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飲食店経営における大きな課題「人手不足」の原因とは?解決策もあわせて解説 イメージ

飲食店におすすめの集客方法とは? あなたの店舗で行うべきこと

コロナ禍や材料費の高騰など、状況が目まぐるしく変わる飲食業界。ただ、どんなときであろうと一番大切なのは、お客様に実際に来店していただくことではないでしょうか。この記事では、あなたのお店にお客様が通い続けるには具体的に何をしたら良いか、おすすめの集客方法をご紹介します。

目次
  1. 1.飲食店が集客で抱える3つの課題とは?
  2. 2.お客様が求めることに対し、どれに答えていくかを考える
  3. 3.新規顧客を増やすための施策とは?
  4. 4.リピーターを増やすためにできる施策とは?
  5. 5.具体的な集客アイデア&事例集
  6. 6.事業者を支援する補助金を活用しよう!
  7. 7.集客施策を行う前に、あなたの店舗ですべきこと
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飲食店が集客で抱える3つの課題とは?

飲食店が集客で抱える3つの課題とは? イメージ

経営コンサルタントの中野裕哲さんによると、飲食の集客に関してはいくつかの課題が挙げられるそうです。

①新規顧客が増えない

「個人店の場合、同じジャンルの大手企業やチェーン店が競合となることも多いもの。新規顧客の獲得にはお金がかかるので、そもそも大手に比べてお金もマンパワーも少ない個人店だと、新規のお客様を集めるのはなかなか難しいですね」(中野さん・以下同)

②リピーターが増えない

「お店に通っていただくには、お客様にどれだけの満足を提供できるかが大切。料理やサービスをはじめ、さまざまな面で満足していただけなければ、次回の来店に結びつけることができず、リピーターが増えないという状況に陥ってしまうのです」

③お店の存在をなかなか知ってもらえない

「知られていない状態というのは”無”なので、少しでも存在感を大きくしたいところです。マーケティングの世界では“想起”という言葉を使いますが、”この料理ならこのお店”と思っていただくことが大切。ブランド力があれば想起しやすいですが、やはりお金とマンパワーが必要になってきますね」

そもそも拘束時間が長い飲食店の場合、多くの人を雇いにくいため、スタッフが家族中心となるケースもよく見られます。そのため、「回すことに精一杯で、次の手を考えられない経営者の方も多い」のだそう。
「集客できているかいないかに関わらず、”このままでいいのか”という漠然とした不安の声はよく聞こえてきます。周囲にいろいろなお店ができれば、焦りも生じてくるもの。ましてや今はコロナ禍で外食への考え方が変わっているので、どう対応すればいいかを迷うこともあるでしょう。そのときは、『キッコーマン 業務用サイト』で情報を収集したり、我々のような専門家に相談したりして、次の一歩を踏み出していただくと良いと思います」

お客様が求めることに対し、どれに答えていくかを考える

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料理の味、お店の雰囲気、サービスの手厚さなど、さまざまなものが求められる飲食店。その中でも、「何を重視するかは、人によって異なります」と、中野さんは語ります。かと言って、食材や内装にお金をかけ、質のいい店員の確保する……といった形で、すべてを高いレベルで満たすのは難しいもの。

「だからこそ、自分はどこを推すのかを判断し、実行することが大切です。いわゆるQPS(Quality=品質、Price=価格、Service=その他サービス)のどれもそこそこ、という状態では、その他大勢のうちの1店舗となりがち。予算が限られる中で、何を磨けるのかを深く考えるようにしましょう」

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新規顧客を増やすための施策とは?

新規顧客を増やすための施策とは? イメージ

新たなお客様が来店しなければ、経営は先細りになってしまいます。まずは新規顧客を獲得するために、どんなことができるでしょうか?

1.お店に入りやすい雰囲気を作る

「長年、お店をやっていると気付きにくいかもしれませんが、看板が不親切だったり、いつも常連ばかりで騒がしかったりすると、初めての人は入りにくいですよね。一度、お客様の目線になってみたり、第三者に聞いたりして、お店の雰囲気を見直してみましょう」

2.入口商品を作る

「入口商品とは、そのお店のことを知ってもらうためのもの。たとえば、入口商品としてランチを安く提供し、夜の来店につなげるといったことですね。使い古された手法ですが、やっていないお店も多いのではないでしょうか。ちなみに、私が相談に乗っているケーキ屋さんでは、新製品を小さくカットした試食品を、入口商品として提供しています」

3.取材されやすいお店になる

「お店にとって、メディアの取材は大量の情報を発信できる絶好の機会。以前、テレビ局の現役プロデューサーに取材対象を決める方法を聞いたことがあります。そのときのお話では、取材先を探すのは若いADであるため、彼らの行動パターンを知っておくと良いとのことでした。
彼らは情報収集に『Instagram』や『Twitter』をよく使うため、これらのSNSに興味が持たれるような投稿をしていると目に止まりやすくなります。目に付いたお店はホームページをチェックするため、過去の取材実績や受賞歴、珍しいメニューなどを、興味を引くことを載せておくと効果的だとか。必ずしも取材されるわけではないですが、こうした点も意識しておくとチャンスが訪れやすくなります」

