ゆで鶏の薬味のせ

肉に酒、砂糖、塩をもみ込んで
しっとりやわらかに

パサつきがちな鶏むね肉をしっとりやわらかく仕上げるのが、この料理の目指すところ。大切なのは、酒、砂糖、塩を肉にもみ込んでいく下ごしらえと、火の通し方です。

酒と砂糖には保湿効果があり、肉質をしっとりやわらかにします。砂糖にはむね肉がもつ酸味を和らげる役割もあります。塩は肉のたんぱく質を水に溶けやすくして肉に弾力をもたらし、同時に下味にもなります。調味料が肉にしみ込んでいくよう、しっかりもみ込んでいきましょう。

加熱は最小限にして、湯の中でそのままおき、余熱で火を通していきます。今回は鶏むね肉1枚を直径15cmの鍋で調理していきます。

ゆで汁はたれに使うので、捨てずに取っておきます。

  • ●酒、砂糖、塩を肉にしっかりもみ込む
  • ●余熱で火を通す
  • ●ゆで汁をたれに使う

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2~3人分

  • 鶏むね肉…1枚(200~250g)
  • 水…4カップ
  • みょうが…3本
  • しょうが…1かけ
  • 青しそ…4枚
  • 〈A〉
    • マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒…大さじ2
    • 砂糖…小さじ2
    • 塩…小さじ1
  • 〈B〉
    • 鶏のゆで汁…大さじ4
    • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
    • 酢…大さじ2
    • 砂糖…小さじ2

つくり方

1. 鶏肉の下ごしらえをする

余分な脂を取る。〈A〉をかけ、もみ込む。室温で20分置く。

調味料を吸わせるようにしっかりもみ込みます

皮と身の間にある黄色っぽい余分な脂を包丁の先で取り除きます。むね肉はもも肉ほど皮下脂肪がついていませんが、ていねいに取っておくとくさみが出ません。調味料を軽くなじませたら、肉に吸わせるようにしっかりもみ込みます。もみ込んだら室温において調味料を肉全体になじませます。

2. ゆでて、寝かす

鍋に熱湯を沸かす。肉を調味液ごと入れ、火を止める。ふたをして、1~2時間置く。

必ず沸騰した熱湯に入れましょう

バットに残った調味料の液も一緒に入れます。ぐつぐつ沸騰した湯に肉を入れ、肉の表面を素早く固めることで、しみ込ませた調味料やうまみを逃がしません。ふたをして、湯のなかで余熱で中までじっくりと火を入れていきます。

3. 薬味を切る

みょうがは小口切り、しょうがはせん切り、青しそは5mm角に切る。水に10分さらす。

切り方への気遣いを忘れずに

やわらかな鶏肉と一緒に食べたときに違和感がないよう、みょうがはできるだけ薄く、しょうがは細く切りましょう。しそは裏の葉脈から香りが出ます。せん切りではなく角切りにすることで、葉脈の切れ目が増え、少量でも口に入れたときに香りが広がります。温度が高くなると劣化してくるので水にさらして冷やしておきましょう。これらの薬味は香りが強いので、ある程度香りが流れ出ても問題ありません。

4. たれをつくる

〈B〉を混ぜてたれをつくる。

ゆで汁のうまみを利用します

ゆで汁のうまみがたれをおいしくするので、くれぐれもうっかり捨ててしまわないように。鶏肉のゆで汁にアクが出ていたら濾してから使いましょう。

5. 切って盛る

鶏肉を斜めに切る。水けをきった薬味をのせる。たれをかける。

最後に肉をもみほぐしてやわらかさの総仕上げ

鶏肉を取り出したら、横から肉を2~3度押してもみほぐします。コリをほぐすようなイメージで、肉全体をやわらかくします。肉は斜めのそぎ切りにして表面積を増やし、たれをなじみやすくします。幅1cmくらいが食べやすい厚さです。薬味はざるにあけてしっかり水けを切ると、たれが薄まりません。

(1人分熱量142kcal/塩分2.6g/調理時間約25分)※調味料は50%摂取、3人分とした場合の値。

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ヘルシーポイント

鶏むね肉は高タンパクかつ低カロリー。薬味を、オクラ、にら、角切り長芋のごま油和えに変えればスタミナ系の一品にアレンジできます。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年12月12日