味玉


漬け汁に酢を加えてひと煮立ち。
このひと手間で味が格段に変わります
味玉は、卵のゆで加減が仕上がりの味わいを左右する大きな要素。漬け込んでいる間に味が入るとともに、水分が抜けてねっとりとした口当たりになります。半熟なら卵黄の濃厚なねっとり感がおいしく、固ゆでならおかずらしい一体感が魅力です。それぞれ好みですが、バランスがよいのは8分ゆでです(写真)。
ねらい通りのゆで加減にするには、卵を熱湯に入れ、強火でゆでて、しっかり冷水で冷やすのが基本です。30秒違っても火の通り具合が大きく変わるので、時間になったら、すばやく冷水にとり、余熱で火が入らないようにします。半熟ならばゆで時間は6〜10分弱に。固ゆでに仕上げるならば10〜12分が目安です。
漬け汁で大切なのはしょうゆと砂糖に酢を加えること。これで味を引き締めます。砂糖と酢は加熱するとまろやかになる組み合わせなので、煮立てる手間を惜しまずにていねいにつくることで、ひと味違う味玉になります。
- ●ゆでた卵はすぐに冷水にとる
- ●漬け汁に酢を加える
- ●漬け汁は一度煮立てる
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料
- 卵…4個
- 〈A〉
- 水…1/3カップ
- 砂糖…大さじ3
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…1/3カップ
- 酢…小さじ1/2
つくり方
1. 卵をゆでる
卵は常温にしておく。鍋に卵全体が浸かる程度の深さに湯を沸かし、卵を入れる。はじめの2分はゆっくりかき混ぜるようにして、8分ゆでる。

おたまを使い1個ずつ静かに熱湯に沈めます
卵はゆでる10分くらい前に冷蔵庫から取り出し常温にしておくと、割れにくくなります。湯の量は卵が完全に沈む深さ5cmほど。直径15~18㎝の鍋なら5~7カップが目安です。ぐらぐらとしっかり沸騰させた湯の中に、衝撃で殻が割れないようおたまで1個ずつ静かに入れます。はじめにかき混ぜるのは、卵を転がすことで黄身が中央にくるからです。ひびが入らないようにやさしくゆっくり転がします。
2. 冷水にとり、殻をむく
氷水にとり、冷えるまで置く。殻をむく。

半熟に仕上げるために必ず冷水にとります
ゆで上げたら、氷水で急激に冷やし、余熱で卵黄に火が通りすぎるのを防ぎます。同時に、殻が収縮してさらに硬くなり、殻がむきやすくなります。卵が冷えたら、ボウルなどにコツコツと当てひびを入れ、殻と卵の間に水を入れるようにしながら殻をむいていきます。
3. 漬け汁をつくる
〈A〉を合わせて、軽く混ぜる。中火にかけ1分煮立てる。粗熱をとる。

味をまとめるための大切なひと煮立ち
火にかける前に調味料を混ぜ、砂糖を溶かしておきます。煮立てる理由は、砂糖をしっかり溶かし、酢の酸味をやわらげ、まとまりのある味わいの漬け汁にするためです。せっかく冷やした卵が漬け汁で再び加熱されないよう、粗熱はしっかりとります。
4. 漬ける
ポリ袋を2枚重ね、卵を入れて漬け汁を加える。袋の口を閉じてボウルに入れる。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて2~3時間漬ける。

袋とボウルで漬ける理由
ポリ袋を使うと、少ない漬け汁でもまんべんなく汁が卵に行き渡り、まだらにならずきれいに仕上がります。袋をボウルなどの底が丸い器に入れるのも同じ理由です。2~3時間でも味はなじみますが、保存容器に移して半日以上漬けるのがおすすめです。卵を包丁で切るときは、身を潰さないよう卵を少し転がすようにしてゆっくり押して回しながら切ると、きれいに切れます。
(1人分熱量168kcal/塩分2.0g/調理時間約15分)漬ける時間は含まず。
ヘルシーポイント
大根やにんじんなどを一緒に漬けておけば、常備菜を手軽にもう一品つくれます。酢が入っているので野菜もおいしく漬かります。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年12月12日