関東風雑煮

うまみたっぷりの澄んだ汁がごちそうです

日本各地に様々なお雑煮がありますが、角餅、鶏肉、小松菜が入った関東風雑煮のレシピを紹介します。おせち料理にはみりん、砂糖、しょうゆを使った濃い味付けの品々が並ぶため、お雑煮はすまし汁のようなすっきりとした味わいを目指します。

お雑煮の味わいを生み出すのは、餅はもちろんのこと、なんといってもうまみたっぷりの汁。昆布・かつお節でとっただしと鶏もも肉で、濃厚なうまみをつくっていきます。鶏肉はうまみの強いもも肉を選びます。余分な脂を取り除く下処理やアク取りをていねいにすると、にごりのない澄んだ汁になります。しょうゆは色が淡く、だしの香りを引き立てる「うすくち」を使うこともポイントです。

  • ●昆布とかつおでだしをとる
  • ●鶏肉はもも肉を選びていねいに下処理する
  • ●しょうゆは「うすくち」を使う

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2人分

  • 切り餅…3~4個
  • 鶏もも肉…小1枚(150g)
  • 小松菜…100g
  • かまぼこ(厚さ1cm)…4切れ
  • 柚子の皮…適量
  • 利尻昆布…5〜10g
  • 削り節…20〜30g
  • 〈A〉下ごしらえ用
    • マンジョウ 国産米こだわり仕込み 料理の清酒…小さじ1
    • 塩…小さじ1/6
  • 〈B〉煮汁
    • キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ…大さじ1~
    • 塩…小さじ1/3

つくり方

1. だしをとる

鍋に水(分量外・5〜6カップ)と昆布を入れ、弱火で約10分程かけて沸騰する前まで温めたら昆布を取り出す。火を強めて2〜3分加熱し、煮立つ直前に削り節を入れ、すぐに火を止める。削り節が落ちるまで約2分待つ。キッチンペーパーで濾す。粗熱をとる。

粗熱をとるために、はじめにだしをとっておきます

昆布からうまみを引き出す理想の温度は70〜80℃。弱火にかけて10分程度で、鍋底に細かい泡が浮いているのが目安です。昆布を長く入れておくと、雑みや粘りが出て汁もにごってしまうので、手早く引き上げます。かつお節からうまみを引き出す理想の温度は85℃前後。沸騰する手前で削り節を一気に入れらたすぐ火を止めるとよいでしょう。濾すときは、自然に落ちるのを待ち、濾し終わりも強く絞らず軽く押さえる程度にします。

2. 鶏肉の下ごしらえをする

鶏肉は、余分な脂肪を取り除き、筋を切って3〜4㎝角に切る。〈A〉をかけ、もみ込んで5〜10分置く。

ここで酒と塩をもみ込むことが大切です

皮の下などにある黄色を帯びたぬるっとした脂が余分な脂肪です。脂が残っていると汁にくさみと脂が出て、だしやゆずの香りを邪魔してしまうため、ていねいに取り除きます。そして、酒と塩をもみ込んで下味をつけるひと手間を忘れずに。これは下味となるだけでなく、肉のたんぱく質を変化させて旨みが引き出し、汁のコク付けにもつながり大切な工程です。

3. 小松菜の下ごしらえをする

小松菜は、洗って、根元を落とす。塩少々(分量外)を加えた熱湯で約2分ゆでる。冷水にとって冷まし、水けをしぼる。長さ4~5cmに切る。

茎と葉のゆで時間に差をつけて硬さを均等に

根元を立てて入れ30〜40秒経ってから、葉の部分を湯に沈めます。ゆであがりの硬さをそろえるためです。冷水に取って手早く冷ます理由は、色を鮮やかに保つため。水けはしっかり絞り、後でだしをたっぷり吸える状態にしておきます。切ってからゆでるのではなく、最後に束ねて切ることで、バラバラにならず、盛り姿が美しくなります。

4. 結びかまぼこをつくる

かまぼこを縦に置き、上下互い違いに均等幅に切り込みを入れる。横にして、切り込みを開いて1本の紐に見立て、結ぶ。

わざわざ結ぶには理由があります

かまぼこはそのまま入れるよりも結んだほうが、華やかなお椀になるだけでなく、食感に遊びが生まれて食べ応えを感じます。結び目の間に汁を含むため、よりおいしくいただけます。

5. 餅を焼く

切り餅は、中火で熱したフライパンで、絶えず返しながら両面に焦げ目がつくまで焼く。

横を触ってやわらかければ焼き上がり

お餅はぷく〜っと膨らむまで焼かなくても、ほんのり香ばしい焼き目がつき、トングなどで横の面を触ってやわらかくなっていれば十分です。焼き網やオーブントースターで焼いても構いません。

6. 鶏肉を煮る

鍋に冷めただし、〈B〉、鶏肉を入れ、中火にかける。煮立ったら、弱火で4~5分煮る。

じっくり加熱して鶏肉のうまみを引き出します

冷めただしに鶏肉を加えて低温から加熱し始めることで、じっくりうまみが引き出されます。煮立ててアクが出たら、取り除きます。しょうゆだけでなく、少量の塩を入れることでだしの香りと味わいが際立ちます。

7. 具を準備する

柚子は皮を千切りにする。小松菜に〈6〉の汁をかぶるくらいにかける。

仕上げに向けたひと仕事です

柚子の皮を薄く切り取り、長さ1〜2cmの細い千切りにします。小松菜には汁をかけ、うまみを吸わせておきます。

8. 器に盛る

器に汁を少量注ぎ、餅、鶏肉、汁けをきった小松菜、かまぼこをのせ、さらに器の八割ほど汁を注ぎ、柚子の皮を飾る。

盛り付けに集中しましょう

汁を先に少し入れておくことで、餅がお椀にくっつきません。お椀の大きさに合わせて餅を1〜2個入れ、順に具を重ねていきます。小松菜の緑、かまぼこの赤、柚子の黄色を彩りよく見せましょう。

(1人分熱量459kcal/塩分3.6g/調理時間約60分)

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ヘルシーポイント

餅のひとつを絹ごし豆腐に替えるとヘルシーなお雑煮になります。だし汁の2〜3割を豆乳に置き換えれば大豆たんぱく質豊富な一杯に。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2024年●月●日