4.SNSを活用する

以前の記事にもありますが、SNSはただ何となくやるのではなく、性質を理解して活用するのがいいですね。SNSの一番の特徴は拡散力なので、どうやって話題になるかが大事。映える写真を載せるなど、他の人が紹介したくなるような投稿を意識するようにしましょう。新規開店の場合は、プレプロモーションに使うのもおすすめです。物件を決めた、内装工事中、など、オープン前から情報を発信していくことで期待度が上がり、ファンの獲得につながりますよ」

5.マーケティングの階層を理解する

「マーケティングで言う”階層”を理解することで、新規顧客の獲得に役立ちます」と、中野さん。聞けば、この階層が上にあるほど成約率が高まるのだとか。飲食店の場合、成約率は新規来店率に当てはめることができます。
「最も来店率が高い階層は、満足している既存顧客からの紹介です。知人に”あのお店、良かったよ”と言われることで来店するというものですね。信用している人から紹介されると、やはり行ってみたいという気持ちになりますから。次に来るのが、世間的な評判です。たとえば、有名店である、グルメサイトでの店数が高い、といったことが挙げられますね」

その下には、「インターネットやSNSでの検索」「ダイレクトメールやチラシ」が続きます。
「特にダイレクトメールやチラシは、”知らない人がやっている”という意識で信用されにくいため、成約率が低くライバルが多くもなります。そのため、新規顧客を増やす基本の基本としては、上の階層ふたつにあるように、満足している既存顧客を離さずに、世間的な評判を上げることを目指すのが大切です」

リピーターを増やすためにできる施策とは?

リピーターを増やすためにできる施策とは?? イメージ

お店を長く続けるには、新規顧客だけでは限界があるもの。リピーターを増やせばその分、安定した経営の助けとなってくれます。

1.イヤだと思われることの改善が大前提

「本当に基本的な話ですが、まず最低でも、イヤだと思われる要素を排除すること。お店が汚いとか、接客が良くないといったクレームは、確実に改善しなければお客様は二度と来店しなくなります」

2.自店の主張、価値観をはっきり打ち出す

「なぜお店をやっているのか、どんな気持ちでやっているのか、どんな体験をして欲しいのかなど示すことで、お店の価値を見出してもらえれば、お客様にとって”このお店だから行きたい”という存在になり得ます。これが、絶対に必要な存在になれれば理想的ですね。すでにリピーターとなっている人に、”なぜうちのお店に来てくれるのか?”と聞いてみても良いと思います」

3.次に来てもらうための仕掛けをつくる

「リピーターと呼ぶには、少なくとも3回は通ってもらわなくてはなりません。多くのお店ですでに実践されていますが、初回来店のお客様には次回の割引クーポンを配るなど、次につながる施策を地道に続けましょう。もちろん、料理やサービス、気遣いなどを意識して、”次も来たい”と思ってもらうことも必要です」

4.リピーターをファンにする

「ファンになってもらえれば、お店への愛着はさらに高まります。人がファンになるには、4つの”感”=情緒が必要。1つめは”快感=気持ちいい!”。居心地がいい、雰囲気がいい、おいしいといったことですね。2つめは”感心=すごい!”。3年連続○○賞受賞、とか、○○年の伝統、とか、日本ではここだけといったことがあると、人は感心してくれます。3つめは”感謝=ありがとう!”で、接客や気遣いが素晴らしい、安心できるなどの気持ちを抱くこと。4つめは”共感=なるほど!”です。コンセプトや理念が好きだったり、お店にストーリーがあったりすると、この感情が引き出されます。この4つの中でも、特に自分がイチオシするものを決め、強化していくように意識すると良いでしょう」

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具体的な集客アイデア&事例集

具体的な集客アイデア&事例集 イメージ

上記に加え、中野さんがこれまでの経験で得たさまざまな集客アイデアを教えてもらいました。事例も交えてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

売りとなるメニューは名前でも主張

「今は人気メニューを売りにする時代ですが、”○○定食”といった安易な名称では、セールスポイントが掴みづらくなります。たとえば、あるお店で提供されていたオリジナル料理は、実はお婆ちゃんがサンフランシスコに住んでいたときに編み出したものでした。そのため、名前をゴールデン・ゲート・ブリッジにちなんだキャッチーな名前にしたり、どんな経緯で編み出されたかのストーリーをつけたりして、売りを前面に打ち出したんです。そうすると、見た人はやはり”食べてみたい”と感じますよね」

お客様を飽きさせない工夫をする

「世界一大きなハンバーガーチェーンにもよく見られますが、常に新メニューを投入してお客を飽きさせない工夫をしています。以前、相談を受けたお店もそうで、良い仕入れルートを確保して魚を売りにしていたので、毎回、SNSで入荷情報を発信していました。お知らせが届くと、しばらく足が遠のいていたお客様も、久しぶりに行こうと思うきっかけになりますよ」

