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かぶの皮のむき方、
葉の食べ方から保存方法、
おすすめレシピも紹介!

かぶの皮のむき方、葉の食べ方から保存方法、おすすめレシピも紹介!

寒くなると多く出回ってくるかぶは、代表的な冬野菜のひとつ。春の七草には「すずな」の呼び名で加わっているだけあって、日本では昔から親しまれてきました。今回は、そんなかぶにスポットを当て、保存方法だけでなく皮のむき方や葉の扱い方をおさらい。扱い方をマスターして最後のおすすめレシピもチェックすれば、かぶの活躍シーンがさらに増やせますよ。

かぶの皮はむく?
皮むきのコツ

かぶの皮は、むくか、むかないかで迷う方もいるかもしれませんが、しっかり洗えばむかなくても食べられます。ただし、大きく育ったかぶは皮が固く、繊維質が多くて食感を損なうことも多いので、気になる場合はむくようにしましょう。

写真:かぶの皮むき
Point

江口さん「かぶは皮の下に繊維があるため、皮が固い場合は少し厚めにむきます。目安は2mm弱。でも、よほど大きなものでなければ影響は少ないですし、薄切りにするレシピならそれほど気にならないと思います。今回使った直径4~5cmくらいのものなら、よほど固く感じない限り、厚くむく必要はないでしょう。

皮をむくと口当たりがよくなり、加熱することで透き通り見た目もきれいなので、まるごとの状態で調理するときなどはむくことが多いですね。また、皮がない方が味しみも良くなりますが、かぶ自体がやわらかいので、皮付きでも味がしみるまでの時間はそれほどかかりません。むいた皮は細切りにして浅漬けにしたり、みそ汁に入れたりすると無駄にならなくておすすめ。ちなみに、かぶの皮は甘みがあっておいしいので、私はいつもむかずにいただいています。ぜひ一度食べてみてください」

なお、かぶの葉や茎は色どりのために茎を少し残したまま料理することもあります。その状態で皮をむくときは、ちょっとしたコツを知っておくと上手にできるのだとか。

●葉(茎の部分)を少し残してむく場合

写真:茎を付け根から切り落とす
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茎を付け根から3cmほど残して切り落とす。ひげ根がある場合は、そちらも切り落とす。
写真:茎部分をふり洗いする
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ボウルにためた水で、茎部分を下にしてふり洗いする。
写真:すき間の汚れを竹串でかき出す
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茎が重なっている部分を広げ、すき間に汚れが残っている場合は竹串でかき出して全体をすすぐ。
写真:皮をむく
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根のおしり部分から茎に向かい、縦方向に皮をむく。
写真:茎の際まで皮がむく
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茎の根元で包丁の刃を止め、そのまま持ち上げるようにすると、茎の際まできれいに皮がむける。
写真:皮むきが終わった状態
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茎の付け根まで、きれいにむけた状態。
Point

江口さん「茎を残す理由は、茎のグリーンが入るだけで彩りがぐっと良くなるから。特にサラダや色の薄い煮物にするときは、残すのがおすすめです。茎がしっかり重なっているため、入り込んだ汚れは流水で洗ってもあまり落ちません。ボウルにためた水をしっかり含ませて、竹串でかき出すようにして落としましょう。まるごとの状態で皮がむきにくい場合は、4等分などに切ってからむくのがおすすめです」

写真:切ってから皮をむく

切ってから皮をむく場合も、包丁は下から上へ。茎の際部分も、まるごとの場合と同様にむきましょう。

●葉を切り落としてむく場合

写真:葉とひげ根を切り落とす
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かぶを洗い、葉(茎の付け根)とひげ根(残っている場合)を切り落とす。
写真:横に回しながら皮をむく
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りんごの皮をむくように、かぶを横に回しながら皮をむく。
写真:皮がむけた状態
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皮がすべてむけた状態。
Point

江口さん「決まりというわけではありませんが、球状のものはりんごのむき方と同じようにむいた方が、手は動かしやすいと思います。基本的にかぶはやわらかいので、包丁を使う練習にもなりますね。もちろん、包丁に慣れていなくて不安なら、ピーラーを使っても良いでしょう」

葉はどうする?
冷凍もできる?
かぶの保存方法

かぶはきちんと保存すれば、ぐんと日持ちが良くなる野菜。冷蔵はもちろん、冷凍もできるので、入手した状態のままシワシワにさせないためにも、上手な保存方法を知っておきましょう。

