本みりんの調理効果


本みりんを料理に使うと、魔法のようにおいしくなる効果があります。
ここでは本みりんのヒミツをご紹介しましょう。

上品でやわらかな甘み
強い甘みを持つショ糖で構成される砂糖と異なり、本みりんはブドウ糖やオリゴ糖など、やさしい甘みを持つ複数の糖によって構成されています。
ショ糖の甘みの強さを100とした場合、ブドウ糖の甘味度は70、オリゴ糖は30〜40です。ショ糖は甘みを感じる持続時間が短いのに対し、本みりんは上品でやわらかい甘みが、砂糖や単体の糖よりも長く持続する特徴があります。
本みりんに含まれる糖の種類


本みりんはブドウ糖の他、
さまざまなオリゴ糖を含む
本みりんと砂糖の甘みの比較
本みりんと砂糖は含まれる糖の種類が違う
甘みの強さや持続時間が異なる


本みりんは持続性が高く
穏やか(上品)な甘みをもつ

複雑なうま味
うま味成分であるアミノ酸やペプチドが、上品な甘みと混じり合い、味わい深いコクを生み出します。

てり・つや
さまざまな糖類が含まれる本みりんは、砂糖と酒で調理するよりも、てり・つやが付きやすくなります。


なぜ、てり・つやが付きやすいの?





臭み消し
本みりんのアルコール分は約14%。これは清酒と同程度です。このアルコールが、食材の臭みを取り去ります。
物理的消臭
調理の際、水よりも沸点が低いアルコール(沸点78.3℃)が揮散するときに、一緒に肉や魚の臭み成分を取り去ります。


科学的消臭
アルコールや糖類、アミノ酸、有機酸が食材と反応し、臭み成分の構造を変化させます。

味を染み込ませる
アルコールは分子が小さいため、本みりんの甘みやうま味が、食材の奥深くまで素早く均一に浸透します。
じゃがいもに食紅を浸透させる実験
左から「水だけ」、「水と砂糖」、「水と本みりん」
最も深く染み込んだのは、本みりんを使った右のじゃがいも!



煮くずれ防止
糖類とアルコールが、食材の細胞の形を保持。食材の見た目を保ち、うま味を閉じ込めます。
じゃがいもを30分間煮る実験
「水だけ」に比べて、「水とみりん」で煮た方は細胞の形が保たれています。


発掘!みりんのレシピ
江戸時代のレシピ本
『万宝料理秘密箱』
みりんが調味料として用いられるようになって間もない寛政7(1795)年、レシピ本『万宝料理秘密箱』に「赤貝和煮(やわらかに)」が紹介されています。
食材に味を染み込ませるみりんの効果や、保水性を高め柔らかくする効果を上手に活用したレシピです。



