さつまいもの保存方法!
常温・冷蔵・冷凍別の
保存期間、
カット後も長持ちさせる
コツも紹介

秋の味覚の代表格、さつまいもは食物繊維が豊富で、カリウムやポリフェノールといった栄養素も含む野菜。収穫を「いも掘り体験」として行う幼稚園・保育園も多く、一度に大量に手に入れる機会もありますね。そんなときのためにも知っておきたいのが、さつまいもを上手に保存する方法。常温・冷蔵・冷凍という3つの方法とコツを料理家の江口恵子さんに教えてもらいました。
さつまいもを
常温保存する方法
常温保存の手順

- 収穫したばかりで土がついているときは、新聞紙に広げて屋外で乾燥させる。直射日光が当たらない日陰などがおすすめです。

- 1本ずつ新聞紙で包む。
- 風通しがよく涼しい冷暗所で保管する。

江口さん「常温で保存するときのポイントは、水分と乾燥に気を付けること。特に土つきの場合は水分があると雑菌が繁殖するので、しっかり乾かすようにしましょう。新聞紙で包むのは、適度な通気性があって乾燥しにくいからです。ここからさらにポリ袋に入れると蒸れてしまうので、新聞紙に包んだらそのまま保管してください。
さつまいもがたくさんある場合は、1本ずつ新聞紙で包んで段ボールや発泡スチロールなどの箱に入れておくと良いです。箱の通気性を高めるため、空気穴をあけておくことがおすすめ。
夏場など暑い時期に常温で保存するときは、傷んだり芽が出たりする可能性があるので、常温ではなく、新聞紙に包んでから冷蔵庫の野菜室で保管をするのがおすすめです。野菜室にスペースがないときは、風が当たりにくいドアポケットに入れておいても」
切ったさつまいもの残りはラップで包んで

さつまいもを
冷蔵保存する方法
冷蔵保存の手順

- さつまいもを洗い、料理に合わせた切り方でカットする。写真は乱切り。

- ボウルに張った水に、2~3分さらす。

- さつまいもを保存容器に入れ、完全に浸る量の水を張ったら、ふたをするかラップをかけて冷蔵庫へ。保存中は1日1回、水を替えて。

江口さん「切った状態での冷蔵保存は、次に使うときのひと手間が減らせます。水にひたして保存すると味や栄養素が多少は抜けますが、この便利さにはかないません。水にさらす(2)の手順は省いてもいいですが、さつまいもはアクが強いため、保存容器の水がすぐにごってしまいます。さらしてから保存するのがおすすめ」
さつまいもを
冷凍保存する方法
カットして生のまま冷凍保存する場合

- さつまいもを洗い、料理に合わせた切り方でカットする。写真は乱切り。
- ボウルに張った水に、2~3分さらしてアクを抜く。

- キッチンペーパーなどで水気を取り除く。

- ジッパーつき保存袋に入れる。

- 平らな状態にならし、金属のトレーに載せて冷凍庫へ。
ペースト状にしたものを冷凍保存する場合

- さつまいもを洗い、輪切りにする。

- 厚め(2~3mm)に皮をむく。

- ボウルに張った水に、2~3分さらしてアクを抜く。

- 耐熱容器に入れて、ふんわりとラップをかけ、電子レンジで加熱する。さつまいも1本分なら、600Wで4分程度が目安。

- すりこぎなどでつぶす。

- ジッパーつき保存袋に移す。

- 粗熱がとれたら平らな状態にならし、金属のトレーに載せて冷凍庫へ。
カットして加熱したものを冷凍保存する場合


江口さん「マッシュするさつまいもの皮を厚くむくのは、皮と実の間に多いアクと繊維を取り除くため。さつまいもはゴツゴツしているので、丸ごとの状態でピーラーを使うより、筒切りにして包丁を入れる方が皮はむきやすくなります。
今回、加熱バージョンでは素揚げにしましたが、蒸してもゆでても冷凍できるので、加熱の仕方はお好みで。私は素揚げにしたものを、カレーやサラダのトッピングにも活用しています。マッシュしたものはサラダのほか、スープやニョッキなどで使うこともありますね。
加熱したさつまいもという点では、焼きいもを冷凍保存することもできます。冷凍庫から取り出して10分ほど自然解凍したら、食べやすいやわらかさになって、アイスのような感覚でおいしく食べられます。ぜひお試しください」

さつまいもを使った
おいしいレシピ3選
さつまいもの甘さとだしがマッチする
『白だしで簡単!さつまいもご飯』

江口さん「炊き込みごはんメニューは、炊飯器に材料を入れればあとはおまかせできて便利。さつまいもを小さくカットしすぎるとくずれてごはんと混じってしまうので、レシピに記載された1.5cm角を守るようにしましょう」
しっとり、ねっとりの食感。
『さつまいもの甘煮』

江口さん「おいしくつくるポイントは、落としぶたを使ってしっかり煮含めること。皮が鮮やかで目を引きますが、皮と実の間にはあくが多いので、水にさらしてしっかり抜かないと全体の色味が悪くなります」
シャキシャキの歯ごたえ!
『【人気の副菜】さつまいものバターきんぴら』

江口さん「ヘルシーにしたいからと、サラダ油などで代用する人もいるかもしれません。でも、しょうゆとの相性のいいバターがおいしさのポイントになるので、レシピ通りしっかり使いましょう」
さつまいもの栄養素をおいしく摂取できる副菜レシピも!
さつまいもの保存方法を
知ってもっとおいしく!
選び方もチェックを
旬を迎えると、もらったり掘りに行ったりでたくさん手に入ることもありますが、そんなときは冷凍保存しておけば、好きなときに使えて時短もできます。マッシュのほか、切り方と加熱の仕方を変えたものも数種類用意して、いろいろなさつまいも料理を手軽に楽しんでください」

教えてくれた人 江口恵子さん
料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。
撮影/金田邦男
公開:2022年8月18日 最終更新:2024年11月22日
ホームクッキング編集担当より
おかずにもおやつにも活用できるさつまいもは、ホームクッキングでも人気の食材のひとつです。きちんとした方法で保存すると、おいしさをキープできていいですね。まとめてカットして保存する技は、後日の調理がとても楽になるので、たくさん手に入ったときのためにもぜひ覚えておきたいと思いました!(編集長S)