鶏つくねの照り焼き
ゆるい肉だねを
しっかり練ることで、ふんわりと
つくねは、ふっくら感を楽しむ肉料理です。ふんわりした食感に仕上げる秘訣は、いかに肉だねに水分をふくませるか、そして、その水分を逃がさないまま焼き上げるかにあります。
やわらかすぎるかも……と思うくらいゆるめの肉だねを、練りすぎかも……と思うくらいしっかり練りましょう。体温で肉の脂が溶けるとともに水分も溶け出してしまうため、なるべく体温を伝えないように、指先を使って手早く練ります。ねぎを加えると、ねぎが水分を補填し、ねぎのとろみで肉の結着を助けてくれます。
フライパンの油が低温のうちから焼き始めるのも、水分の流出を防ぐコツです。肉表面のたんぱく質の熱収縮がゆるやかになり、水分の逃げる隙間をつくりにくくします。
- ●ひき肉に多めの水分を加える
- ●粘り気が出るまでしっかり練る
- ●低温から焼き始める
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料・2人分
- 鶏ひき肉…250g
- ねぎ…1/4本(30g)
- 小麦粉…大さじ1(9g)
- サラダ油…大さじ1
- 卵黄…2個
- 大根おろし…100g
- 〈A〉
- キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…小さじ2
- マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒…大さじ1
- 〈B〉
- キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…大さじ2
- マンジョウ 国産米こだわり仕込み 本みりん…大さじ2
- 砂糖…大さじ1
つくり方
1. ねぎを切る
長ねぎはみじん切りにする。
長ねぎはふっくら仕上げるために必要です
みじん切りした長ねぎのとろみが、肉だねのなかで水分としてつなぎの役割をします。長ねぎのみじん切りは、はじめに斜めの切り込みを入れ、さらに上下を返して同様に切り込みを入れ、蛇腹状にして端から細かく切ると簡単です。
2. 肉だねを練る
ひき肉、長ねぎ、〈A〉を混ぜ、粘りが出るまで1分ほど練る。小麦粉を加えて、さらに1分練ったら、冷蔵庫で30分ほど寝かせる。6等分にする。
体温で脂が溶けないよう指先で手早く練ります
体温で脂が溶け出さないよう指先で手早く混ぜます。つなぎの小麦粉を加えたら、さらに練ります。合計2分は練りましょう。糸を引くような粘りを感じたら、練りあがった合図です。肉だねはゆるいので成形しやすいよう、一度冷やして引き締めます。
3. 焼く
フライパンに油を中火で30秒ほど温める。肉だねを楕円に形づくりながら入れる。中火で3分、返して2分焼く。
ふっくら焼き上げるコツは低温から焼き始めること
肉だねはゆるい状態なので、手のひらで成形しようとせず、フライパンの中で整えます。油は熱し過ぎず、少し温まったくらいで焼き始めます。急に加熱するとひき肉がキュッと収縮し、隙間にある水分が逃げてしまいます。肉だねの中央は凹ませなくて大丈夫。ハンバーグは火の通りをよくするために凹ませますが、今回は焼いた後に煮絡めるため十分火が通ります。下味にしょうゆを使ったたねは、焼き色がつきやすいことも覚えておきましょう。
4. 煮絡める
余分な油をふき取り、〈B〉を回し入れ、中火で煮絡める。水気をきった大根おろし、卵黄を添える。
多めの煮汁で煮るように
余分な脂はしっかりふき取ります。多めの煮汁で煮るように絡め、煮汁が半分ほど残っているくらいで出来上がりです。付け合わせの卵黄は、一度器に卵を割り入れてからスプーンですくうときれいに取り出せます。
(1人分熱量443kcal/塩分3.4g/調理時間約15分)※調理時間に肉だねを冷蔵庫で寝かせ時間は含まず。
ヘルシーポイント
ひき肉を減らして、きのこやなすなど水分を含みやすい食材をみじん切りしてカサ増しすれば、ふっくらヘルシーに。大根おろしや卵黄をつけなければ、煮汁のしょうゆは半量でもおいしくいただけます。
料理/小田真規子
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2022年12月1日