●まるごと冷蔵保存

写真:ラップでぴったりと包む
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洗ってから葉とひげ根を切り落としたかぶを、ラップでぴったりと包む。
写真:ジッパー付き保存袋に入れ保存
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ジッパー付き保存袋に入れ空気を抜き、口を閉じて野菜室へ。保存期間の目安は10日〜2週間。
Point

江口さん「葉を付けたままだと水分が葉に吸われてしまうので、葉と根は分けて保存します。水分が出ていきやすい断面は、ラップでしっかり覆いましょう。2週間近く保存できるとはいえ、乾燥は少しずつ進むので、早めに使い切るのがおすすめです」

●かぶの葉の冷蔵保存

写真:キッチンペーパーでかぶの葉を包む
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キッチンペーパーを湿らせて、かぶの葉全体を包む。
写真:ジッパー付き保存袋に入れ保存
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ジッパー付き保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じたら野菜室へ。保存期間の目安は2〜3日。
Point

江口さん「葉物野菜は全般的に乾きやすいので、かぶの葉も湿らせたキッチンペーパーで包んで水分を補います。野菜室の中でかさばるようなら、半分にカットしてから保存しても大丈夫です」

●カットして冷凍保存

写真:かぶをくし形切りにする
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洗って葉を切り落としたかぶを、薄切りやくし形切りなど調理しやすい大きさに切る。写真はくし形切り。
写真:ジッパー付き保存袋に入れ、金属トレイに載せて冷凍庫へ
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ジッパー付き保存袋に重ならないように入れ、空気を抜いて口を閉じ、金属トレイに載せて冷凍庫へ。保存期間は約1か月。
Point

江口さん「冷凍すると細胞が壊れてやわらかくなるため、皮はむかなくても問題なし。やわらかいと言っても食感をそこなうほどではなく、味がしみる時間を数分程度ですが短縮できるというメリットもあります。調理時に解凍する必要がないので、手軽に使えるのもうれしいですね」

●味付けして冷凍保存

写真:切ったかぶに下味をつける
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かぶを洗って、葉とひげ根を切り落とす。5mm程度の薄切りにしたらジッパー付き保存袋に入れ、かぶ1個に対して小さじ1の割合で『キッコーマン 濃いだし本つゆ』を加える。
写真:保存袋に入れ味をなじませる
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空気を抜いて口を閉じ、保存袋越しに手でもんで味をなじませる。
写真:金属トレイに載せて冷蔵庫へ
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平らな状態にし、金属トレイに載せて冷凍庫へ。保存期間は約1か月。
Point

江口さん「味を付けてから冷凍したかぶは、自然解凍すればそのまま浅漬けとして食べられます。味がしっかり付いているので、もう1品欲しいときにも助かるはず」

●かぶの葉の冷凍保存

写真:かぶの葉を切る
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かぶの葉を洗い、調理しやすい大きさに切る。写真は3〜4cmのザク切り。
写真:硬い茎部分とやわらかい葉部分で分ける
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硬い茎部分とやわらかい葉部分に分け、それぞれをジッパー付き保存袋に入れる。
写真:金属トレイに載せて冷蔵庫へ
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袋の中の空気を抜いて口を閉じ、金属トレイに載せて冷凍庫へ。保存期間は約1か月。
Point

江口さん「硬さが違う葉と茎の部分は、火の通りやすさも変わるので、次に使いやすいように分けて保存しましょう。今回はザク切りにしていますが、刻んでおいても使い勝手がいいですね。解凍不要で手軽に使えるので、ストックしておくと助かりますよ」

ごはんとも好相性!
かぶの葉のおいしい食べ方

かぶの葉にはβカロテンやカルシウム、ビタミンCなどが豊富に含まれています。実は白い根の部分よりも栄養たっぷりなので、切り落としても残さずにいただきましょう。

Point

江口さん「大根の葉よりやわらかく、クセも少なくて食べやすいかぶの葉。刻んだものを塩もみして浅漬けをつくったり、炒めてしょうゆで味付けし、ごはんに混ぜたりするのもおすすめです。さらに、干しエビなどを加えると、彩りもさらに良くなりますよ」

葉より長持ちする
根の部分にも要注目、
かぶの選び方

新鮮なかぶは色が白く、皮にツヤとハリがあります。ひげ根の色が茶色くなっているものや、葉がぐったりとしていたり、黄色くなっていたりするものも収穫から時間が経っているので、選ばないようにしましょう。

