だし巻き卵
だしたっぷりでも
上手に巻けるコツがあります
だし巻き卵は卵にたっぷり含んだだしととろけるようなやわらかさが魅力です。卵に対してだしの量が多くなるほど、卵が固まりにくくなるため、だし溶き片栗粉を加えてだしを閉じ込めます。片栗粉は加熱によって固まりやすくなるだけでなく、だしの蒸発を防ぎ、よりだしの味わいを感じられる仕上がりになります。きれいに巻けない、焦げてしまう、といった失敗を避けるためには、卵を巻くときに毎回火元から外して作業します。また、油を多めに使い、火加減は中火以上をキープして卵焼き器の温度をしっかり上げてから卵液を流し込むことで、ふんわりと巻くことができます。多少卵焼きがくずれてしまっても、温かいうちにアルミホイルで包んでととのえてリカバリーできるので安心して挑戦してみてください。だしのとり方は、最後に詳しく紹介します。
- ●だし溶き片栗粉を加える
- ●巻くときは火から外す
- ●最後にアルミホイルでかたちをととのえる
この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。
材料
- 卵…4個(200g)
- だし…120ml
- 片栗粉…小さじ2
- サラダ油…大さじ3〜
- しそ…適宜
- 大根おろし…適宜
- キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…少々
- 〈A〉
- キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…小さじ1
- マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…小さじ1
つくり方
1. だし溶き片栗粉と調味料を混ぜる
ボウルに片栗粉を入れ、冷えただし汁を加える。〈A〉を加えて、よく混ぜる。
冷えただしで「だし溶き片栗粉」をつくります
卵や片栗粉に熱いだしを加えると火が通ってしまいます。また、片栗粉は加熱するととろみが出てしまうため、必ず冷えただしを使い、片栗粉に少しずつ加えてはそのつどよく混ぜます。最後に調味料を加えてよく混ぜます。
2. 卵液をつくる
別のボウルに卵を割り入れてほぐし混ぜる。〈1〉を少しずつ加えて、よく混ぜたら濾す。
泡立てずに卵をなめらかに混ぜる方法
卵は油分の多い卵黄とほぼ水分の白身という異なる2つの性質からなり、本来は混ざりづらいものです。卵黄を先にくずし、箸先をボウルにつけ、40~50回ほど菜箸を底につけたまま左右に動かすことで泡立たずに均一混ざります。最後にざるでこすのは、ダマを除いてよりなめらかな卵液にするためです。
3. 卵焼き器を準備する
強火で約2分加熱する。油をペーパータオルに浸し、油を卵焼き器の隅々までなじませる。
角までしっかり油をなじませます
強火にかけ、卵焼き器を一度熱々にします。ペーパータオルを折りたたみ、十分に油を浸して、卵焼き器の隅々まで入念に油をなじませます。ここでしっかり油をなじませておくことで、卵焼き器に均一に熱が行き渡り、卵も焦げつかず、均一に火が通って上手に巻けます。
4. 卵を焼く
卵液を落とし、高温を確認する。卵液をおたま8分目(40~50ml)流し入れ、全体に広げて強火で焼く。卵液が膨らんだら箸で穴をあける。
卵焼き器が熱々であることが大切です
火が卵焼き器の底全体に広がるくらい、しっかりと熱します。卵液を落としてジュッとなったら、熱々になっている証拠です。片栗粉が沈まないようボウルの中の卵液をおたまでひと混ぜしてから、おたま8分目ほどの量(40~50ml)の卵液を流し入れます。卵が膨らんできたら穴をあけて火の通り過ぎを防ぎます。
5. 火から下ろして巻く
火からはずす。箸やヘラを使って、手前に向かって2〜3重に巻く。
火からはずせば落ち着いて巻けます
卵の表面が全体的に乾いてきたら、火からはずします。焦らず落ち着いて、奥から少しずつ3~4回たたむようにして手前に巻いていきましょう。はじめは多少形がくずれても問題ありません。卵焼き器を前後上下に動かし反動も利用しながら、手前へ、手前へと巻きます。
6. 卵をずらす
焦げやかけらをキッチンペーパーでふきとる。卵を奥へずらす。焼く面の隅々まで油をぬる。
そのつど油を塗ることを忘れずに
卵焼き器を傾けて卵の重みも利用して、奥へずらします。卵をずらしたら、次の卵液を流し入れる前に必ず焼き面に油をなじませます。
7. 焼く・巻く・ずらすをくり返す
〈4〉〈5〉〈6〉を4〜6回くり返す。
卵の下に卵液を流し入れてつなげます
必ず卵液を入れる前に、卵焼き器がしっかり熱くなっていることを確認します。卵液を加えたら、先に焼いた卵を少し持ち上げ、下と左右に卵液をまんべんなく行き渡らせます。焼けた卵のふちに菜箸を添わせ、はがしておくと巻きやすいです。これを卵液が無くなるまでくり返して巻き重ねていきます。
8. 形をととのえる
表面を軽く焼き固める。アルミホイルに開ける。包んで形をととのえる。器に盛って好みで青じそ、大根おろしを添えてしょうゆをかける。
多少のくずれはアルミホイルの中でととのえられます
最後まで巻けたら、さらに少し火を通して全体を焼き固めます。アルミホイルにとったら、多少くずれたりムラがあっても、温かいうちに包んで形をととのえれば大丈夫です。粗熱がとれたら切り分けます。温度が下がってからのほうがだしも流れず、くずれにくくきれいに切れます。大根おろしをそえて、しょうゆをかけていただきます。
(1人分熱量323kcal/塩分2.0g/調理時間約20分)
ヘルシーポイント
卵は栄養価が高くて幅広く使える優秀食材。大根おろしやしそ以外にも、たっぷりの青ねぎやちぎったのりなどを巻き込んだリしてヘルシーアレンジを。
付録:だしをとる
1. 昆布のだしをとる
鍋に、水(3カップ)、乾いたペーパータオルで汚れをふいた利尻昆布(5g)を入れ、弱火にかける。湯気が出て、鍋底に細かい泡が浮いていれば、理想的な70〜80℃が保たれている証です。10分ほどして昆布を取り出します。入れたままだと、雑味や粘りが出て、汁もにごります。
2. かつお節のだしをとる
〈1〉のだし汁を、沸騰させない程度の強火で2~3分加熱します。85℃前後が理想です。煮立つ直前に花かつおの削り節(10〜15g)をもみほぐしながら広げ入れたら、すぐに火を止めます。けずり節が落ちるまで、そのまま約2分待ちます。
3. 濾す
厚手のキッチンペーパー、または、さらしをざるにのせ、少しずつだし汁を濾します。自然に落ちるのを待ち、濾し終わりも絞らず軽く押さえる程度にします。
4. 粗熱をとる
粗熱をとります。削り節は酸化しやすいため、封を開けたらはやめに使い切りましょう。
料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2024年3月12日