十分に冷ます。

きれいな色を保つコツです

菜の花は短時間でしっかりゆでたいので、湯を十分に沸かしてからゆでます。湯が黄色っぽく汚れてくるのは溶け出した有機酸によるもの。この有機酸が溶け出すと食材は褪色しやすくなるため、冷水で十分に冷やして色止めをします。緑の野菜は高温から急激に低温にすることで、色褪せを止めることができます。

4. 水分を絞り下味を付ける

冷めたら根元をそろえて持ち、水気をかるく絞る。しょうゆ洗い(しょうゆを振りかけ全体に絡め、しょうゆと水気を軽く絞る)をする。半分の長さに切る。

「しょうゆ洗い」はヘルシーな調理法

「しょうゆ洗い」をする理由は下味をつけ、余分な水分を出すためです。しょうゆ洗いをすると本味付けの塩分を控えることができ、減塩にもなります。しょうゆ洗いの後には水分が出るので、ほどよく絞ります。ここでの「かるく絞る」の目安は指の押し跡が菜の花にうっすら残るくらいです。

5. 調味料と和える

ボウルに〈A〉を入れて混ぜ合わせ、菜の花を茎から加えて和える。

味をなじませるのにも順番があります

火通りと同じく、味なじみも均一にしたいので、太い茎のほうから順に調味料と混ぜていきます。すでに下味がついているため、この本味付けは適度に絡ませる程度に。塩分が多くなったり、繊維が壊れたりして食感が悪くならないようにします。やわらかい部分はかるく絡めると、ほどよく食感を残すことができます。

(1人分熱量26kcal/塩分0.9g/調理時間約10分)

菜の花の辛子和えのレシピだけ見る

ヘルシーポイント

アブラナ科の菜の花は、ベータカロテン(ビタミンA)、ビタミンE、ビタミンC、鉄分、食物繊維などが効率よく摂れる優秀な野菜。若々しさと元気をくれる食材です。 また、「しょうゆ洗い」をすることで下味がつくとともに余分な水分と苦味が抜け、少量の調味料でも味がととのい、減塩しやすくなります。

監修・料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時(2022年5月)のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。