里芋のそぼろ煮
乾燥と塩もみが
里芋に味をしみ込ませる秘訣です
里芋の煮物をおいしく仕上げる秘訣は、泥くささを残さないことと、味を上手にしみ込ませることです。そのためには、まず調理する前に泥を洗い落として、しっかり乾燥させます。できれば前日、遅くとも2~3時間前から乾かしておきましょう。なぜなら里芋は乾燥させることでぬめりが出にくくなるからです。ぬめりを抑えれば切る作業がしやすく、皮の泥がついて泥くささが身に移ることを防げます。里芋を塩もみするのも、ぬめりを抑えるためです。ぬめりによって表面がコーティングされていると火の通りや味の入りが悪くなります。ぬめりを減らし、塩で表面の繊維をくずすことで、味が入りやすい状態をつくりましょう。
そして、味付けは「2段階調味」と「みりん多め」がポイントです。里芋を煮るときの1回目の味付け、ひき肉の下味の2回目の味付けの2段階で、味わいを重ねます。いも類を煮るときは「しょうゆ:みりん=1:2」が黄金比。甘みが味をまとめてくれます。
「六方むき」に切る理由は、形の美しさももちろんですが、角をつくることでそぼろを絡みやすくし、食べたときの味のりを良くするためでもあります。
- ●2時間以上前に洗って乾燥させる
- ●塩もみをする
- ●しょうゆ:みりん=1:2で調味
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・つくりやすい量
- 里芋…6~8個(皮をむいて350~400g)
- 塩…大さじ1
- 〈A〉
- 水…250ml
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ2
- 〈B〉
- 鶏ひき肉…100g
- 砂糖…小さじ1
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…小さじ1
- 片栗粉…小さじ2
つくり方
1. 里芋を洗って乾かす
里芋は前日または2~3時間前によく洗い、しっかり乾かす。
できれば前日に洗って乾かします
里芋は土がついているほうが保湿されていて身がみずみずしいです。泥つきを手に入れ、使う前日または数時間前によく洗って泥を落としましょう。ざるに上げて表面の皮の色が変わるまでよく乾かします。乾いているとぬめりが出づらく切りやすくなります。
2. 「六方むき」に切る
上下を切り落とし、側面を六方むきにする。
姿も美しく、そぼろも絡みやすくなります
はじめに切り落とす上下の形(断面)が六角形になる切り方を「六方むき」といいます。包丁を縦に6回入れて皮をむきましょう。1面落としたら、正反対になる面、隣の面を落としたら、また正反対になる面、という順番に6回切っていきます。角があることでそぼろあんが絡みやすくなります。
3. 塩でもむ
ボウルに入れ、塩をまぶし、30秒もむ。
このひと手間が里芋への味の入りを助けます
塩のジャリジャリが溶け、里芋の表面に泡が立つくらいまでしっかりもみます。塩もみすることでぬめりがとれ、表面の繊維を崩すことができ、里芋に味が入りやすい状態になります。
4. 洗う
さっと洗って、ペーパータオルでしっかり水けを拭く。
ぬめりを引き出してしまう水分をしっかり拭く
切っている間に里芋の泥が表面についてしまうこともあるので、流水を使ってさっと洗います。里芋のぬめりは水分があると出てくるので、ペーパータオルでひとつずつしっかり拭き取ります。
5. 煮る
鍋に〈A〉を入れ、ひと煮立ちさせる。里芋を入れ、再び煮立ったら、ぬらしたペーパータオルをかぶせ煮汁をかける。ふたをして弱火で10~12分煮る。竹串を刺してみて火の通り具合を確認する。
沸騰させてから里芋を入れる理由は2つ
はじめに煮立たせる理由のひとつは、みりんのアルコール分を飛ばすため。もうひとつは、里芋のぬめりを抑えるためです。里芋は水分に触れるとぬめりが出てきますが、熱によってある程度ぬめりを抑えることができます。煮汁をしっかり回すために、ぬらしたペーパータオルの上から煮汁をかけ、ふたをして煮ましょう。竹串で火の通り具合を確かめるときは大きめの里芋で。
6. ひき肉を加える
ボウルで〈B〉を混ぜる。鍋のなかにスペースをつくり〈B〉を入れたら、中火にする。とろみがつくまで箸で混ぜ、さらに2分ほど里芋に煮汁をかけながら煮る。
1つの鍋で2つのとろみを混ぜ合わせます
ひき肉にもしっかり下味をつけておきましょう。煮汁と肉の下味、この2段階調味で最終的な味付けが完成します。片栗粉を混ぜたそぼろのとろみだけでなく、里芋の煮汁のとろみも利用して絶妙な加減で仕上がります。
(1人分熱量259kcal/塩分1.7g/調理時間約25分)※調理時間に里芋を洗って乾かす時間は含まず。
ヘルシーポイント
とろみがあると味を感じやすく最小限の塩けと甘みでつくれます。カロリーを減らすならひき肉の量を半分に。また、里芋の一部をしいたけに置き換えるとさらにヘルシーです。
料理/小田真規子
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時(2023年2月)のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。