焼きなす

皮の焦げは、調味料のひとつ。
躊躇せず、しっかり焼きます

なすを焼く。とてもシンプルな料理ですが、焼きが足りずに失敗してしまうケースが少なくありません。おいしく仕上げる秘訣は、ただひとつ。臆せずとにかくしっかり皮を焼くことです。焦げた香りも大切な調味料のひとつと心得て、大胆に焼きましょう。

なすは、硬い皮に囲まれた袋状の野菜で、じつは火の通りの悪い食材です。熱が通るように切り込みを2か所入れ、お尻も少しカットします。水蒸気の逃げ道を用意することで、加熱中の破裂を防ぎます

皮をむくのがうまくいかず、身までむけてしまうことがありますが、これは焼き不足が原因です。旬を迎えて水分が多くなると、焼き時間はさらにかかるものの、しっかりと焼くことで皮はむきやすくなります

冷水にとって皮をむく方法もありますが、どうしてもなすの甘みが抜け出てしまうので、できるだけそのままむきたいところです。熱々でもむく作業がしやすいように、持ち手になるようへたを落とさずつけておいたり、濡れたふきんを添えたり、小さなトングを使ったりと工夫してみてください。ただし、火傷にはくれぐれもご注意を。

  • ●切り込みを入れる
  • ●とにかくしっかり焼く
  • ●できれば熱々のまま皮をむく

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2人分

なす…3~4本(300g)
しょうが(すりおろし)…1かけ分
かつお節…適量
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…少々

つくり方

1. なすの下準備をする

へたは残し、がくだけを切り取る。

へたが後から役に立ちます

へたはつけたまま調理します。なぜなら、焼いて身がやわらかくなったときに持ち手になり、扱いやすいからです。へたの付け根に包丁でぐるりと浅く切り込みを入れ、がく(ひらひらしたとげの部分)をむき取ります。

2. 切り込みを入れる

お尻を5mmほど切り落とす。間隔をあけて縦に2本、深く切り込みを入れる。

皮を切っておくには深いわけが

切り込みは、火の通りをよくし、熱々の皮をむきやすくするためです。なすの中心くらいまで深く入れておきましょう。お尻を5ミリほど切り落とすのは、焼いたときの破裂を防ぐため。水蒸気がここから逃げていきます。

3. 強火でしっかり焼く

焼き網を十分に熱し、なすを交互に並べ、アルミホイルでふたをする。時々上下を返しながら8~10分強火で焼く。

焦げた香りは欠かせない味つけのひとつです

躊躇せず、とにかくしっかり焼きます。皮が焦げて真っ黒になっても大丈夫。焼きなすは焦げた香りもごちそうのひとつです。ていねいにコロコロと転がすように返し、返し終わったらそのつどアルミホイルをかぶせます。焼きむらがないようにまんべんなく焼きましょう。魚焼きグリルでも焼くことができます。

4. 焼き具合を確認する

菜箸で押さえ、切り込みから水分が出てくるのを確認する。

一番太い部分を押して最終確認を

どこを押してもしんなりして、切り込みからジュワリと水分が出てきたら焼けた合図です。最後は一番太い部分を押してみて確認できたら、いよいよ皮むきへ。

5. 皮をむく

まな板や皿に取り、手早く皮をむく。

手早くていねいに皮をむきます

へたを乾いたペーパータオルでくるむようにして片手で持ち、なすを押さえて、手早く皮をむいていきます。小さなトングがあるとスムーズ。身が熟していてよりやわらかいお尻からむいていきましょう。冷水にとると皮がむきやすくなりますが、なすから甘みが抜け出てしまいます。その場合は、よく冷えた冷水を用意して甘みの流出を防ぎながら、できるだけ手早く作業をします。

6. 仕上げる

水気をふき取り、へたを切り落として、食べやすい大きさに切る。

熱いうちにしょうゆをかけて香りよく

キッチンペーパーで水分を軽くふき取り、へたを切り落とします。2~3等分に切って器に盛り、かつお節、しょうがを添え、しょうゆをかけて熱々のうちにいただきましょう。

(1人分熱量30kcal/塩分0.4g/調理時間約20分)

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ヘルシーポイント

焼きなすは消化もよくヘルシーな料理です。しょうがやかつお節をたっぷり加えれば、塩分を控えても、味のアクセントやうま味のおかげで充分な食べごたえを感じられます。

料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時(2022年4月)のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。