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えのきは冷凍でうまみアップ&
栄養もとりやすく!
保存方法や切り方・選び方

えのきは冷凍でうまみアップ&栄養もとりやすく!保存方法や切り方・選び方

鍋物や炒め物、スープにと一年中活躍するえのき(えのきたけ)。冷凍することでうまみ成分が出やすくなり、手軽なうえに凍ったまま調理に使えるので毎日の料理の時短にもつながります。この記事では管理栄養士の牧野直子さんに、えのきのうまみを引き出す冷凍・冷蔵の保存方法をはじめ、「石づきはどこまで切ればいいの?」「買ってから日が経ったけれど、まだ食べられる?」といった疑問の答えとして、石づきをカットする位置や鮮度の見分け方、栄養、おすすめレシピまで、えのきをムダなくおいしく食べるためのポイントもまとめました。

えのきの冷凍保存方法と
保存期間の目安

えのきを冷凍するメリット

えのきを冷凍すると細胞が壊れ、うまみ成分が出やすくなります。えのきのうまみ成分のひとつ、グアニル酸は熱を加えることでさらに引き出されるので、冷凍したえのきを加熱調理することでよりおいしく感じられます。

冷凍保存の手順

えのきを冷凍保存する際の手順をご紹介します。えのきは洗わずに、使いやすい大きさにカットしてから冷凍しましょう。

【1】
洗わずに石づき(根元部分)を落としたえのきを、使いやすい大きさに切る、もしくはほぐす。写真のように、みじん切りにして凍らせても便利。
石づきを切る位置の目安はこちら

写真:みじん切り
Point

えのきは洗うと水っぽくなり、うまみ成分も流れ出てしまうため、洗わずに冷凍します。汚れが気になる場合は、湿らせたキッチンペーパーなどで軽く拭き取りましょう。丸ごとの状態で凍っていると使いにくいため、冷凍前に切るかほぐしておくのがおすすめ。

【2】
冷凍用のジッパーつき保存袋に入れ、平らにならす。空気を抜いてから口を閉じて冷凍庫に入れる。

写真:保存袋に入れ空気を抜いて冷蔵庫に入れる
Point

薄い板状にして冷凍すると、調理する際に必要な量だけ割りながら取り出せるので便利。冷凍する際に金属トレイにのせると、すばやく凍らせることができます。

写真:小分けして保存袋に入れる

ほぐしたものを冷凍する場合は、調理するときに使いやすいよう、小分けして保存袋に入れるのがおすすめです。写真は約100g分。

冷凍えのきの使い方・解凍のコツ

冷凍したえのきは解凍せず、そのまま加熱調理を行います。スープなどの汁物に使えば、溶け出したうまみ成分や栄養素ごと食べられるのでおすすめ。なお、再冷凍すると食感が損なわれるうえ、うまみ成分も流出するので、出した分は使い切るようにしましょう。

冷凍したえのきの保存期間の目安

家庭の冷凍庫では開け閉めを繰り返すことで乾燥や冷凍焼け、におい移りなどが起こってくるため、えのきを冷凍した場合は、1カ月以内を目処に食べ切るようにしてください。

番外編:干してから冷凍すると、さらにおいしく!

干したえのきはうまみ成分が凝縮されており、これを冷凍するといっそううまみが出やすくなるうえ、シャキシャキ食感もアップします。干すときはざるや食材用の干しネットなどに入れ、風通しのよい場所に置いておきましょう。夏の晴れた日なら半日ほどである程度の水分が抜けるので、後は冷凍用のジッパーつき保存袋に入れて冷凍するだけ。そのまま約2カ月保存できます。

えのきの常温・冷蔵保存と
保存期間の目安

えのきは常温保存せず、冷蔵保存しましょう。保存の手順と、保存期間の目安を解説します。

冷蔵での保存方法

すぐに使わない場合や、少し残ったえのきを保存するなら、以下の手順で冷蔵保存を。

【1】
洗わずに石づきが付いたままのえのきを、キッチンペーパーで包む。

写真:キッチンペーパーで包む

【2】
ポリ袋に入れ、口を軽く閉じる。

写真:ポリ袋に入れる

【3】
コップなどに入れ、立てた状態で野菜室に入れる。

写真:立てた状態で野菜室に入れる
Point

冷蔵室よりも温度が少し高い野菜室のほうが、えのきの冷蔵保存には適しています。石づきを切り落とすと冷蔵保存中に水分が抜けやすくなるため、付けたままの状態で保存します。キッチンペーパーで包むのは湿気で蒸れるのを抑えるため。また、ポリ袋に入れることで、乾燥を抑えられます。
野菜は育っているときの状態で保存するほうが日持ちするため、えのきも立てて保存するのがおすすめ。

