大好評！
おいしくなる理由に納得！
小田真規子さんの
「基本の和ごはん」
レシピレッスンvol.2
いつもの料理を「普通においしい」から「これ、おいしい！」に変身させてみませんか？ 思わず箸が止まるおいしさには、理由があるんです。そんな理由をていねいに紹介しているWEBコンテンツ「基本の和食 おうちの和ごはん」から、人気メニューをピックアップして、料理研究家・小田真規子さんと一緒に調理するイベントを開催しました。レシピ本『キッコーマン特選 基本の和ごはん』にも掲載されている3品の、おいしくなる理由をお届けします！
理由がわかると、
もっとおいしくなります！
WEBコンテンツ「基本の和食 おうちの和ごはん」のレシピ監修者である小田真規子さん。定番の家庭料理がおいしくなる調理のコツと、その理由を教えてもらいました。
「ひとつひとつの調理工程の意味がわかると、料理がおいしく、楽しくなります」と小田さん。
「筑前煮」を
フライパンでつくるのは、
どうして？
おせち料理の一品としても定着した筑前煮。おいしくなるコツを覚えておきたい一品です。ポイントは、料理前に鶏肉の余分な脂を取り除くこと。そして、野菜を1種類ずつ加えてそのつど香ばしく炒めること。そのためにフライパンが最適なんです！
「鶏肉の皮の下や筋の周りについている黄色っぽい脂は、くさみの元になる余分な脂です。もも肉1枚で20〜30gはあります。これをていねいに取り除くだけで、筑前煮の味が変わります。やるとやらないとでは大違いです」
「はじめに鶏肉だけをフライパンで焼き、半分くらい火を通して、取り出します。そのまま調理を進めると、料理が仕上がる頃には肉が固くなってしまいます」
「肉を取り出したフライパンで、まず、ごぼうだけを炒めます。ごぼうの香ばしさがじつは筑前煮のおいしさの要です」
「具材は1種類ずつ加えます。ひと混ぜしては油をまとわせるイメージです。そして、しばし動かさずに焼くのもポイント。香りと旨みをじっくり引き出します」
「最後に、鶏肉を野菜の上にのせるようにしてフライパンへ戻し、煮ます。火を止めた後に、蒸らしながら冷ますのもコツ。冷めることで味がしみ込んでいきます」
筑前煮のレシピを「おうちの和ごはん」でチェック
「親子丼」の鶏肉に
小麦粉をまぶすのは、なぜ？
みんなが大好きな「親子丼」。トロトロふわふわの卵、やわらかな鶏肉、甘辛のつゆだく。まるでお店のようなおいしい親子丼を、出汁を使わず簡単につくるコツは、小麦粉と玉ねぎにあり！
「鶏肉に小麦粉をまぶすことで、火通りがやわらかくなり、肉が固くなりません。さらにこの小麦粉が汁にとろみをつけてくれます。今回のレシピでは、鶏肉を入れる前に調味料と玉ねぎを少し煮つめておくのもポイント。玉ねぎからとろみとうまみが出て、出汁を使わなくてもおいしく仕上がります」
「溶き卵は2回に分けて回し入れます。2回目の卵を注いだら、お好みの半熟具合で火を止めて出来上がりです」
親子丼のレシピを「おうちの和ごはん」でチェック
「あさりの酒蒸し」が
スピード勝負なのは、
なんで？
じつは簡単においしくつくれる「あさりの酒蒸し」。おいしさのカギは、貝のふっくらとしたやわらかさです。たっぷりのお酒で煮て、貝の口が開いたら次々に取り出し、火を通しすぎないことが肝心！ あさりの砂が残らないためのコツも教えてもらいました。
「砂抜きで使う塩水は海水の濃度（約3.5%）では濃すぎます。2%程度の塩水（小さじ1の塩を1.5カップの水で溶かした塩水）に浸し、暗くして30分ほどおきます」
「そして、砂抜きした後に、あさりをこすり合わせてよく洗ってください。洗うとこんなに水が濁ります（写真）。殻の溝に砂や塩などが案外残っているんです。2〜3回は水を換えて（または流水で）しっかりこすり洗いします」
「最大のポイントはここ。あさりを煮始めたらフライパンの前からは離れません。パカッパカッと貝の口が開き始めたら大急ぎで取り出していきます。スピード勝負です！」
あさりの酒蒸しのレシピを「おうちの和ごはん」でチェック
「基本の和食、おうちの和ごはん」では、これら3品のほかにも、小田さん監修のもと100以上のレシピを掲載。おいしくなる理由や調理工程などを、ていねいに紹介しています。ぜひチェックしてみてください！
小田さんが隣で手ほどき！
一緒に調理しました
応募総数400人超となった大人気イベント。前半は小田さんが料理解説＆デモンストレーション、後半は調理実習です。今回は「親子丼」を1人1品、「あさりの酒蒸し」を2人1組でつくりました。
「新しい料理もいいですが、いつもの料理を見直すのもいいものです」と小田さん。野菜の切り方、食材を加える順番など、料理の細部に宿るコツを伝授してくれました。
鶏肉のどこが余分な脂で、どのくらい取り除けばいいのかも一緒に確認。
親子丼は1人で下ごしらえから仕上げまでやるので、しっかりコツが身につきます。
あさりが一気に煮立って大慌てになる一幕も。小田さんの「スピード勝負」という言葉にも納得です。
小田さんがつくった筑前煮も加わり、3品が勢ぞろい。ふっくらやわらかいあさりの酒蒸し、とろとろつゆだく親子丼を味わいます。
試食の時間にはみなさんにもマイクを向け、みんなでトークタイムを楽しみました。
〜みなさんのコメント〜
「いつもは雑に流してやってしまう調理の工程ひとつひとつに意味があることがわかって、とても勉強になりました」「卵1個でこんなにもふんわりした親子丼がつくれて、うれしかったです」
「筑前煮はお正月にいつも実家でつくるので、次はフライパンでつくってみます」
「自分でいつもつくるメニューばかりでしたが、親子丼に小麦粉を使ったこともなかったし、食材でこんなに味が変わることも知らなかったです」
イベントにご参加いただいたみなさま、そして、ご応募いただいたみなさまも、ありがとうござました。ぜひ、また一緒に「おいしい記憶」をつくりましょう！
教えてくれた人 小田真規子さん
料理家・フードディレクター・栄養士。スタジオナッツを主宰し、徹底的な研究と試作による検証で、誰でもおいしくつくれる料理レシピを数多く生み出す。雑誌、テレビ、新聞などのメディアで活躍するかたわら、その信頼感から企業のメニュー開発などのアドバイスを依頼されることも多数。近著に『「健康 安全 手間なし 60代こそ レンチンごはん」』（扶桑社）、『昼12時のお弁当研究所』（ポプラ社）、などがある。スタジオナッツ インスタグラムID studionutsnutsm パプリカマキコ ／ foodshot_kusudama 料理フォトくすだま
撮影／巣山サトル 文／峯田亜季
※商品情報は本記事公開時点のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2025年12月22日
ホームクッキング担当ライターより
WEBコンテンツ「基本の和食 おうちの和ごはん」では現在108品を掲載中。そこから悩みに悩んで厳選した60品が紹介されているのが、レシピ本『キッコーマン特選 基本の和ごはん』です！ 写真満載で“おいしくなる理由”もわかりやすいので、ぜひ一度手に取ってみてください。
各電子書店でも購入できます