売り切れの情報をSNSで発信

「とあるフォー屋さんでは、毎日スープが売り切れると”○時に売り切れのため閉店”とSNSで発信しています。これを見た人は、”早く行かなきゃ”となりますよね。ちなみにこのお店は、ハノイで食べたフォーに惚れ込んだため、オーナーに直接会いに行き、その味を日本で展開することを許してもらった人物が経営しています。そのストーリーもホームページに載せている点も、お客様の興味をそそるうまい方法です」

クラウドファンディングを利用したファン作り

資金集めとして利用されるクラウドファンディングには、オープン前からお店のファンを作るという側面もあります。あるラーメン屋さんは、プレオープンの来店やオリジナルグッズの提供、のれんに名前を入れられる権利などを行い、”なんかおもしろいことをやっているぞ”と思わせることで人を集めていました。まったく知らない人にキャンペーン情報などを届けるのは難しいですが、こうしたサイトも活用すると新規開店の宣伝にもなりますね」

SNSに載せたくなる撮影スポットを作る

「犬と一緒に来店できるおにぎりカフェでは、月替わりの撮影スポットを設けています。たとえば3月ならひな祭りのセットで、ワンちゃん用のひな人形衣装も用意。映え写真を撮りたい人の欲求を満たしてくれますし、その写真をSNSで見た人が遠方からも訪れているそうです。普通のおにぎり屋では大手に勝つのは難しいですが、ユニークなアイデアと実行力があれば人気店になれる好例です」

支援情報の情報を見逃さない

「詳しくは後述しますが、国や自治体の補助金は、個人店をサポートしてくれる強力なツールです。今では当たり前となったキャッシュレス対応の設備や、レジ、注文用端末の導入のほか、テイクアウトやデリバリー専門に業態変更するときに活用できる補助金もあるので、情報収集を怠らないようにしましょう。行政のサイトなどはわかりにくいというなら、個人店向け情報が掲載されたサイトをチェックしてもいいですし、我々専門家のSNSやホームページなども役立ちます。どれかひとつ、信用できてわかりやすい情報源を確保しておくのがおすすめですね」」

事業者を支援する補助金を活用しよう!

事業者を支援する補助金を活用しよう! イメージ

集客施策によっては、お金がかかる手法もあるもの。そんなときに活用できるのが、中野さんのお話にもあった国や自治体からの補助金です。

「こうした補助金は、情勢に合わせてタイムリーに実施されます。たとえば”事業再構築補助金(※1)”は、コロナ禍を受けた支援策で、一般的な飲食店が個室化の工事を行い、テイクアウトを強化するなど、事業を再構築する際に利用できます。

毎年、経済産業省が管轄で行われる”小規模事業者持続化補助金(※2)”は、5人以下の会社を対象としているので、当てはまる飲食店も多いでしょう。たとえば夜営業のみだったバーがテイクアウトを始めるため、席数を減らして調理スペースを作る工事を行った場合や、テイクアウト用の窓口を作る場合などにも利用できます。また、令和4年度に農林水産省が行ったのは、”業態転換等支援事業”という施策。これは、たとえば飲食店がテイクアウト専門に変わるなど、業務転換の取組に対して支援するものでした。

このほか、国ではなく自治体ごとに実施しているものもありますが、こうした補助金制度は情勢に合わせているため、毎年行うとは限りません。うまく対応するためにも、ぜひ情報源を確保してください」

なお、こうした補助金制度を利用する場合は注意したいことがあるとか。

「申請から受給までには時間がかかるので、長い目で見ることが大切。すぐに集客手法を実施したいときには向いていないことを理解し、急ぐ場合はお金の掛からない手法をとったり、自腹を切ったりといった使い分けが必要です。逆に言うと、お金をかけずにできることは、今すぐなんでもやりましょう、ということですね」

※1 出典:事業再構築補助金
※2 出典:小規模事業者持続化補助金

集客施策を行う前に、あなたの店舗ですべきこと

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中野さんが提案してくれた方法や教えてくれた事例は、いずれも集客に役立つものばかり。お金や時間の有無はあるとしても、できることから実践していきたいですね。

「飲食店を経営されている皆さんは、やはり飲食業が好きでやっているんだと思います。一方で、時間やマンパワーがなくて大変な思いをされている人もいる。それでも、集客対策にはお金をかけずにできることもあるし、補助金制度も用意されているので、少しでもこれらに割く時間を捻出していただければと思います。飲食店の経営は最初にお金がかかることもあって、不退転の気持ちで始めた方も多いはず。今回、お話ししたことを、ぜひ活用していただきたいですね」

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監修:中野 裕哲
経営コンサルタント、起業コンサルタント®、税理士、行政書士、特定社労士。年間約200件の無料相談受託。起業準備から経営まで多数の経験と複数資格で起業準備から経営までまるごと支援する。

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