きゅうりとわかめの酢の物

基本の下処理をていねいに。
大きさをそろえて、美しさにこだわりを

小鉢といっても侮れません。シンプルな料理ほど、素材のていねいな下処理がものを言います。水分を抜く工夫、大きさをそろえてきれいに切る手間を惜しまないことが大切です。

きゅうりの魅力は香りと歯ごたえ。最大限生かすために、まずは板ずりをします。きちんと板ずりをすると、味の入りにくい皮目も味のなじみが良くなり、色も良くなります。そして切り方は、薄すぎず、厚すぎない2mmの厚さに。これを6%の塩水で和えて水分を抜くことで、程よい塩分と食感になります。

素材をほぼそのまま味わう酢の物には、わかめは乾燥ではなく塩蔵を使いましょう。塩蔵わかめは、香りと味のボリューム感が違うだけでなく、身が厚いので合わせ酢を吸い、食感よく仕上がるのも魅力です。ザクザク切らずに、ていねいに広げて大きさをそろえてきれいに切ること。これが味わいを左右します。

合わせ酢は、下味つけと本味つけの2回に分けて和えます。しょうがは甘酢と相性がよく、上品な辛みになります。せん切りにすることで、食感も楽しめ、盛り姿もきれいになります。

  • ●わかめときゅうりの水分をほどよく抜く
  • ●ていねいにきれいに切る
  • ●合わせ酢を2回に分けて使う

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2人分

きゅうり…2本(200g)
塩(板ずり用)…適量 わかめ(塩蔵)…20g
しょうが…1/2かけ
〈A)塩水
塩…小さじ1/2
水…大さじ3
〈B〉合わせ酢
酢…大さじ3
砂糖…大さじ1
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…小さじ1
塩…小さじ1/4

つくり方

1. 板ずりをして切る

きゅうりはまな板にのせて板ずりをする。水洗いしたら水気をふき取り、厚さ2mmの小口切りにする。

転がすことで良さを引き出します

板ずりをする理由は、表面のブルーム(白い粉)や、いぼを取る、発色を良くする、苦味やえぐみを取るなどさまざまありますが、皮目に味が入りやすくなることも重要です。1本につき小さじ1の塩をまぶして、塩が半分溶けるくらいまで転がしましょう。小口切りは、ほんの少し斜めに包丁を入れるようにして切ると、切ったきゅうりが転がっていきません。

2. 塩水になじませる

〈A〉を合わせて塩水をつくる。きゅうりにふり、混ぜて15分置く。

塩をふらず塩水にする理由

塩を直接ふらずに塩水にして混ぜ合わせる理由は、きゅうりの組織を壊さずにまんべんなく塩味を入れるため。きゅうりが傷つかないよう、上下を返すように混ぜ合わせます。料理に使う海水に近い3%の塩水を「たて塩」と言ってよく使用しますが、このレシピは6%の塩水にすることで、短時間で水分が抜け、ほどよい塩分と食感を残すことができます。

3. わかめを戻して切る

わかめはよく洗い、水に15~30分つけてもどしてもう一度洗う。筋を取り2cm四方に切る。ざるに入れ、熱湯をかけて一度水に取り、水気をしっかりふき取る。

ていねいな下処理でわかめをおいしく美しく

塩蔵わかめはよく洗って塩を落とし、2カップの水に15~30分つけて戻します。端をつまんで、厚みと弾力があれば戻った証拠です。再び洗い、筋を包丁または手で除き、わかめ全体をていねいに広げます。わかめはきゅうりの大きさに合わせて切ります。約2cm四方は目安です。同じ大きさにきれいに切りそろえましょう。熱湯をかける理由は、わかめの発色がよくなり、身が締まるだけでなく、余分な塩分や磯くささを抜くためです。水分が残ると味を落とすため、キッチンペーパーで水気をしっかりふき取りましょう。

4. 合わせ酢をつくり、しょうがを切る

〈B〉を混ぜ合わせる。しょうがをせん切りにする

砂糖をしっかり溶かしましょう

三杯酢は、酢:みりん:しょうゆ=3:2:1が一般的ですが、しょうゆを少し減らして塩を入れることで、色を鮮やかに仕上げられます。そしてこのレシピで砂糖を使うのは、味にメリハリをつけるため。砂糖は溶けにくいので、ジャリっとした食感が残らないようよく混ぜます。みりんを使うとまろやかな味わいになるので、そこはお好みで。しょうがは長さと太さをそろえ、細めのせん切りにします。

5. きゅうりを絞る

きゅうりは水気を絞るようにしてきる。

多めにはさんで拝むように水気を絞って

きゅうりは両手を合わせて拝むように、何度かに分けて水気を絞ります。強く絞りすぎると食感も香りもなくなってしまうため、やや多めに手にのせるのがコツです。

6. 具と合わせ酢を和える

わかめときゅうりに合わせ酢大さじ1~2を絡める。軽く汁を切る。残りの合わせ酢としょうがを加えて、和える。

1回目は「しょうゆ洗い」の要領で

調味液は2回に分けて和えます。1回目は「しょうゆ洗い」のイメージで、具材から出てきた水分をきり、下味をつけます。2回目は器にきれいに盛る仕上がりをイメージして、しょうがも加えてやさしく和えましょう。しょうがは少し取り分けておき、最後にのせてもきれいです。

(1人分熱量29kcal/塩分1.9g/調理時間約20分)※わかめを戻す時間は含まず。塩分は合わせ酢を50%摂取した場合の値。

きゅうりとわかめの酢の物のレシピだけ見る

ヘルシーポイント

わかめは低カロリー・低糖質で栄養豊富。手軽に食物繊維やカリウム、カルシウムなどが摂れます。フコイダンによる粘りが調味料をしっかりまとうため、少ない塩分でも味を感じられ、減塩しやすい食材です。だし汁を加えるとうま味が加わり、さらに減塩できます。

料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時(2022年4月)のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。