なすのひき肉はさみ揚げ
硬い皮とやわらかい身
なすの特徴を知って調理しましょう
身近ながら意外と扱いが難しい食材、なす。じつは味のなじみが悪く、火の通りもよくありません。水分がとても多いこと、そして、外側の皮は硬く、内側はスポンジ状でやわらかいこと。そんな特徴を理解して扱うのが、なす料理を成功させる秘訣です。
調理の前に、肉や魚の下ごしらえをするように、なすを「塩水」につけましょう。塩水がしみ込むことで、下味がつき、火の通りもよくなります。同時にアク抜きにもなります。また、なすは案外折れやすく、今回のはさみ揚げのように肉をはさむ場合には、塩水でなすを少ししなやかにしておくことも意味があります。
ひき肉は焼き縮みが大きい食材です。水分のあるねぎを一緒に混ぜたり、たねをやわらかくしたりすることで、縮みにくい肉だねに仕上げます。
そして、なすから肉だねが離れてバラバラにならないためには、小麦粉を活用します。まぶすことで接着剤のような役割をしてくれます。
- ●なすを塩水につける
- ●肉だねはやわらかめに
- ●小麦粉でなすと肉を結着させる
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
なす…3本
鶏または豚ひき肉…100g
小麦粉…適宜
揚げ油…適宜
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…適宜
辛子…適宜
〈A〉
水…2カップ
塩…小さじ1
〈B〉
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…小さじ1
ねぎのみじん切り…1/4本分(30g)
〈C〉
小麦粉…1/2カップ(約60g)
水…1/2カップ弱
つくり方
1. なすの下準備をする
なすはへたを切って、縦半分に切る。厚みを半分にするように切り込みを入れる。〈A〉の塩水に5分つける。
なすの塩水づけはいいことづくしです
切り込みを入れるときは、へたの部分を2~3cm残し、切り離さないように注意しましょう。折れやすいなすを塩水につけ、少しやわらかくして扱いやすくしておきます。塩水づけは、下味つけにもなり、火の通りもよくなります。
2. ひき肉とねぎを混ぜる
〈B〉のねぎはみじん切りにする。ボウルにひき肉を入れて〈B〉を加えてよく混ぜ、肉だねをつくって6等分する。
ねぎは味のためだけではありません
ねぎのみじん切りは、はじめにねぎに斜めの切り込みを入れ、さらに上下を返して同様に切り込みを入れてから切ると簡単です。ひき肉は加熱すると縮みやすい食材です。みじん切りにしたねぎを合わせることで、ねぎの水分によってひき肉の収縮を抑え、全体の焼き縮みを減らします。なすと肉だねの火の通りのスピードを近づけるために、肉だねは少しやわらかめに仕上げておきます。
3. 切り込みに小麦粉をまぶす
なすを塩水から上げ、水気を拭き取り、小麦粉をまぶす。
ひとつずつていねいに扱うことが大切です
小麦粉をつけるのは、なすと肉だねとの結着をよくするためです。折れないように気をつけながら切り込みの間の水気を拭き取り、小麦粉をまぶしていきます。
4. 肉だねをはさむ
(2)の肉だねを(3)にはさむ。形を整え、全体に小麦粉をまぶす。
焼き縮みを想定してやや多めに詰めます
切り込みの奥の方からギュッと肉だねを詰めるようにはさんでいきます。肉だねは焼き縮みするので、少しはみ出ているくらいでちょうどよく仕上がります。
5. ころもをつくる
〈C〉を合わせてころもをつくる。
かろやかな薄いころもで上品な揚げ物を目指して
ころもは粉っぽさが残る程度にざっと混ぜます。しっかり混ぜ合わせない理由は、なすを絡めているうちにもころもが混ざり合うから。混ざり過ぎるとポッテリ重めのころもになってしまいます。薄いころもの上品な和の一品を目指しましょう。
6. ころもをつけて油で揚げる
揚げ油を170℃の低温に熱し、なすにころもをつけて油に入れる。転がしながら3~4分揚げる。
低温でやさしく少し長めに揚げます
ころもを数滴、油に落とし、一度沈んでから上がってきたら170℃の適温です。低温で少し長めに揚げる理由は、皮と中身で火の通りに差があるなす全体を均一に揚げたいからです。ころもをつけながらすべてのなすを入れたら、少し火を強めます。なすにシワが寄り、ころもがカリッとしてきたら、やさしく転がすように返します。薄いころもは、はがれやすいのではがれても気にせずに。泡が大きくなり、全体がおいしそうに色づき、なすを持ち上げて少し軽く感じたら、揚げ上がりです。
7. 油をきる
なすを取り出して油をきる。器に盛って辛子じょうゆを添える。
油は熱いうちに流してしまいましょう
油は熱いほどサラサラしています。取り出す際にはなすを縦に持ち上げて、鍋の上で油を流すように落としましょう。残りのなすが焦げないように火加減調整もお忘れなく。網の上でも立てるように並べて油を落としておきます。盛り付けるときは写真のように厚みを半分に切って置くと安定します。
(1人分熱量300kcal/塩分2.9g/調理時間約40分※熱量は鶏ひき肉の場合)
ヘルシーポイント
揚げずに焼いて調理することで、大幅にカロリーをカットする方法もあります。表と裏の両面を3~4分ずつ焼きましょう。焼く場合には、肉だねが生焼けにならないよう、少し薄めに詰めてください。
料理/小田真規子
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時(2022年4月)のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。