Point

江口さん「かぶは意外とデリケート。ちょっとぶつけただけでも傷ができてしまうので、皮に傷やへこみがあるものも避けてください」

写真:かぶの選び方

左側は表面に傷があり、ひげ根の色も変わっています。選ぶときは、右側のようにツヤッとしてハリのあるかぶを選びましょう。

写真:かぶの葉の比較

上の葉に比べて下の葉は元気がなく、色も黄色くなり始めています。

生でも食べられる?
かぶに関するFAQ

おすすめの食べ方など、かぶをおいしくいただく方法をFAQ形式でご紹介!読めばすぐにかぶが食べたくなるはずなので、ぜひ今晩の食卓に加えてください。

Q. かぶは火を通さずに食べてもいい?

A. 江口さん「生の状態でも食べられるかぶ。特に旬のものは甘みがあるので、私も好んで食べています。薄切りやくし形切りのかぶをレタスの上に散らしてサラダにしたり、きゅうりと一緒にオリーブオイルで和えたりするのもおすすめ。梅肉和えにもピッタリです」

Q. かぶの繊維部分が硬くて気になるんですが……。

A. 江口さん「歯触りが良くない場合は、皮を厚めにむきましょう。切ったかぶの断面を見ると皮側は色が変わっていますが、その部分をすべて取り除く必要はなく、2mm弱の厚さで十分です」

Q. かぶを皮ごといただくおすすめの食べ方は?

A. 江口さん「皮付きのかぶに向いているのは生食。皮をむかずに火を通すと、中のトロッとした食感をじゃましがちなので、薄切りにしてサラダや浅漬けなどにするのがおすすめです」

調理次第で味わいいろいろ。
かぶを使った
おすすめレシピ3選

生の状態でフレッシュな味を楽しむも良し、しっかり火を通してトロリとした食感を楽しむも良し。やわらかくてアクが少ないかぶは、いろいろな調理法で味わうことができます。中でもおすすめの3品を、こちらでご紹介しましょう。

本来の甘さを活かしたやさしい味わい
かぶのそぼろあんかけ

写真:かぶのそぼろあんかけ

かぶの表面はつるんとした口当たり。茎部分のほろ苦さもアクセントになっています。

江口さん「茎を残したことで、白と緑のコントラストが楽しめる1品。この美しい出来映えを考えれば、竹串で汚れを落とした甲斐もあるというものです。かぶのやわらかさはお好みで。クタクタになるまで煮るのもおいしいですよ」

この手軽さ、名前の通り「無敵」です!
かぶとかぶの葉の無敵漬け

写真:かぶとかぶの葉の無敵漬け

しっとりしたかぶの合間に、少しだけピリッと感じる葉の辛味。さわやかな味わいの箸休めです。

江口さん「コツが語れないくらい簡単にできるのが、無敵漬けの美点。火を使わず、電子レンジでできる手軽さもうれしいですね。レシピに書かれた細切りの幅5mmは、漬かりやすく食べやすいベストな薄さなので、ぜひ守ってください」

人気の和風甘辛味煮込み
かぶと豚バラ肉のさっと煮

写真:かぶと豚バラ肉のさっと煮

しょうゆ×みりんのくどすぎない甘辛味に、豚バラ肉のコクをプラス。食べ応えのある煮物に仕上げました。

江口さん「とかく淡泊になりがちなかぶの煮物ですが、こちらは豚バラ肉のこっくりとした脂のおかけでボリューム十分。サッと煮て、鮮やかな緑を引き出した葉の色味ももきれいで、食欲がさらにかき立てられますね」

きちんと保存すればしっかり使い切れます

江口さん「クセがない味わいのかぶですが、身近に感じられないという声は意外と聞こえてくるもの。その理由のひとつは、葉があまり日持ちせず、処理をどうするかで迷ってしまうからなのかもしれません。でも、今回、ご紹介した冷凍保存ならおいしく長持ちさせられるので、今までよりも手を出しやすくなるのでは?和食にも洋食にも合う便利な食材なので、きちんと保存して上手に使い切りたいですね。個人的には、生で食べたことのない方はぜひ試して欲しいと思います。本当においしいですよ!」

ホームクッキング編集担当より

メジャーなのに、案外ご家庭ではみそ汁や漬物で使うことがほとんどという方も多かったのではないでしょうか。かぶは食べ応えもあり、主菜に使ってもとてもおいしい野菜です。今回紹介したメニュー以外にもホームクッキングにたくさんレシピを公開しているので、ぜひご活用ください!「だし香る かぶとハムのサラダ」こちら個人的におすすめです。(編集長・杉森)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男
公開:2024年1月16日

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