肉豆腐
おいしい煮汁をつくって
主役の豆腐に吸わせる料理です
「肉豆腐」の名の通り、主役は豆腐です。豆腐が吸うためのおいしい煮汁をつくるイメージで、調理を進めていきます。
牛肉は旨みが多い肉ですが、独特の脂や鉄分由来のくさみも気になる食材です。ていねいな下処理で取り除くことがとても大切です。和食店で牛肉を扱うときの下ごしらえを、ぜひ家庭でも実践してみましょう。加える食材にもそれぞれ役割があります。煮汁の旨みのベースとなるのは、香味野菜の玉ねぎです。炒める前に、1分ほど焼くことで甘みと旨みを引き出します。そして、きのこ類は香りと旨みのもとになります。牛肉と相性の良いしいたけを選ぶのがおすすめです。
豆腐は水切りせずに使います。なぜなら、豆腐の水分には大豆の風味が詰まっていて、おいしさのひとつとなるためです。その水分を見越して、調味料はやや濃いめに。旨みと甘み、風味豊かなおいしい煮汁をつくり、豆腐にたっぷりしみこませましょう。
- ●牛肉の下処理をていねいに
- ●玉ねぎは炒める前に1分焼く
- ●豆腐が吸うためのおいしい煮汁をつくるイメージで
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
- 牛肉(すき焼き用/肩ロースまたは小間切れ)…200g
- 木綿豆腐…1丁(300g)
- 生しいたけ…4枚
- 玉ねぎ…1/2個(100g)
- ごま油…大さじ1
- 〈A〉
- 砂糖…大さじ2
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1
- 〈B〉
- マンジョウ 国産米こだわり仕込み 本みりん…大さじ3
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
- 水…1/2カップ
つくり方
1. 牛肉の下処理をする
牛肉をボウルに入れて、熱湯をかけて1分おく。水気をきり〈A〉を加えてもみ絡める。
湯通しのひと手間で味わいが変わります
牛肉にかぶるくらいの量の熱湯(1~1と1/2カップ)をかけます。熱湯をかけて全体を湯通しする理由は、肉に火を通すためではありません。表面のアク、余分な脂、肉の中のヘモグロビン色素によるくさみを取るためです。また、湯通しによって水分が抜けることで、調味料のなじみもよくなります。アクを取ることで煮汁がにごらず仕上がります。
2. 玉ねぎ、しいたけ、豆腐を切る
玉ねぎは1cm幅に、しいたけは5mm幅に、豆腐は6等分くらいに切る。
火の通る時間を考えて切る
玉ねぎは薄切りにして加熱すると、玉ねぎの風味がすぐに出てくる半面、煮汁の味わいが少し洋風になり、煮汁もにごりやすくなります。じっくり火を通し、甘みを出しながら煮ていくために、やや厚めの1cm幅に切りましょう。豆腐は盛り付ける器に合わせて、主役らしい存在感が出る大きさに切ります。
3. 玉ねぎを焼く
油を熱し、玉ねぎを広げて1分焼き、1分炒める。
玉ねぎの旨みを引き出すために触らず焼く
直径26㎝のフライパンに油を熱し、玉ねぎに火を通します。はじめの1分は触らずにそのまま焼きましょう。ちょこちょこ触ってしまうと加熱が進まず、甘みや香りが出ません。ここでぐっと我慢して玉ねぎの旨みを出すと、豆腐に吸わせるおいしい野菜だしができます。。
4. 調味料を加えて煮立てる
〈B〉を加えて2分煮立てる。
一度煮立てることを忘れずに
みりん、しょうゆ、水を加えたら中火で煮立てて、アルコール分を飛ばします。
5. 具材を加える
しいたけ、牛肉を入れてから、豆腐をおく。
フライパンの中でエリア分けをしましょう
しいたけと牛肉を入れたら、端に寄せます。フライパンの中でエリア分けをする理由は、主役の豆腐をきれいな姿のまま仕上げるためです。鍋ではなくフライパンを使ったほうが、崩れやすい豆腐を扱いやすいというメリットがあります。
6. 煮る
ぬらしたペーパータオルをかけ、中火で12~15分煮る。
豆腐に煮汁を吸わせていきます
豆腐に煮汁をかけたら、濡らしたペーパータオルをかけ、その上からさらに煮汁をかけて煮ます。ペーパータオルは乾いたままだと、豆腐に吸わせたい煮汁を先に吸い上げてしまうため、あらかじめ水で濡らしておくことが肝心です。最後に豆腐を崩さぬよう、ていねいに盛り付けましょう。
(1人分熱量605kcal/塩分3.8g/調理時間約30分)
ヘルシーポイント
牛肉をしっかり下処理することで、脂を減らせるだけでなく、くさみを除くことができ、濃い味付けになりすぎずにおいしく仕上げられます。カロリーを減らすならば、肉を減らして豆腐を増やしましょう。
料理/小田真規子
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2022年12月1日