ぶり大根

主役の大根には味をじっくりしみ込ませ、
ぶりはふっくらやわらかく

ぶり大根の主役は大根です。煮汁をしっかり大根にしみ込ませ、味わいに一体感をつくれるかどうかがカギになります。そのため、大根ははじめに20分、ぶりを加えて20分、計40分かけて煮ます。はじめの20分で大根がもともと持っている水分が抜け、繊維がほぐれ、味が入りやすい状態になります。そこにぶりの煮汁が再び入っていくというイメージです。

今回のレシピでは、ぶりのアラではなく切り身を使って一緒にいただくので、ぶりをやわらかく仕上げることにも気を配ります。火を通し過ぎないことが最大のコツです。あらかじめ下味をつけることで、煮る時間を最小限にし、火の通り過ぎを防ぎます。

魚の煮物に欠かせないのが、くさみ消しの役割をする酒とみりんです。アルコール分が多い煮汁は沸点が低く、長時間煮ても魚への火の当たりがやさしくなり魚をふっくらやわらかく仕上げてくれます。さらなるくさみ消しには、しょうがを皮つきのまま使うこと。血合いの多いぶりのくさみも抑えられます。

  • ●大根を計40分かけて煮る
  • ●煮汁は酒とみりんを多めに
  • ●しょうがは皮つきのまま使う

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2~3人分

  • ぶり(切り身)…2~3切れ(300g)
  • 大根…1/2本(皮をむいて500g)
  • 水…2カップ
  • 〈A〉
    • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
    • 砂糖…小さじ1
    • しょうが(皮付き薄切り)…1かけ分
  • 〈B〉煮汁の材料
    • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…1/4カップ
    • マンジョウ 国産米 こだわり仕込み 料理の清酒…1/3カップ
    • 砂糖…大さじ3
    • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
    • しょうが…1かけ

つくり方

1. ぶりに下味をつける

ぶりは2~3等分に切る。ボウルに入れて(A)の調味液を絡め、20分置く。しょうがは皮つきのまま輪切りに切る。

ぶりは斜めに切って表面積を増やします

ぶりを斜めに切る理由は、表面積を増やして下味をしっかりなじませたいからです。しょうがは皮つきのまま薄切りに。ぶりやかつおなど血合いが多く生ぐささを感じやすい魚は、皮つきのしょうがでくさみを消します。

2. 大根を切る

大根は皮をむき、厚さ2㎝の半月に切る。

ぶりと大きさをそろえて切ります

ぶり大根は煮る時間も長く、しっかり味をつけるのが特徴なので、繊維が多く辛みの強い大根の下の部分を使ってもおいしく仕上がります。皮むきもふろふき大根などのように厚めにする必要はありません。大根の太さによって、半月またはいちょうに切りにし、ぶりの大きさとそろえます。

3. 大根を煮る

鍋に大根と水を入れ、中火で煮立たせる。(B)を入れて再び煮立てる。ぬらしたキッチンペーパーをかけ、20分煮る。

調味料を入れたらまずひと煮立ち

水の量はやや少なめですが大根から出る水分と煮汁の調味料でほどよい量になります。煮立ってアクが出てきたら、アクを取り除きます。調味料は順不同に入れて問題ありません。煮汁の材料を加えた後にもう一度煮立てるのは余分なアルコール分を飛ばしたいからです。アルコール分が残っていると苦みにつながります。ペーパータオルが煮汁を無駄に吸い上げないよう、ペーパータオルはぬらしておきましょう。

4. ぶりを加える

鍋にぶり、調味液を加える。

盛りつける面を上にしてぶりを置きます

大根を軽く端に寄せてぶりが入る場所をつくり、ぶりを調味液ごと加えます。ぶりは大根の間から煮汁にひたすイメージで、盛り付ける時に見える面を上に置いていきます。この時点で盛り姿を想像しておくことが大切です。

5. 煮る

再びペーパータオルをかけ、ふたをせずに20分煮る。

ふたをしないで煮る理由

軽く鍋をゆらして煮汁を全体になじませます。ふたをしないで煮る理由は、味をしみ込ませるために煮詰めたいからです。煮汁が1/3程度になったら出来上がりです。

(1人分熱量372kcal/塩分3.4g/調理時間約45分)※栄養計算値は3人分とした場合の値です。調理時間にぶりを調味液に絡めて置いておく時間は含まれません。

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ヘルシーポイント

薬味役にもなる小松菜などの青菜を加えるとさっぱり食べられるうえ、栄養バランスも良くなります。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年4月28日