福神漬け
塩で「下漬け」、しょうゆで「本漬け」。
2段階で漬けます
漬け物の多くは乳酸発酵を利用してつくりますが、福神漬けは発酵させない漬け物です。日を置かず、すぐに食べられるのが魅力です。
塩で「下漬け」してから、しょうゆで「本漬け」する2段階で漬けていきます。下漬けは下味をつけるとともに野菜の水分を出すのが目的です。下漬けで出た水分はしっかり絞り、本漬けの調味料を野菜に入りやすくします。
福神漬けの名は「七福神」に由来するともいわれ、7種の具材を使うレシピが多いのですが、今回は手軽に5種類でつくります。具材を選ぶときには、大根やにんじんなどの「食感が出るもの」と、なすのように「味を吸うもの」を混ぜるのがポイント。しょうがは味の引き締め役として欠かせません。それぞれの具材から出るうまみが漬け汁と混ざり、複雑な味わいになります。一度に500g以上の野菜を使ってつくると味なじみがよくなります。
- ●「下漬け」と「本漬け」の2段階で漬ける
- ●野菜の水分をしっかり絞る
- ●500g以上の野菜を漬ける
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料
- 大根…300g
- きゅうり…1本(100g)
- にんじん…1/3本(50g)
- なす…1本(80g)
- しょうが…1/2かけ(5g)
- 塩…小さじ1(野菜の1〜1.5%)
- 〈A〉
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ4
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ3
- 砂糖…大さじ2
- 酢…大さじ1
- 昆布…5㎝角1枚
つくり方
1. 具材を切る
大根、にんじんは皮をむき、幅5mmに切り、さらに4~8等分に切る。きゅうりは厚さ5mmの輪切り、なすは厚さ5mmの半月切り、しょうがは皮をむき、せん切りにする。
最も小さい断面の具材に大きさを揃えます
漬かり具合にむらが出ないよう、野菜の断面の大きさをできるだけそろえます。直径の最も小さいきゅうりの輪切り面の大きさを目安に、ほかの具材も切っていきましょう。なすは漬かると縮むので、やや大きめに切ります。
2. 「下漬け」する
ポリ袋に具材を入れ、塩を加えてふるようにして混ぜる。空気を抜いて、口を閉じる。1時間置く。
塩で下味をつけながら野菜の水分を抜きます
具材の量が多いのでポリ袋を使うと便利です。袋の中に空間をつくり、上下にシャカシャカふりながら、まぶした塩を全体に混ぜ合わせます。水分が出やすいように空気を抜きながら押さえつけるように平らにして口を閉じます。具材を潰さないように押さえましょう。30分したら上下を返し、計1時間ほど置きます。
3. 漬け汁をつくる
小鍋に〈A〉を入れて混ぜ、中火にかけ、煮立ったらさらに1分煮る。
煮立ってからさらに1分煮ます
砂糖がしっかり溶けるように、へらで混ぜます。漬け物らしい風味を生み出す「甘み」はみりんをベースにつくります。みりんのアルコール分を飛ばすために一度、しっかり煮立てます。アルコール分が残っていると苦みが出てしまいます。ややとろみを感じる漬け汁になったら完成です。
4. 「本漬け」する
具材の水けをしっかり絞る。耐熱のジッパーつき保存袋に入れる。熱い漬け汁を加えて、絡める。空気を抜き、口を閉じる。
熱々の漬け汁を注ぎましょう
野菜に水分が残っていると漬け汁が入りづらいので、しっかり握るようにして絞ります。漬け汁は熱いうちに注いで絡めます。昆布も一緒に漬け、最後にせん切りにします。漬け汁が冷めていく過程で野菜に味が入っていくので冷めればおいしく食べられます。冷蔵で10日ほどもちます。
(1人分熱量35kcal/塩分1.5g/調理時間約30分)※漬ける時間は含まず。
ヘルシーポイント
具材を増やすならば、下ゆでが不要な、かぶ、うり、ズッキーニ、パプリカ、生きくらげなどがおすすめです。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年12月12日