らっきょう漬け
漬けた翌日から日々変わっていく
味や食感の変化を楽しめます
らっきょう漬けは、梅干しやみそなどと同じく日本の季節の手仕事のひとつです。5〜6月に出回るらっきょうを酢漬けにして、暑い夏場を乗り切る一品をつくります。翌日の浅漬けでもさわやかでおいしく、日ごとに生まれる辛みが抜けた甘みや、パリパリとした食感への変化も楽しめるレシピを紹介します。
らっきょうはすぐ発芽してしまうので、買ったらなるべく早めに漬けていきます。薄皮や泥がしっかりついている方が鮮度がいい証拠。青くなって芽が出ているものは避けましょう。蒸れやすいため、袋に長く入れておかず、湿りを感じたら作業する前に新聞紙の上で1~2時間乾かしておくとよいでしょう。
漬け汁は「酢:みりん:しょうゆ=1:2:3」の比率です。しょうゆを使うことで香りのよさはもちろん、長くつけた後の味の変化、食感の変化をより楽しめてごはんにも合う仕上がりになります。
らっきょうは味がしみ込みにくいため、塩漬け、塩抜きをして繊維をくずしてから漬けていきます。このレシピはしょうゆの味わいを活かすため、繊維をこわす手軽な下処理として熱湯をかけてから仕込んでいきます。
- ●新鮮ならっきょうを選ぶ
- ●漬け汁は「酢:みりん:しょうゆ=1:2:3」
- ●下ごしらえに湯をかける
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・つくりやすい量(約10人分)
- らっきょう…700g(正味500g)
- 〈A〉
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…1カップ
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…2/3カップ
- 酢…1/3カップ
- 唐辛子(ヘタと種を除く)…1本
つくり方
1. 漬け汁をつくる
小鍋に〈A〉を入れ、中火で1分煮立てて火を止め、粗熱をとる。唐辛子を入れる。
一度煮立てることでまろやかになります
はじめに調味料を十分に煮立てる理由は、みりんのアルコール分を飛ばしつつ、味をまろやかにまとめるためです。みりんのアルコール分は保存中にも自然に抜けていきます。唐辛子はヘタと種が残っていると辛みが強くなるので、取り除いておきます。
2. きれいにする
らっきょうは根を取って1個ずつに分け、乾いた皮をむく
下処理はていねいに
長く伸びた根と乾いた皮は手でとり除きます。2~3個つながっているものは1個ずつに分けます。
3. 洗う
ボウルにたっぷりの水を張り、泥を落としながら洗う。
泥が残らないように水で洗い流します
何度かボウルの水を入れ替えるか、流水で作業し、泥が残らないように洗いましょう。水が十分きれいになるまで しっかりと。
4. 薄皮をむく
水にさらしながら、薄皮をむく。
水を入れ替え、表面のざらざらとした薄い皮をむきます。薄皮は水けがあるほうがむきやすいです。薄皮だけでなく、変色した皮などもむき取ります。
5. 切る
根元と長い芽を少しずつ切り落とす。大きいものは根元に切り込みを入れる。
味が入る入り口をつくります
らっきょうは味が入りにくいため、根元と芽を切っておくことで漬け汁がしみ込みやすいようにしておきます。根はぎりぎりのところまで落とし、大きなものはさらに根元に十字の切り込みを入れておきます。
6. 熱湯で蒸らす
ボウルにらっきょうを入れ、たっぷりの熱湯を注ぐ。そのまま2分おいて湯をきる。
翌日から食べたいときはこの工程を忘れずに
すべてのらっきょうが浸るくらい、ひたひたに熱湯を注ぎます。このひと手間で、さらに皮の表面からも味が入りやすくなります。早く漬けたいときには欠かせない工程です。らっきょうについた雑菌も落とすことができます。
7. 漬ける
らっきょうが熱いうちに密閉容器に入れ、漬け汁を注ぐ。完全に冷まし、ふたをして冷蔵庫で保存する。
冷めながら味が入っていきます
らっきょうが熱いうちに漬け汁を注ぎ、冷めていく過程で味が入り、さらに保存することでより味わいが深くなります。密閉容器は煮沸、または、食品アルコールで殺菌しておきます。翌日の浅漬けもおいしいですが、1週間から10日後からが食べ頃です。
(1人分熱量65kcal/塩分1.6g/調理時間約40分)※調理時間に漬け時間は含まれません。栄養計算値は(A)を50%摂取した場合の値です。
ヘルシーポイント
そのまま食べるだけでなく、刻んで青菜やきゅうりとあえるなど、薬味としても活躍します。常備菜にして毎日食べれば疲労回復にも役立ちます。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2023年10月14日