コロッケ
男爵いもをゆっくりゆでて、
旨みを引き出しほっくりと
コロッケの主役はじゃがいもです。でんぷん質が多く、ほっくりした食感が特徴の男爵やキタアカリなどのいもを選びます。そして旨みを引き出すために必ず水からゆでます。40~60℃でじゃがいもの甘みや旨みが引き出されるので、その温度帯をゆっくりと通過させることを意識してみてください。
粉吹きいもになるまで水分を飛ばしたじゃがいもに、熱々のひき肉と玉ねぎを加えると、肉汁の旨みがじゃがいもに入り、味わいに一体感のあるコロッケだねができます。ほっくりした口当たりを残すためには、じゃがいもをつぶすときに練りすぎないこともポイントです。たねを一度冷やして落ち着かせることで、さらに味がなじみます。
揚げ油の温度が下がらないよう、少量ずつ揚げて、サクサクに仕上げましょう。
- ●男爵などほくほく食感のいもを選ぶ
- ●水からゆでる
- ●水分を飛ばして肉の旨みを入れる
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・6個分(3人分)
- じゃがいも…2~3個(300g)
- バター…10g
- 塩…小さじ1/4
- 玉ねぎ…1/4個(50g)
- 豚ひき肉…150g
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1
- 砂糖…小さじ1
- こしょう…少々
- 小麦粉…大さじ3
- パン粉…1と1/2カップ(60g)
- 揚げ油…適宜
- 〈A〉
- 卵…1個
- 小麦粉…大さじ4
- 牛乳…大さじ1
つくり方
1. じゃがいも、玉ねぎを切る
じゃがいもは皮をむいて芽があれば取り、1.5㎝幅の輪切りにして5分水にさらす。玉ねぎは8mm角に切る。
水にさらして表面のでんぷんを取ります
じゃがいもは芽もていねいに取ります。じゃがいもの旨みを引き出すために、火が通りやすくてつぶしやすい大きめの輪切りにします。水にさらす理由は、表面のでんぷんを取るためです。そのままゆでると、ゆで汁にとろみがでて火の通りが悪くなり、じゃがいもに粘りが出てしまいます。玉ねぎは食感を残したいのでやや大きめに切ります。根元を切り離さず、水平と垂直に包丁を入れてから刻むと、散らばらず簡単に角切りができます。
2. 粉吹きいもにする
鍋にじゃがいもとかぶるくらいの水(分量外)を加えて、中火にかける。煮立ったら、ふたをして弱火で15分ゆでる。竹串がスッと通ったら、水気をきる。再び火にかけ、鍋をふりながら水分を飛ばす。
水からゆでるとおいしくなる理由
じゃがいもの旨みや甘みが出てくるのは40~60℃です。その温度帯をしっかりと通過させたいので水からゆでます。湯からゆでるとじゃがいものでんぷんがすぐに固まり、甘みが引き出せず、ホクホク感もなくなってしまいます。竹串がスッと入れば、ゆで加減は問題なしです。水をきるときはやけどに注意を。一度ザルにあけても良いでしょう。その後は水分がなくなるまで鍋をゆらしながら火にかけ、粉吹きにします。
3. じゃがいもをつぶしながら下味をつける
ボウルに移して熱いうちに、フォークでつぶす。塩、バターを加えて混ぜる。
つぶしすぎない、練りすぎない
フォークやマッシャーでつぶし、下味をつけます。冷めるとでんぷんの粘りが出て、味が入りにくくなってしまうので必ず熱々のうちに作業します。「つぶしすぎない・練りすぎない」が、いもの食感を活かすポイントです。
4. ひき肉、玉ねぎを炒める
フライパンにひき肉、玉ねぎを広げ、中火にして2~3分焼く。肉の色が半分変わったら上下を返すようにして約2分炒め、砂糖、しょうゆを入れて絡める。こしょうをふる。
はじめは肉を動かさず脂を出します
ひき肉の脂を使って炒めるので油はひきません。フライパンに具材を広げてから火をつけます。はじめの1~2分は触らずに焼き、ひき肉から脂を引き出すことで、調味料が中までしっかり入ります。砂糖としょうゆはフライパンの中央をあけて入れます。フライパンに調味料が直接ふれることで香ばしさが出ます。こしょうは焦げやすいので砂糖としょうゆが具材に絡まった後に、仕上げに加えて香りを立たせます。
5. たねを合わせる
(3)が熱いうちに(2)と合わせて、よく混ぜる。ラップをして冷蔵庫に入れ粗熱をとる。6等分して成形する。
冷えていく間に肉の旨みがじゃがいもに入ります
炒めたひき肉と玉ねぎが熱いうちにじゃがいもと合わせて、旨みを吸わせます。乾かないようぴったりラップをして、冷蔵庫で粗熱をとります。冷えていく途中で肉の旨みが移り、味がなじむだけでなく、成形もしやすくなります。たねに空気が入っていると破裂の原因になるので、空気を抜きながら厚さ2cmの楕円に成形しましょう。
6. バッター液をつくる
ボウルに〈A〉の卵を割りほぐし、牛乳、小麦粉を加えてよく混ぜ、バッター液をつくる。
パン粉がつきやすいよう小麦粉を入れます
卵は黄身と白身がなめらかに混ざるようにていねいに溶きます。先に黄身をつぶしてほぐしてから混ぜると混ざりやすいです。泡立てないよう、菜箸をボウルの底から離さずに前後するようにして混ぜます。小麦粉を入れることでパン粉がつきやすくなり、固くしっかりするので冷めても油っぽくなりません。
7. ころもをつける
たねに小麦粉をまぶし、バットにパン粉を広げる。バッター液を絡め、パン粉をつける。
パン粉はまんべんなく均一に
小麦粉をまんべんなくつけ、余分をはらいます。くぐらせるようにバッター液を全体に絡めます。パン粉をたっぷり広げたバットに置き、上からパン粉をかけ、やさしく押さえながらころもを均一につけていきます。
8. 揚げる
揚げ油を170℃に熱する。(6)を入れ、2~3分揚げる。上下を返し、さらに5~6分揚げる。油をきる。
パン粉がおいしそうに色づけば完成です
油にパン粉をひとつまみ落とし、一気に広がらずその場でチリチリと音がするくらいが適温です。揚げ油の温度を下げないために、2~3個ずつ揚げていきましょう。はじめの2~3分は触らずに見守ります。はずれたパン粉はコロッケの表面について黒い焦げなってしまうのでこまめに網じゃくしで取り除きます。たねにはすでに火が入っているので、ころもの色づき具合が良くなったら揚げ終わりです。
(1人分・2個で熱量589kcal/塩分1.7g/調理時間約40分)※調理時間にじゃがいもを水にさらす時間、粗熱をとる時間は含まれません。
ヘルシーポイント
細かいパン粉を使うと油の吸収が減り、カロリーを抑えられます。このレシピはたねにほどよく味がついているので、ソース無しでも食べられます。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2023年4月28日