かんぴょう巻き・鉄火巻き

素朴でシンプルだからこそ
少しの時間とひと手間かけて

かんぴょう巻きや鉄火巻きなどの細巻きは手軽につくれる巻き寿司です。シンプルですが、ひと手間をかけるととてもおいしく仕上がります。ポピュラーなかんぴょう巻きと鉄火巻きのつくり方で、すし酢・すし飯のつくり方と巻き方を一度覚えておけば、さまざまな具材で細巻きをつくれます。

すし酢は、白飯によく合うやさしい酸味の米酢を使い、砂糖は控えめにします。酢と砂糖を合わせ軽く火を入れると一体感のあるまろやかなすし酢になり、どんな具材ともよく合います。ご飯は、炊飯時に昆布を1枚入れて炊き、だしのうまみを吸わせておきます。

かんぴょうは、塩もみによるアク出しと下ゆでをしてから、甘く煮ます。味をなじませるために半日以上時間をおくと深く重みのある味わいになります。まぐろは甘みを加えずシンプルにしょうゆだけで漬けにします。かんぴょうを煮るときは、乾物を煮るのに適したしっかり味の「丸大豆しょうゆ」を。マグロの漬けには、さらりとしたうまみで素材の風味を引き立てる「生しょうゆ」を使います。しょうゆの個性の違いも、ぜひ味わってみてください。

  • ●すし酢は軽く火入れする
  • ●すし飯は昆布を入れて炊く
  • ●「煮る」と「漬け」でしょうゆを使い分ける

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・4本分

  • かんぴょう(乾)…30g
  • 塩…大さじ2
  • まぐろ(赤身)…150g
  • キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…大さじ2
  • 米…2合
  • 水…1と3/4カップ
  • 昆布…5cm角
  • 焼きのり…全形4枚
  • 〈A〉かんぴょうの煮汁
    • 水…2カップ
    • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ4
    • 砂糖…大さじ4
    • キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ…大さじ3
  • 〈B〉すし酢
    • 米酢…大さじ4
    • 砂糖…大さじ1
    • 塩…小さじ1/2

つくり方

1. かんぴょうのアクをとる

かんぴょうはさっと水に浸し、軽く水けを絞る。ボウルに戻し入れ、塩を絡めて約1分もみ、しっかり洗う。

出てきたアクをしっかり洗い流します

塩をまぶしてもむ理由は、かんぴょうの繊維をやわらかくして、アクを出すためです。出てきたアクを落としたいので、ボウルの水を何度か替えながら塩とアクをしっかり洗い流します。

2. かんぴょうを下ゆでする

鍋に入れ、水をかぶるくらいに加え、強火にかける。煮立ったら、弱火で10分煮る。ざるにあげて水けをきり、粗熱をとる。切る。

かんぴょうは下ゆでした後に切ります

水はたっぷりではなく、かぶる程度で十分です。かんぴょうはやわらかくならないと切りにくいので、下ゆでしてから切ります。長さは20〜30cmに、幅が広いようなら重ねて半分の幅に切ります。

3. かんぴょうを煮る

鍋にかんぴょうを入れ〈A〉を加えて混ぜ、中火にかける。煮立ったら弱火にし、約30分煮る。そのまま、半日以上置く。

煮汁ごと半日以上寝かして深みと重みのある味わいに

一度しっかり煮立てるのは、みりんのアルコール分を飛ばすためです。そのあとはじっくりかんぴょうに味を行き渡らせるように煮ます。火を止めたら、煮汁ごとそのまま冷やし、半日以上置いておきます。翌日以降も保存するなら冷蔵庫へ。保存容器に移せば、冷蔵庫で1週間ほど日持ちします。

4. まぐろを漬ける

まぐろは1㎝角の棒状に切る。しょうゆを絡めて、20分以上置く。

しっかりしょうゆをなじませます

まぐろは厚さ1cmに切り、さらに幅を2~3等分にして1㎝角にします。すべての面にしょうゆがふれるように絡めます。ラップをして冷蔵庫で20分以上置き、味をなじませます。

5. 米を炊く

米はといでざるにあげ、30分~1時間置く。水、昆布を加えて、炊く。

米に水分を含ませてから炊きはじめます

米は炊く前にといでざるあげしておくことで、水分を程よく含みます。昆布を入れて一緒に炊くと昆布のうまみを含み、米の粒立ちもよくなります。炊いた後も昆布にはうま味がまだ残っているので煮物などに活用してください。

6. すし酢をつくる

小鍋に〈B〉を入れ、弱火にかける。

加熱しながら合わせると一体感が違います

煮立たせないように注意して加熱し、調味料が溶ければ完了です。火にかけなくても混ざりますが、加熱しながら溶かすことで味わいに一体感のあるすし酢になります。

7. すし飯をつくる

ご飯は昆布を取り除き、大きめのボウルに開ける。すし酢を全体にかけ、1分置く。しゃもじで切るようにほぐし、粗熱をとる。8等分に分けておく。

粘りを出さないようにしましょう

すし酢は全体にまんべんなく行き渡るようにかけます。ご飯に粘りを出すことなく、すし酢を吸わせ、手早く粗熱をとって水分を飛ばしたいので、しゃもじを立たせて切るようにほぐします。うちわであおぎ、冷ましていきます。

8. のりを準備する

のりは横半分に切る。巻きすにのせる。

筋と並行に包丁で一気に切ります

板のりには筋があります。大きく入った筋と並行に包丁を入れ、半分に切ります。キッチンばさみではなく、のりを重ねて包丁で切ったほうがくずれずきれいに切れます。巻きすの平らな面と海苔の光沢がある面が接するように置きます。

9. すし飯と具をのせる

のりにすし飯をのせて、のりの奥1~2㎝、手前0.5cmを残し、全体に広げる。具がのる中央をへこませる。マグロ、または、かんぴょうをのせる。

指先に酢水をつけると米粒がつきません

「水:酢=1:1」の酢水を用意し、指先につけるとすし飯の粒がつかず作業しやすいです。すし飯がのっていないのりの奥にも、糊の役割となる酢水を薄くぬっておきます。わさびを入れたいときは、具をのせる前にへこみに薄くぬります。

10. 巻く

具を押さえながらまきすの手前をつかんで巻き、形をととのえる。

具が真ん中にくるように押さえながら巻きます

具を指先で押さえながら、親指で巻きすを立ち上げて引き寄せ、すし飯をまとめるように一気に巻きます。手前と奥の空けておいたのりの部分を合わせるイメージです。巻き終えたら、酢水を薄くぬった部分を押さえて細巻きを閉じます。巻きすの上から形をととのえたら完成です。

11. 切る

濡らしてかたく絞ったふきんで包丁を濡らす。6等分に切る。

包丁を湿らせるときれいに切れます

包丁の表面を濡れぶきんで湿らせるとすし飯がくっつきません。はじめに2等分に切り、並べてから3等分に切ります。

(1人分熱量494kcal/塩分3.2g/調理時間約20分)※調理時間にかんぴょう、まぐろの漬け込み時間、米の浸水時間は含まれません。栄養計算値は塩もみ用の塩を10%、まぐろのしょうゆ、かんぴょうの煮汁を30%吸収した場合の値です。

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ヘルシーポイント

かんぴょうやまぐろに味がついているので、適度なしょうゆでも食べられます。具に細切りにしたきゅうりやごまなどを加えてもヘルシーです。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2024年●月●日