さわらの西京焼き
知っておきたい、
みその配合と上手な焼き方
西京漬けは、米麹をふんだんに使った京都発祥の白みそ「西京みそ」に魚などを漬ける、上品でぜいたくな料理です。みそに漬けることで水分が抜けて、適度に身が引き締まり、旨みが増して日もちもするため、さわら、たら、太刀魚、鮭などの身がやわらかくて傷みやすい切り身魚に向く調理法。白みそは塩分が5%ほどなのでまろやかな味に漬かるのも魅力です。
塩で下味つけをして、ガーゼなどに包んで白みそだけに漬ける方法もありますが、今回は少量の白みそでもおいしく仕上がる手軽な「直漬け」レシピをご紹介します。しょうゆ・みりんを加えた白みそをさわらに直接塗ることで、少ないみその量でつくれるだけでなく、コクがありご飯のすすむ味わいに仕上がります。白みそ:しょうゆ:みりん=4:1:1の比率を覚えてください。
漬けた魚は水分が抜けているので火の通りがはやく、焦げやすくなります。さわらは皮が薄くてはがれやすいので、焼き方には心配りが必要です。フライパンの縁の立ち上がり面を利用しながら、最初から最後までずっと弱火で、できるだけさわらずに、じっくり焼いていきましょう。薬味には、やわらかな酸味のすだちがおすすめです。
- ●みその比率は「白みそ:しょうゆ:みりん=4:1:1」
- ●さわらに直接みそを塗る「直漬け」で
- ●ずっと弱火でじっくり焼く
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
- さわら(切り身)…2切れ(200g)
- サラダ油…小さじ1
- すだち…適宜
- 〈A〉
- 白みそ(西京みそ)…大さじ4
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ1
- キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1
つくり方
1. みそをつくる
ボウルに白みそ、みりん、しょうゆの順に入れ、そのつどよく混ぜる。
なめらかな状態にしておきます
みそと調味料を混ぜ合わせてなめらかな状態にするコツは、みそに液体の調味料を順に加えてはよく混ぜることです。西京みそは比較的やわらかいみそですが、硬いときは小さな泡立て器があると便利です。スプーンや小さなヘラなどでも構いません。
2. さわらを切る
さわらは半分に切る。ペーパータオルで水けを取る。
斜めに切ると表面積が増えます
さわらを斜めに切ると、みそにふれる表面積が増え、味が入りやすくなります。また、角度がついていることで盛り姿も映えます。切るときはくずれやすい血合いの部分が切り口にこないように注意します。
3. みそを塗って、漬ける
ラップにみその1/4量を広げる、さわらをのせ、同量のみそを塗ってラップでぴったり包む。同様にして残りの1切れ分も包む。ジッパー付き保存袋に入れ、1~2日間冷蔵庫で寝かす。
空気を抜いてぴったりと
さわらの表面にまんべんなくみそがふれるように塗ります。空気が入らないようにぴったりとラップすることで、みそが少なくても、しっかりと味が入っていきます。
4. みそを落とす
みそを洗い流す。水けをふき取る。
みそを残さず水で落とします
表面にみそが残っていると焦げの原因になります。冷水でみそをきれいに洗い落としましょう。みそ漬けになった身は締まっているので手で洗い落しても身くずれしにくくなっています。キッチンペーパーでさわらを挟み、やさしく押すようにして、表面の水けをとります。
5. 焼く
フライパンに油を広げ、約30秒熱する。さわらを油の上に置いたらすべらせるようにしてフライパンのふちに並べる。弱火で5~6分焼いたら上下を返し、さらに3~4分焼く。
ずっと弱火で、動かさずにじっくり焼きます
フライパンが熱すぎるとすぐに焦げてしまうので、フライパンも油も低温からスタートします。皮の部分を下にし、フライパンのふちの立ち上がり面に皮目がふれるように置きます。このとき、油の上に身をおいてなじませ、縁にすべらせるようにして油も連れていくようにするように移動させるのがコツ。火加減は必ず弱火にし、はじめはさわらを動かさないこと。身の下1/3〜1/2が白くなるまで待ちます。上下を返すときには身がくずれないよう、内側からふちに当てるようにして返します。作業しやすい位置にフライパンを回します。
(1人分熱量225kcal/塩分1.8g/調理時間約25分)※漬ける時間は含まず。
ヘルシーポイント
調味料を混ぜたみそは野菜の漬け床にもなります。にんじん、長芋などはとくにおすすめ。さわらといっしょに焼けばひと味違うヘルシーなひと皿になります。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年12月12日