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過去の展示

四季を巡る江戸庶民の行事と暮らし
春 開運の春
春 開運の春 元首、大旦、歳朝、鶏日、初陽、そのほか年のはじめを表す語は数多くある。
「今暁、江戸にては初日の出を拝せんと、高輪および深川の洲崎等群集す」(『守貞謾稿』―嘉永6年・1853年)とあるように元日は早起きし、初日に手を合せ、神社仏閣に初詣で、家内安全、商売繁盛を祈願する。
屠蘇は味淋に屠蘇散(数種の漢方薬を調合したもの)を入れたものだが、元日に飲めば一年の災難除け、延命の効果があるという。雑煮は初汲の若水で作るのがしきたりで、古くは烹雑とよばれ、江戸城の賄方の記録によると「餅」「焼豆腐」「里芋」「青菜」「花鰹」とあり、町方もほぼこれにならって角餅を焼き、汁はむら勝ち(醤油)の清汁である。おせちは江戸では喰積み、上方では蓬莱、又は宝来と称し、「数ノ子」「黒豆」「昆布巻」「田作り」、煮物は「八ツ頭」「牛蒡」「人参」「蒟蒻」「焼豆腐」などが入る。
正月の食習は7日の七草粥、15日の小豆粥、二十日正月として最後の雑煮でしめくくられる。
若水汲み/灯火
屠蘇/若水汲み/灯火
開運の春