ほうれん草のおひたし


「しょうゆ水」で
だしを加えずにおいしく仕上げます
ほうれん草のおひたしは、ゆで過ぎないことが大切です。青菜類は火の通りが思いのほかはやく、気を抜くとすぐに食感や色が悪くなってしまいます。また、ゆでる前に水あげをしておくのも大事なひと手間。葉にハリが出るだけでなく、水分を含むことで火の通りもゆるやかになり、ゆで過ぎを防げます。
色よく仕上げるためには、湯に塩を入れて色止めをする方法もありますが、退色を防ぐためにはかなりの量の塩を入れなければなりません。ゆで時間を短くし、素早く冷水に取ることで、鮮やかな色を保ちましょう。
だしは取らずに、しょうゆの旨みとかつお節の旨みだけで仕上げていきます。しょうゆを水でのばした「しょうゆ水」を2回に分けて使うのがポイントです。しょうゆだけでなく水があることで、かつおぶしから旨みが出やすくなり、おいしく仕上がります。まんべんなく味を行き渡らせる「しょうゆ洗い」の技も、簡単なので覚えておきたい和食の調理法です。
- ●ゆでる前に水あげをする
- ●ゆで過ぎない
- ●「しょうゆ水」を2回に分けて使う
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
- ほうれん草…7~8株(150g)
- 削り節…適量
- 〈A〉しょうゆ水
- キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…大さじ1
- 水…大さじ3
つくり方
1. ほうれん草を洗い、水あげする
ほうれん草は根元を広げるようにして洗い、根元の先端に切り込みを入れる。冷水を入れたボウルに根元からつけ、20分おく。

はじめにたっぷり水を吸わせましょう
ほうれん草の根元や葉の葉脈の溝には土が入り込みやすいので、ていねいに洗います。ゆでる前に、根元に十字または一文字の切り込みを入れ、花をいけるようにして水あげします。たっぷり水を吸わせることで、葉や茎にはりが出て食感が良くなるだけでなく、火の通りがおだやかにもなります。
2. 「しょうゆ水」をつくる
〈A〉を合わせる。

味のベースをつくる「しょうゆ水」
しょうゆを水で4倍にのばすと、味わいがのび、だし汁のように使えます。この「しょうゆ水」を2回に分けて使い、おひたしの味のベースをつくります。
3. ゆでる
沸騰した湯(6~7カップ)にほうれん草の根元から入れ、10秒おく。全体を沈め、再び煮立ったら約30秒ゆでる。すぐに冷水にとり、冷やす。

ゆで過ぎは厳禁です
茎と葉は火の通りやすさが違います。まず茎を入れて10秒おいてから、葉を沈めます。薄い葉の部分は沈めるとすぐに火が通ります。少しはやめに湯から上げるイメージで、素早く冷水にとりましょう。水を替えながらしっかり冷やします。
4. 「しょうゆ洗い」をする
根元をそろえて持ち、軽く水けをしぼる。半分に分け、根元と葉先を互い違いにしてバットに並べる。(2)の半量をかけ、軽くしぼる。

「しょうゆ洗い」でむらなく下味つけ
しょうゆ水をまんべんなくかけ、軽くしぼる「しょうゆ洗い」で下味を行き渡らせます。根元と葉を交互にするのは太さを一定にするためです。こうすると上から下まで均一なしぼり加減で水けをきることができ、味にむらができません。
5. 仕上げる
長さ4cmに切って器に盛る。かつおぶし、残りの(2)をかける。

きれいに切りそろえて盛りつけます
器の大きさにあわせて切りそろえると、盛り姿が美しくなります。仕上げのしょうゆ水とかつおぶしで2つの風味がほうれん草の上で重なり、上品な味わいに。
(1人分熱量23kcal/塩分1.2g/調理時間約10分)
ヘルシーポイント
ほうれん草はカリウム、鉄分、ビタミンCなど栄養豊富で日常的に食べたい野菜。しょうゆを小さじ2に減らせば、よりヘルシーに。かつおぶしを多めにすれば満足感も十分キープできます。
料理/小田真規子
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時(2023年2月)のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。