けんちん汁


野菜と大豆の滋味深いうまみを味わう精進椀
けんちん汁は動物性の食材を使わない精進料理が発祥。味わいのベースは、昆布だし、野菜のうまみ、大豆製品のうまみです。何種類もの素材の味わいを重ねることで奥深い旨みとコクを出します。ぜひ入れたいのは、ごぼう、大根、豆腐。けんちん汁らしい味わいには欠かせない具材です。
大切なのは根菜類を香ばしく炒めることです。炒めながら水分を抜いて香りを引き出すようにすると、野菜の香ばしさと旨みが味のベースになります。大豆製品は、豆腐と油揚げのダブル使いをして、滋味深い厚みのある味わいをつくります。
調味の基本は塩。すまし汁のようなシンプルな味付けでまとめ、最後にしょうゆを加えることでグッとコクが増します。
- ●根菜を香ばしく炒める
- ●食材のうまみを重ねていく
- ●仕上げにしょうゆでコクを加える
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2~3人分
- 木綿豆腐…1/2丁(150g)
- ごぼう…1/2本(50g)
- 大根…100g
- にんじん…4cm(30g)
- 里芋…100g
- 油揚げ…1/2枚(15g)
- ねぎ…1/2本
- 塩…小さじ1/2
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1~2
- ごま油…大さじ1
- 〈A〉
- 水…3カップ
- 昆布…5cm角2枚
つくり方
1. 昆布だしをとる
〈A〉を合わせて30分置く。

昆布は無駄なくいただきましょう
昆布を水に浸して、だしを取ります。昆布は水出しした後も、2〜3回は繰り返しだしが取れるので、取り出したあとは冷凍してストックすると無駄がありません。また、具材として一緒に食べてもおいしいです。
2. 根菜を切る
大根は皮をむき、厚さ8mmのいちょう切りにする。にんじんは厚さ5mmのいちょう切りにする。里芋は皮をむき、厚さ8mmの輪切りにする。ごぼうはよく洗い、幅5mmに斜め切りにして、さっと水にくぐらせる。

里芋は表面の泥くささが残らないよう、先に洗って乾かします
大根は皮を厚めに切り落とすと食感がやわらかくなります。里芋は前日または2〜3時間前によく洗ってザルにあげて乾かしておくと、ぬめりが抑えられ切りやすくなり、泥くささも防げます。上下を少し切り落としてから皮をむいていくときれいに皮がむけます。ごぼうはたわしを使って適度に汚れを落とし、さっと水にくぐらせる程度にして香りを残します。
3. 豆腐、油揚げ、ねぎを切る
豆腐は4〜5等分にちぎり、ペーパータオルの上に広げる。油揚げは半分に切り、幅1cmの短冊に切る。ねぎは幅1cmの斜め切りにする。

ねぎを斜めに切って甘みを引き出しやすく
豆腐は割いた面がキッチンペーパーに触れるように置くと、自重でほどよく水きりできます。油揚げを湯通ししないのもポイント。これで油もうまみとして活かします。ねぎは斜めに切って断面を広くすることで甘みがより出やすくなるうえ、ほかの具材とも絡みやすくなります。
4. 根菜を炒める
鍋に油を中火で約2分熱する。水気をふいたごぼう、にんじん、大根、里芋の順にそれぞれ炒めながら加え、2~3分炒める。

ひとつひとつを香ばしく炒めてうまみを重ねます
炒めながら香ばしさを出したいので、素材を順にしっかりと炒めていきます。硬いものから順に入れ、ひとつ加えるたびに、油を絡めるようにして炒めます。油があることで火が伝わりやすくなります。
5. 豆腐を炒める
豆腐を加えて1分炒める。塩を加えて、混ぜる。

野菜の水分が抜けたところで下味をなじませます
豆腐は多少くずれても構いません。豆腐の水分をとばすように炒め、大豆の味わいを引き出します。塩は、ひと通り炒め終わり、具材の水分が抜けてから加えます。味が入りやすい状態をつくってから塩を加えることで、塩味が程よく効きます。
6. 煮る
昆布だしを加え、煮立てる。油揚げ、ねぎを加える。弱火で10分煮る。しょうゆを加え、2〜3分煮る。

仕上げにしょうゆのコクを加えます
塩と昆布だしで煮ていきます。ふたをせず弱火で10分ほど煮て、ねぎにも火が通ったら、最後の香りづけにしょうゆを加えて仕上げます。
(1人分熱量147kcal/塩分2.6g/調理時間約20分)※栄養計算値は3人分とした場合の値です。調理時間に昆布を戻す時間は含まれません。
ヘルシーポイント
しいたけやまいたけなどのきのこ類やこんにゃくを加えると、さらにヘルシーな一品に。こんにゃくはちぎって下ゆでしてから加えます。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広(キッコーマン)
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公開:2024年3月12日