えのきの冷蔵保存期間の目安

使いかけのえのきは上記の手順で野菜室に入れると、約3日保存することができます。未開封で、袋に入った状態のえのきは約4~5日が保存の目安です。

常温での保存方法

えのきは涼しい環境を好みます。常温保存は適さないため、野菜室で保存するようにしましょう。

食物繊維だけじゃない!
えのきに含まれる主な栄養素

えのきは低カロリーでありながら、食物繊維をはじめとするさまざまな栄養素を含みます。主な栄養素や、栄養を効率よく摂取する「えのき氷」の特長とつくり方を紹介します。

えのきに含まれる主な栄養素と働き

えのきは食物繊維が多く、そのなかにはコレステロール値を下げる働きがあると言われるβ-グルカンも摂ることができます。また、ナトリウムの排出を促すカリウム、糖質からエネルギーをつくり出すビタミンB1、脂質の代謝に大きく関わるビタミンB2に加え、ビタミンDや鉄、ナイアシン(ビタミンB3)が含まれます。

特にビタミンB1は、きのこ類および野菜類のなかでも突出して多いのが特長。他にも、アミノ酸の一種で、高めの血圧を下げるように働きかけたり、リラックス効果を促すように作用したりするGABA(ギャバ)が摂れるのもポイント。100gあたりのエネルギーが34kcalと低カロリーなので、料理のかさ増しにも適しています。

画像:えのき可食部100gに含まれる栄養素

えのき氷とは?つくり方と使い方

以前、話題にもなった「えのき氷」。えのきをペースト状にして煮詰め、製氷器で凍らせたもので、栄養素が凝縮されているため、食物繊維に加え、ビタミンB1、B2なども効率よく摂ることができます。しっかりと煮詰めることで水分が減り、えのきのうまみが濃くなっているので、だし代わりに使うのもおすすめ。

材料の目安(300mlの製氷器1個分)
えのき 200g
水 1と1/2カップ

【1】
石づきを取って約3cmに切ったえのき、水をミキサーに入れ、30~40秒かけてペースト状にする。

写真:えのき、水をミキサーに入れる
Point

ペースト状の中身を取り出した後のミキサーをすすぐ用として、水は少し残しておくのがおすすめ。すすいだ水を中身と合わせれば、ムダが減らせます。

【2】
ミキサーの中身を鍋に移してごく弱火にかけ、へらなどで底から全体をときどき混ぜながら煮詰める。

写真:弱火にかけ、煮詰める

【3】
へらですくったとき、へらにえのきのペーストがくっつき、さらに鍋底が見えるくらいまで煮詰めたら、火を止めて粗熱をとる。

写真:火を止める目安

【4】
スプーンなどを使って製氷器へ移し、冷凍庫に入れて凍らせる。

写真:製氷器へ移す

【5】
冷凍したものは約1カ月で使い切る。

写真:冷凍したもの
Point

えのき氷は凍ったまま、汁物や煮物、トマトソース、肉そぼろなどに使えます。脂質やコレステロールの摂取を抑えたいときや、食物繊維を摂りたいときなどにもおすすめ。ただし、使用量が多すぎると食物繊維の摂りすぎにつながりやすいため、1日3個程度にとどめましょう。また、お腹がゆるくなりやすい人は様子を見ながら、少しずつ取り入れてください。

写真:保存袋に入れる

製氷器から取り出し、冷凍用のジッパーつき保存袋に入れると使いやすくなります。

石づきはどこで切るのが正解?

