ゴーヤチャンプルー
ほどよい苦みと食感で
ゴーヤの魅力を生かした一皿に
ゴーヤチャンプル―の特徴は、ゴーヤの苦み。苦みを除きすぎるとおいしさが半減してしまうので、苦みをほどよく抑えつつ、ゴーヤの食感を残すのがおいしく仕上げる極意です。
ほどよく苦みを和らげるポイントはいくつかあります。苦みをかかえてしまうワタの部分を取り除くこと。次に、塩と水をしっかり絡めて苦みを外に出すこと。これらの下処理をしっかりすることです。このほか、油と合わせたり下ゆですることでも苦みは感じづらくなります。大事な食感を残すためには、苦みを恐れずゴーヤを厚めに切り、炒めすぎないことが大切です。
- ●ゴーヤは厚めに切る
- ●塩と水をからめる
- ●炒めすぎず食感を残す
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
- ゴーヤ…1本(200~250g)
- 豚バラ薄切り肉…100g
- 木綿豆腐…1丁(300g)
- 卵…1個
- ごま油…大さじ1
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…小さじ1~2
- 塩…小さじ1/2
- 削り節…1袋(5g)
- 〈A〉
- 水…大さじ4
- 塩…小さじ1
つくり方
1. 豆腐の水をきる
豆腐は8等分にちぎり、ペーパータオルを敷いたバットに並べ、10分置く。
手でちぎって豆腐の表面積を増やします
豆腐は手でちぎることで表面積が増え、水分が抜けやすくなります。重しをせずに置いておくだけでも十分水けがきれます。水分の少ない沖縄豆腐に近づけるための手軽な方法です。
2. ゴーヤを切る
ゴーヤは縦半分に切り、スプーンでワタを取り除き、幅8㎜に切る。
やや厚めを意識して切りましょう
ワタを取るときは計量スプーンなど薄めのスプーンがおすすめです。一気に取ろうとすると身が割れることがあるので、少しずつかき出します。ワタ自体は実ほど苦くないので、多少は残っていても大丈夫です。実は厚めの半月切りにして食感が残るようにします。
3. ゴーヤに塩と水をからめる
ゴーヤをボウルに入れ、塩と水をまぶし、10分置く。水けをきる。
「塩もみ」ではなく塩と水を絡めます
塩もみや下味付けではないので、ゴーヤに塩と水を絡めるようにします。10分おいたあとは、ギュッと絞ると折れてしまうので、ゴーヤを多めに手に取りやさしく押さえて水けをきるようにします。
4. 卵を割る・豚肉を切る
卵は割りほぐす。豚肉は長さ7㎝に切る。
豚肉は焼くと縮むので大きめに
ボウルに卵を割り入れ、ざっとほぐします。卵は豆腐の水分を抱き込み、ゴーヤの苦みを感じづらくします。黄身と白身のムラがあっても問題ありません。豚肉は焼くと縮むので、必ず大きめに切っておきます。
5. 豆腐を焼く
フライパンを中火で熱し、油を入れる。豆腐を入れ、上下を返して2分ずつ焼く。
豆腐を焼く3つの理由
豆腐を焼く理由は、水分をさらに飛ばすため、焼き色をつけて香ばしさを出すため、豆腐がくずれすぎないよう固くするためです。水分が多いので、焼き続けてもフライパンにくっつくことはありません。水けがはねるときは、出てきた水分をペーパータオルでふきながら焼きましょう。
6. 豚肉とゴーヤを焼く
豆腐を取り出し、フライパンの油と水をふき取る。フライパンを温める。豚肉を広げ、ゴーヤをのせて、中火で3分焼く。
さわらず待つのも調理のうちです
そのままさわらず焼くことで豚肉から脂が出て、塩水を絡めたゴーヤの塩分がじんわりと豚肉に伝わっていきます。豚肉に焼き色がつき香ばしさが出てくるまで待ちましょう。
7. 炒める
上下を返して2~3分炒める。
脂をゴーヤに絡めるように
ここでゴーヤに火が入っていきます。豚肉の脂をゴーヤにまとわせるようなイメージで炒めましょう。
8. 豆腐を戻し入れる
余分な脂をふき取って豆腐を戻し入れる。塩をふり、軽く混ぜる。
ここではまだ豆腐をくずしません
脂が多いときにはペーパータオルでふき取ってから豆腐を加えます。塩をふり、軽く混ぜます。この塩は豆腐の下味になります。ここでは、豆腐をくずさず、水けが出ないようにします。
9. 卵を回し入れる
溶いた卵を回し入れ、ひと呼吸おく。豆腐を軽くくずしながら炒める。強めの中火にする。フライパンの中央をあけ、しょうゆを加えて煮立てる。削り節を加えて大きく混ぜる。
しょうゆの香ばしさで仕上げましょう
卵は外側から円を描くように回し入れます。卵が固まりはじめ、半熟部分が残っている状態で、豆腐を軽くくずしながら全体を炒め合わせます。くずした豆腐を卵でまとめていくようなイメージで炒めます。しょうゆはフライパンに直接ふれさせ煮立てることで、香ばしさを引き出します。削り節を加えたら、ざっくり大きくひと混ぜして完成です。仕上げに加えると、出てくる水分をまとめる役割をします。削り節を少し残しておき、皿に盛ってからふりかけるのもおすすめです。
(1人分熱量414kcal/塩分3.0g/調理時間約20分)※調理時間に豆腐の水切り時間、ゴーヤを塩水に漬ける時間は含まず。
ヘルシーポイント
豚バラ肉の代わりに肩ロース肉を使うとカロリーを減らせます。仕上げに削り節を増やしたりごま油をかけたりして、旨みを補うとおいしくいただけます。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年10月14日