たこのやわらか煮
じっくり「蒸す」ことで、
きれいに、やわらかく仕上がります
たこをやわらかく煮る方法はさまざまありますが、今回は煮るのではなく「蒸す」ことでやわらかく仕上げていきます。蒸し調理では常に80℃前後が保たれます。直火で煮るよりも火のあたりがおだやかで、たこの身が縮みにくく、皮もはがれにくいので、仕上がりもきれいで失敗しません。煮汁をつくるときに一緒に軽く煮て味なじみをよくしてから、蒸していきましょう。
たこの味わいを残すために「大きいまま蒸しあげて、あとで切る」のもポイントです。ゆでたこはもともと塩ゆでされているので、加える塩分は最小限にします。味つけはみりんと酒をぜいたくに使った甘みが強い和風らしい味わいに。冷菜としてもおいしくいただけます。粗熱を取り、冷やすことで味も安定します。
- ●大きく切っておく
- ●軽く煮て味をなじませる
- ●調理の本番は「蒸す」
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
- ゆでたこ…250g
- 〈A〉
- 水…1/2カップ
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ2
- マンジョウ 国産米 こだわり仕込み 料理の清酒…大さじ2
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1
- 砂糖…小さじ2
つくり方
1. 大きめに切る
たこは1本を2~3等分に切る。
たこの味わいを残すために大きめに
小さく切りすぎると、たこの旨みがぬけてしまうため、ひと口大よりも大きめに切ります。
2. 軽く煮る
小鍋に〈A〉を入れ、中火で煮立てる。たこを入れ、ぬらしたペーパータオルをかぶせる。弱火で約5分煮る。
味がなじむためのきっかけづくりです
酒とみりんが多めの煮汁なので、アルコール分を飛ばすために必ず一度煮立ててから、たこを入れます。煮立てると苦みも残りません。ここでの狙いは、火を通すことではなく、煮汁とたこの味がなじむためのきっかけづくりの下味づけです。途中で軽く上下を返しながら煮汁をたこ全体にまとわせましょう。煮汁が少なく感じますが、次の「蒸す」工程でボウルに入れるとちょうどいい液量になります。
3. 蒸す
ボウルにたこと煮汁を入れる。鍋にふきんを敷いてボウルを入れ、脇から鍋に水を注ぐ。ぬらしたペーパータオルをかけ、中火にかける。湯が沸騰したら弱火にし、ふたをして30~40分蒸す。竹串でやわらかさを確認する。
ここが調理の本番。じっくり蒸します
あらかじめ鍋とボウルのおさまり具合を確認しておきます。まるごとふたができるようであればフライパンでも問題ありません。鍋底にぬらしたふきんを敷いてからボウルを入れると安定します。鍋に入れる水の量はボウルの1/2~1/3が浸る量が目安です。
4. 粗熱を取る
ペーパータオルをかぶせたまま、常温で置く。
冷やしながらさらに味をなじませます
乾燥しないよう、ペーパータオルはかけたままにしておきます。冷えていく過程で味がさらにしみ込みます。ある程度冷えたほうが切りやすくなります。
5. 切る
食べやすい大きさに切る。
いろいろな表情が出るように
切り口の白さ、足先の丸まりなど、盛り姿を考えながら切ります。やわらかいので、あえて切らずに大きいまま盛ってもいいでしょう。
(1人分熱量190kcal/塩分2.0g/調理時間約50分)※調理時間に蒸したたこを常温で置いて味をなじませる時間は含まず。
ヘルシーポイント
ブロッコリーやスナップえんどうなどヘルシーな蒸し野菜の付け合わせを添えれば栄養バランスも良くなります。粗熱をとっている間に蒸しましょう。
使った調味料はこちら
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年4月28日