紅白なます
繊維を斜めに断つ「なます切り」で
甘酢がしみ渡ります
紅と白が華やかな和食らしい和えものは、おせち料理の定番でもあります。この料理の主役は大根で、にんじんは彩りと食感のアクセント役。大根とにんじんの比率は、10:1ほどが最適です。半量ずつにしてしまうと、にんじんの紅が多くなり過ぎてしまいます。京にんじんなどの赤みの強いものを使う場合は、さらににんじんのの比率を減らしても良いでしょう。
切り方は、その名も「なます切り」。野菜の繊維を2度斜めに断つ切り方で、調味液が絡みやすいのが特長です。
甘酢は日持ちするように甘めで酸味もしっかりと効かせて、野菜に絡ませます。日が経っても水っぽくならないよう、しっかり塩もみし水気を絞ってから和えましょう。
- ●大根とにんじんの比率は10:1
- ●「なます切り」で繊維を断つ
- ●塩水でもんで水気をしっかり絞る
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・つくりやすい分量(2人分)
- 大根…1/2本(500g)
- にんじん…1/3本(50g)
- 〈A〉
- 塩…小さじ2
- 水…1/2カップ
- 〈B〉
- 酢…大さじ5
- 砂糖…大さじ4~5
- 塩…小さじ1/2~
- 好みの柑橘果汁…大さじ1
- ゆずの皮(せん切り)…少々
つくり方
1. 調味料を混ぜる
〈A〉と〈B〉の材料を、それぞれ混ぜ合わせる。
柑橘果汁で味と香りが変わります
A(左)は塩もみに使う塩水です。B(右)は調味液の甘酢です。塩の量はお好みで調整を。柑橘果汁を入れることで味わいも香りもよくなります。みかん、かぼす、だいだいなど好みのもので構いません。
2. 大根を切る
大根は皮をむき、長さ10cmの「なます切り」にする。
繊維をしっかり断つ「なます切り」に
大根は辛みの強い下部は避けて使います。ピーラーで皮をむいたら、長さが10cmほどになるように斜めに薄切りにして、重ねてずらして並べ、縦に細切りにします。これが「なます切り」です。繊維をしっかり断つように切るので固さも味のなじみも良くなります。10cmはやや長く感じるかもしれませんが、上品できれいに仕上がります。
3. にんじんを切る
にんじんは皮をむき、長さ6cmの「なます切り」にする。
大根よりも短めに
大根と同様に「なます切り」にします。にんじんは彩りと食感を締める役割なので、大根よりも短めにすると、見た目も食感もバランスよく仕上がります。
4. 塩水でもむ
ボウルに大根、にんじんを入れ、〈A〉を加えてよく混ぜる。約20分置く。
塩ではなく塩水でもむ理由
なます切りにした大根とにんじんの割合は差がありますが、混ぜるといいバランスになります。塩でなく塩水でもむ理由は、塩よりもムラなく行き渡らせることができるからと、塩よりもゆるやかに脱水できて程よく食材の食感と旨みを残せるからです。手を使ってよく混ぜたら、全体がしんなりするまで約20分置きましょう。
5. 甘酢で和える
ひとつかみずつ両手ではさんで水気をきる。ボウルに大根、にんじん、甘酢を加え、和える。ゆずがあれば皮のせん切りも加える。
しっかり水気を絞ってから甘酢と和えます
両手でギュウっと握るようにしてしっかり水気をきります。ここで十分に絞っておかないと、保存しているあいだに味わいがぼやけてしまいます。ゆずが手に入る時季は、皮の表面をせん切りにして加えます。おせち料理としてつくる際は、ゆずを使うことでお重の中の香りが華やかになるので加えておくとよいでしょう。ふだんのおかずとしてなら、レモンや昆布を加えてもおいしくいただけます。
(1人分熱量143kcal/塩分2.3g/調理時間約10分)※調理時間は野菜を塩水でもみ、置いておく時間は含まず。
ヘルシーポイント
きゅうりやセロリを加えて、オリーブオイルをかければたっぷり野菜をとれる和洋折衷のサラダに早変わりします。お酢をワインビネガーに変え、生ハムやゆでたこを加えてもおいしいです。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2023年4月28日