えのきの石づきを切り落とすときは、菌床に使われたおがくずがついている茶色の部分から約1cmを目安に包丁を入れます。軸が密集している根元の部分は食べられるので、そこまでカットしないようにしましょう。

写真:切り落とす箇所

石づきは根元から約1cmのところで切り落とします。残りはすべて食べられる部分です。

写真:食べられる部分

点線の間、くびれている部分は栽培時にびんのなかに収まっていた部分。

くびれている部分は、ふつうに調理するのはもちろん、そのままの形を生かしてソテーにすれば食べごたえのある一品に。衣をつけて揚げ焼きの天ぷらにしたり、溶き卵と粉チーズをからめてピカタ風にしたりするのもおすすめです。

キッコーマンのイチオシは、『えのきの軸のしぼ生ステーキ』。石づきを切り落とした軸を約4cmの厚さに切り、薄力粉をつけて焼くレシピです。カリッとした表面にしょうゆとバターの風味がからみあい、しっかりした食感と相まって肉料理のような味わいに!

写真:えのきの軸のしぼ生ステーキ

これまで切り落としていた人も、きっと「目からウロコ!」な『えのきの軸のしぼ生ステーキ』。軸がギュッと詰まっているので、高齢者の方やお子さんなど、かむ力が弱い方が食べる場合は小さめにカットして。

えのきは洗う?下処理の基本

栄養素やうまみを逃さないよう、保存前や調理前でもえのきは洗わず調理します。汚れが気になる場合は、湿らせたキッチンペーパーで軽く拭きましょう。
写真:キッチンペーパーでおがくずを取る

キッチンペーパーで拭き取れば、石づき付近に残ったおがくずも取り除けます。

料理に合わせた切り方・ほぐし方

えのきはかさの部分から切ると途中でバラバラにならないため、最後まで切りやすくなります。軸の固まっている部分は、手で裂くようにしてほぐしましょう。ひき肉などと炒めたり、ご飯やハンバーグなどに混ぜ込んでかさ増ししたりする場合はみじん切りに。みそ汁などの汁物なら、食べやすいように約3cmの長さに切りましょう。肉巻きのようなメニューは、石づきを落とした後にほぐすだけにして束感を残すと調理しやすくなります。
写真:かさのほうから切れる

かさのほうから切れば、細かくカットするときも大きさを揃えやすくなります。

写真:手でほぐす

軸の固まっている部分は、手で簡単にほぐせます。どのくらいほぐすかは、料理やお好みに合わせて。

写真:フォークでほぐす

フォークでとかすようにしてほぐすことで、1本ずつバラバラにできます。

新鮮なえのきの選び方・
傷んでいないか
見分けるポイント

新鮮なえのきの選び方

軸にハリがあり、密集していて白いのが新鮮なえのき。時間が経つと軸が開き、石づきがボロボロになるほか、全体に黄ばみを帯びてきます。

写真:(左)購入して3日経ったえのき(右)新鮮なえのき

向かって左側が購入して3日経ったえのき、右側は新鮮なえのき。軸の開き具合や石づきの状態が明らかに違います。

傷んでいるえのきのサイン

白いえのきが黄色くなっていたら、傷んでいる可能性が高くなります。また、全体的に茶色になっていたり、アンモニア臭や腐敗臭、ぬめりが出ていたりするものは確実に傷んでいるので、食べないようにしてください。

えのきの冷凍や保存に関するよくある質問

Q.冷凍したえのきが「おいしくない」と感じるのはなぜ?

A. 冷凍庫を長時間開けたままにしていた、再冷凍したえのきを食べた、といった原因が考えられます。傷んでいるえのきを冷凍した可能性もあるので、違和感がある場合は口にするのをやめましょう。

Q.冷凍えのきは自然解凍してもいい?

A. 自然解凍をすると水分が出て、うまみも流れてしまいます。凍ったまま調理することを基本とし、どうしても解凍したい場合は短時間で済む電子レンジ解凍にしましょう。

Q.冷凍えのきは、栄養価が増すの?

A. 冷凍することで、えのき自体に含まれるビタミンなどの栄養素が増えるわけではありません。冷凍のメリットは、細胞膜が壊れることでうまみ成分が引き出されやすくなる点にあります。えのきの栄養をムダなく摂るためには調理の工夫がポイント。えのきに豊富なビタミンB群やカリウムは水に溶け出しやすい性質があるため、スープやみそ汁、鍋物、煮物など、汁ごと食べられる料理にするのがおすすめです。

Q.えのきの賞味期限はどれくらい?買ってから日が経ったものは、いつまで食べられる?

