野菜の天ぷら

ころもは冷たく、混ぜすぎず。
つけたらすぐ揚げます

天ぷらをおいしく揚げるにはころもがなにより大切。とくに野菜の天ぷらは薄ごろもが理想です。大事なのは小麦粉のタンパク質であるグルテンの粘りが出ないようにすること。「ころもは冷たく・混ぜすぎず・つけたらすぐ揚げる」に気をつけると、からりと軽やかな薄ごろもの天ぷらが揚がります。

天ぷらのころもに冷水や氷水を使う理由は、グルテンによる粘りがですぎないようにするため。あらかじめ小麦粉をふるい、粒を均一にして混ざりやすくしておくことも大切で、混ぜる回数を減らすことで粘りを防げます。また、卵も少なめにします。卵の味わいが強いと野菜の風味を感じにくくもなるので、控えめがちょうどいいくらいです。粘りのないサラサラのころもができれば大成功。ころもにくぐらせる前に、野菜に小麦粉を薄くはたけば接着剤になり、ゆるいころもでも絡みます。ころもをつけたら、野菜から水分が出てくる前に、すぐに揚げましょう。

揚げ油は多めにすることで、揚げている間の温度低下を防ぎます。少量ずつ揚げていきますが、揚げ鍋であれば深さ3cm、フライパンを使う場合も深さ2cm以上の油量がほしいところです。

  • ●ころもは冷たく、混ぜすぎず
  • ●ころもをつけたらすぐ揚げる
  • ●揚げ油は多め

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2~3人分

  • なす…1本(80g)
  • さつまいも…1/2本(100g)
  • れんこん…100g
  • まいたけ…50g
  • 小麦粉…1カップ
  • 冷水…1カップ
  • 溶き卵…1/2個(25g)
  • 揚げ油…適宜
  • 〈A〉
    • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ3
    • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ3
    • 水…1カップ
    • 削り節…5g

つくり方

1. 天つゆをつくる

小鍋に〈A〉を入れて中火にかけ、約1分煮立てる。濾す。

少量の天つゆを手軽につくる方法

だしをとる工程と、調味料を煮合わせる工程を分けずに削り節も一緒に煮ることで一気にうまみを引き出す方法です。みりんのアルコール分を飛ばしたいですが、少量だと煮立てる間にすぐに煮つまってしまうため、はじめから水を加えておきます

2. 野菜を切る

なすはへたをとって縦四つ割にし、切り目を入れ、少しずらして5分水にさらす。さつまいもは厚さ1cmの斜め切り、れんこんは皮をむいて厚さ1cmの輪切りに切る。まいたけは小房に分ける。

なすの切れ目はただの飾りではありません

なすはヘタを切り落としたあと、ガクのまわりをぐるりと切っておきます。なすは火が通りにくいため、下から2/3ほどに幅2〜3mmの切れ目を入れていきます。水にさらすことでアクがぬけ、切れ目から水を吸ってハリも出て、揚げるときにきれいに広がります。さつまいもは斜めに切れば角度を変えることで、大きさをそろえられます。皮の紫も見えやすくなり、盛り付けが華やかになります。まいたけの足元が硬いときは切り落とします。

3. ころもをつくる

ボウルに小麦粉をふるい入れる。溶いた卵に氷水を少しずつ加えながら、よく混ぜる。小麦粉のボウルに卵水を一気に加える。太めの箸でざっと混ぜる。

決して混ぜすぎずダマが多めで問題なし

小麦粉をふるって均一にしておくこと、大きなボウルを使うこともポイントです。粉と卵水は決して混ぜすぎず、ダマが多めに残っているくらいで問題ありません。夏場であれば氷水の代わりに氷をそのまま入れても構いません。太い箸がないときは菜箸を上下逆にして使うと良いでしょう。

4. 揚げ油を熱する

揚げ油を170℃に熱する。

ころもが一度沈んで浮かんできたら適温です

天ぷらの油は多めに用意します。ころもを落として一度下に沈んですぐに浮き上がってくるくらいが170℃前後の証です。沈まずに油の表面に広がってしまったら高温すぎるので火加減を調整します。

5. さつまいも、れんこんを揚げる

さつまいも、れんこんは水けをふいて小麦粉をうすくはたき、余分な粉を落とす。ころもにくぐらせ、余分なころもを落として静かに油に入れ、5〜6分揚げる。

粉ところもをまとわせたらすぐに揚げます

揚げ時間のかかるさつまいもとれんこんから揚げていきます。もたもたしていると野菜から水分が出てころもがベタベタになってしまうので、小麦粉ところもをつけたらすぐに油の中へ入れたいために、2〜3切ずつ作業します。ころもが分厚くならないように気をつけます。菜箸の跡を表面に残したくないので手で野菜を持って入れるのが理想ですが、くれぐれもやけどに注意してください。野菜を入れると油の温度が下がるため少し火を強めます。170℃を保つことが天ぷらをおいしく揚げる秘訣です。揚げ終わりを確認したいときは竹串でさつまいもを刺します。スッと入れば火が通っています。

6. なす、まいたけを揚げる

なすとまいたけは水けをふく。小麦粉をうすくはたき、余分な粉を落とす。ころもにくぐらせ、余分なころもを落として静かに油に入れ、3〜4分揚げる。

散ったころもは焦げる前にすくっておきます

なすの切れ目の間にも小麦粉をはたきます。まいたけはころもが絡みやすいので、小麦粉は軽めでも構いません。なすは切れ目を広げながら油の中へ入れましょう。ころものかけらは、放っておくと油に焦げたにおいがついたり、野菜に黒い点々としてついたりするので、こまめに拾いあげます

7. 油をきる

油からあげたら、バットに立てかける。

熱々のうちに立てかけましょう

熱いうちに立てかけておくだけで、油がしっかりきれます。油を良くきるのも食感を軽やかにする大切なひと手間です。

(1人分熱量433kcal/塩分1.7g/調理時間約30分)※栄養計算値は3人分とした場合の値です。栄養計算値は天つゆを65%摂取した場合の値です。

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ヘルシーポイント

油をしっかりきることでさっぱりヘルシーにいただけます。栄養バランスを考え、にんじんやピーマンなど野菜の種類を増やすのもおすすめです。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2024年3月12日