いか大根
いかは火の通しすぎにご用心
足と身は時間差で煮ます
いかの旨みとやわらかさ、大根の甘みが魅力の料理です。主役となるいかには、とにかく火を通しすぎないことが肝心です。いかへの火入れは2回。はじめはわずか1分の湯通し、次は足と身を時間差で鍋に入れる煮込みです。煮込みといっても身を煮る時間は2~3分。旨みのある足は先に入れて、煮汁にいかの味わいを加えます。いかの皮にも旨みがあるので、取らずに調理します。
大根は、甘みの強い上部を使うと良いです。表面積を増やすように切って、いかの旨みを十分に吸わせましょう。下ゆでのひと手間で、大根への味なじみも変わります。
大根など水分の多い食材を使った煮物の味付けの黄金比率は
しょうゆ・みりん・水分(酒または水)=1:1:4
これを覚えておくと便利です。
- ●いかに火を通しすぎない
- ●大根は上部の甘い部分を使う
- ●しょうゆ・みりん・水分=1:1:4で調味
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
- いか(するめいか・やりいか)…1~2杯(200~300g)
- 大根…1/2本(500g)
- 米…大さじ1
- 〈A〉
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2~3
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ3
- 砂糖…大さじ2
- マンジョウ 国産米 こだわり仕込み 料理の清酒…1/2カップ
- 水…1/2カップ
つくり方
1. 大根を下ゆでする
大根は皮をむき、厚さ2.5cmの半月切りにする。鍋に水5~6カップを入れ、大根、米を入れ、中火にかける。煮立ったら弱火にして10~15分ゆでる。ざるにあげて粗熱を取り、水洗いする。
お米が大根のえぐみを取り除きます
下ゆでする理由は、大根の余分な水分とアクを取り除いて味のなじみをよくするためです。米のでんぷんが大根のえぐみを取ってくれます。また、米と一緒にゆでることで汁の粘度が上がるため、熱の入り具合がおだやかになり、大根にじんわりと火が通ります。時季によっては多少ゆで時間が変わりますが、ここでは竹串がやっと通るくらいの硬さになれば大丈夫。最後に水洗いする理由は、お米のぬめりを取るためです。
2. いかの下処理をする
胴の中に指を入れ、内臓と身を離し、内臓を抜く。軟骨を指で抜く。胴の中を水洗いする。内臓から足を切り離す。足の付け根の中心にあるくちばしを取る。足の吸盤をこそげ取る。
胴の中や吸盤をきれいに掃除します
内臓は破れないよう気をつけながら引き抜きます。上手にスーッと抜けても、胴の中には内臓と胴をつなげていた皮のようなものが残っているので、きれいに水洗いしましょう。吸盤の硬い部分は口あたりが悪いため、こそげ落としておきます。皮には旨味と香りがあるので取りません。
3. いかを湯通しする
3~4カップの熱湯(分量外)を沸かし、火を止め、身と足を入れて1分置く。色が変わったら冷水に取り、胴の中を水洗いし、水気をふき取る。身は幅2cm、足は2本ずつに切る。
サッとゆでて表面のたんぱく質を固める理由
色が少し変わる程度に軽く湯通ししたいので、必ず火を止めてから入れましょう。表面のたんぱく質を固めておくことで、大根にいかの色や生臭さが移りづらくなるうえ、煮汁がにごりません。煮込みすぎも防げます。切らずに丸のまま湯通しする理由は、大きいほうがゆっくり火が入りやわらかさを保てるほか、身も縮みづらくプリプリ感が失われないからです。足が長すぎる場合は半分に。耳は外さず一緒に切ります。
4. 足と大根を煮る
鍋に〈A〉と足を入れて中火にかけ、煮立ったら大根を加える。ぬらしたペーパータオルをかけ、弱めの中火で10分煮る。
時間差で煮て足の旨みを存分に引き出します
足だけを先に煮るのは、いかの旨みを出したいからです。煮立たせるのはアルコール分を飛ばすため。お酒もみりんもたっぷり入っているので、一度しっかり煮立てましょう。大根を加えると煮汁が少なく感じるかもしれませんが、大根から水分が出てきてちょうどよい量になります。
5. 身を煮る
身を加え、上下を返しながら2~3分煮る。
鍋の一角にまとめて火の入り具合を注視
大根が色づくまで煮たら、身を入れます。主役の身をおいしくやわらかく仕上げるために、火の通しすぎは禁物です。上下を返しやすいよう、大根を寄せて、鍋の一角にまとめて入れてていねいに煮汁をからめましょう。
6. しばらく置く
火を止めて、15~20分置く。
置いておくのも調理のひとつです
煮汁のいき渡り具合にムラがある場合は、鍋をゆすって均一にします。ゆっくり冷ましながら置いておくことで、味がしみ込んでいきます。
(1人分熱量252kcal/塩分3.1g/調理時間約30分)※調理時間火を止めて置いておく時間は含まず。栄養計算値は煮汁を70%摂取した場合の値です。
ヘルシーポイント
いかは高たんぱくで低脂質なヘルシー食材です。煮汁に水溶き片栗粉を加えれば、しょうゆを2/3量に減らしても食べ応えを感じます。
使った調味料はこちら
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2023年3月10日