A. 未開封のものを冷蔵した場合は4~5日、使い切れなかった分の冷蔵なら約3日が保存期間の目安。冷凍保存の場合は約1カ月となります。なお、白いえのきが変色していたり、異臭やぬめりがあったりする場合は食べないようにしてください。

Q.えのきは生で食べられる?

A. 食中毒のおそれもあるため、多くのきのこと同様、原則として生で食べることは推奨しません。必ず火を通して食べましょう。

Q.茶色いえのきと白いえのき、含まれる栄養素に違いはある?

A. よく見かける白いえのき(写真右)は、日光を当てずに育てられたもの。茶色のものは野生に近い品種で、栄養素の違いは発表されていません。なお、茶色のえのきはよりシャキシャキした食感が特徴です。

写真:えのきの種類

えのきのおいしい食べ方・
おすすめレシピ3選

キッコーマンの数あるレシピの中から、おすすめのえのきレシピをご紹介します。

カリッと!シャキッと!ふたつの食感が心地いい
『クセになるおいしさ!えのきのカリカリ焼き』

写真:えのきのカリカリ焼き

カリッとした食感に仕上げるには、片栗粉を薄くまぶすのがコツ。

えのきをカリッと焼き上げた、スナック感覚でも楽しめる一品。焼くときにフライ返しなどでときどき押さえると、カリッと香ばしく仕上がります。

えのきのうまみと栄養を丸ごと飲み干して!
『卵とえのきの中華風スープ』

写真:卵とえのきの中華風スープ

ごま油がふわりと香るスープは、卵のふわふわ食感も楽しめます。

えのきに含まれる水溶性のカリウムやビタミンB1、ビタミンB2を、スープと一緒に効率よく摂ることができます。ラー油をちょい足しすれば、大人の味わいに。

むね肉のしっとりした仕上がりにも注目!
『鶏むね肉とえのきの旨だれ炒め』

写真:鶏むね肉とえのきの旨だれ炒め

えのきのシャキシャキ感とにんにくの風味で、ご飯がどんどん進みます。

たんぱく質も食物繊維も摂れて、大満足のメイン料理。動物性と植物性のふたつの食材の相乗効果で、うまみ成分もグンとアップしますよ。

使いどころいろいろの
えのきは、
冷凍保存しておくのが
おすすめ!

「低カロリーのえのきは、糖質オフにも役立つ食材」と語るのは、お話をうかがった牧野直子さん。聞けば、パスタや焼きそばのかさ増しに使うなら、うまみが多い分、しらたきよりもえのきのほうがおすすめだそうです。そう聞いて常備したいと思った方は、今回、牧野さんが教えてくれた方法で冷凍保存をしてみては?

ちなみに、牧野さんがよくつくるのは、電子レンジで簡単にできる『塩えのき』。えのきのうまみ、甘みがしっかりと引き出されており、そのまま食べてもよし、卵焼きや焼きそばなどに入れたりしてもよしの一品です。つくり方は簡単で、えのき200gに対して2gの塩をまぶし、電子レンジ600Wで3分ほど加熱するだけ。このほか、牧野さんが教えてくれた『えのきでかさ増しカルボナーラ【糖質控えめ】』もおすすめのレシピなので、皆さんもぜひお試しを!

ホームクッキング編集担当より

わが家には6歳と3歳の子供がおります。二人ともえのきがどうしてもかみ切れない!なのでまいたけを使うことが多かったのですが…… 今回教えてもらったえのき氷なら食べられるかもと思い、さっそくみそ汁に入れてみたところ、いつもの汁物にとろっと感とうまみがプラスされ、満場一致でおいしい!となりました。えのきならではの栄養素も摂れて、お財布にもやさしいので、これからは食卓の仲間入りができそうです♪(編集担当・市川)

写真:牧野直子さん

教えてくれた人 牧野直子さん

管理栄養士、料理研究家。「スタジオ食(くう)」主宰。日本栄養大学(旧女子栄養大学)在学中より、栄養指導や食育活動に携わり、保健センターや小児科での栄養相談、食生活についてのアドバイスにも定評がある。つくりやすく、おいしくて元気になる料理が好評。雑誌、新聞、テレビ、料理教室や健康セミナーなどで幅広く活躍中。

撮影/金田邦男
公開:2026年10月20日

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