豚肉のしょうが焼き
味のキレを良く仕上げるため、
しょうがは2回に分けて使います
この料理の味わいの主役であるしょうが。実は味つけだけではない効果をもたらしてくれます。その魅力を最大限に活かすために、2回に分けて使います。1回目は下ごしらえのとき。酒とともに肉をやわらかくし、臭みを消してくれます。2回目はフライパンでの調味のとき。ジュワッとたれを加熱し、しょうがにしっかり火を通すことで辛みが増し、ねらい通りのパンチの効いた味が出ます。
しょうが焼きにどの部位の肉を使うかは、さまざまな意見や好みがありますが、肩ロース肉がおすすめです。理由は、肉質のやわらかさ、脂の旨み、筋の程よい食感。そして、火が通るとひらりとねじれて焼き上がり、たれが絡みやすくなるからです。
肉は、両面をしっかり焼くと焼き過ぎてしまいます。片面だけをしっかり焼けば、その後の調理で火が通ります。焼きは「片面7割、返して3割」が、肉をやわらかく仕上げる秘訣です。
忘れてはならない添え野菜、せん切りキャベツにもひと手間かけ、水分を吸わせてから切ってみてください。食感が変わります。これを最初にしておいてから肉の調理に移り、出来立ての熱々をどうぞ。
- ●しょうがは2回に分けて使う
- ●肩ロース肉を選ぶ
- ●肉は焼き過ぎない
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
豚肩ロース肉(しょうが焼き用)…250~300g
サラダ油…大さじ1/2
キャベツ…100g
〈A〉
しょうが…1かけ
マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒…小さじ2
〈B〉
しょうが…2かけ
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…大さじ2
砂糖…大さじ1
マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒…大さじ1
つくり方
1. せん切りキャベツをつくる
キャベツの葉は1枚ずつはがして、水に10分つける。葉の幅をそろえるように2~3等分に切って重ね、せん切りにして、冷水に10分さらす。水気をしっかりきる。
水を吸わせるとキャベツが生まれ変わります
花を生けるときのようにキャベツに水を吸わせて、シャキシャキとした食感をよみがえらせます。外側の葉ほど吸水時間は多めに。葉は幅2~3等分に切って重ね、軽く丸めます。丸めて高さを出すことで、ぐんと切りやすくなります。せん切りは、繊維を断つ方向に切りましょう。シャキシャキとした食感を出すために10分弱冷水にさらしますが、長くつけすぎると甘みや栄養が抜けてしまいます。10分以内で水からあげることをお忘れなく。水気をしっかりきっておきます。
2. しょうがをすりおろす
しょうが3かけ分の皮をこそげて、すりおろす。2かけ分は〈B〉の調味料に加えて混ぜておく。
スプーンを使って皮をこそげ取ります
表面がでこぼこしているしょうがの皮を取るときには、スプーンが便利です。こそげるようにすることで、香り成分が含まれる皮の部分の取りすぎを防ぐことができます。
3. 豚肉の下準備
豚肉はペーパータオルで余分な水気をふき取る。バットに広げ〈A〉のしょうがと酒を絡めて5分置く。
しょうがと酒で肉をやわらかくし、臭みを取ります
ここでのしょうがの役割は、肉をやわらかくする、臭みをとる、の2点です。しょうがの酵素の働きでたんぱく質を分解し、肉をやわらかくします。酒もまた、肉をやわらかくする効果があるほか、しょうがを肉にまぶしやすくする役割もあります。
4. 肉をざっと広げて焼く
フライパンに油を中火で熱し、肉をざっと広げ、動かさずに2~3分焼く。
重なりを利用して肉をやわらかくします
肉はあえてきちんとは広げません。重なる部分があることで、そこに蒸気がたまり、肉のやわらかさを保てるのです。また、焼き始めたら、肉を動かさないことも大切なポイントです。
5. 肉を返す
肉に焼き色がついたら上下を返し、そのまま30秒~1分焼く。
焼きむらがあるくらいがちょうどいい
もう片面は、軽く火を通すイメージで。全体に均一の焼き色がつかなくても大丈夫です。
6. 調味料を加えて絡める
フライパンの中央をあけ、調味料を加える。火を強くして、煮立ててから肉に絡める。
しょうがに熱をあてて味のパンチを出しましょう
中央をあけてフライパンの鍋底に直接調味料を注ぐ理由は、しょうゆの香ばしさをアップさせるほか、しょうがにもしっかり熱を加えたいから。しょうがは火が入ると辛みが増して、しょうが焼きらしいキリっとした味になります。しっかり煮立ててから、肉に絡めていきます。上下を返しながら絡め、フライパンの底が見えるようになるまで水分が減ってきたら出来上がりです。
(1人分熱量440kcal/塩分2.6g/調理時間約20分)
ヘルシーポイント
ビタミンB1が豊富な豚肉をたっぷりとれるしょうが焼きですが、肩ロースからもも肉に替えることでカロリーを減らすこともできます。また、しょうが焼きは、付け合わせのキャベツをドレッシングなしで一緒に食べられるので、塩分を加えずに野菜を摂取できることもメリット。
料理/小田真規子
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時(2022年4月)のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。