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こんにゃくの
簡単なアク抜き・下処理のやり方!
人気レシピ3選も紹介

こんにゃくの簡単なアク抜き・下処理のやり方!人気レシピ3選も紹介

こんにゃくをおいしく食べるために欠かせないのが、アク抜きをはじめとした下ごしらえ。でも、この工程はなぜ必要なのでしょうか?そんな疑問を解消するべく、この記事では下ごしらえの必要性と効率的な方法、保存のコツといったこんにゃくの扱い方を解説します。さらに、おいしいこんにゃくレシピも紹介するので、きっとこれまで以上にこんにゃくを使いたくなるはず!

何が変わる?
こんにゃくのアク抜きが
必要な理由

こんにゃくを調理する際にアク抜きが必要な理由は、原料となるこんにゃくいも由来のえぐみや、製造過程で使われる凝固剤のくさみを取り除くため。また、水分が適度に抜けることからプリッとした食感が増し、味しみが良くなるといった効果もあります。

Point

江口さん「最近はアク抜きが不要なこんにゃくをよく見かけますが、特有のくさみは残っているもの。甘辛などの濃い味付けにするならそれほど気になりませんが、こんにゃくステーキのような料理に使う場合は、下ごしらえをした方がおいしくいただけますよ」

レンジを使った
時短の方法も!
こんにゃくのアクを抜く手順

こんにゃくのアクを抜く方法として、「ゆでる」「塩もみする」「電子レンジ加熱」の3通りをご紹介します。

●ゆでてアク抜き

写真:こんにゃくを水で洗う
1
こんにゃくを水でサッと洗う。
写真:スプーンなどでカットする
2
スプーンなどで、使うサイズにカットする。
写真:沸騰した鍋に塩を入れる
3
鍋にたっぷりの湯を沸かし、こんにゃく1枚に対して小さじ1/2の塩を入れる。
写真:こんにゃくを入れ、ゆでる
4
こんにゃくを入れ、再度沸騰するまでゆでる。
写真:ゆでたら、ざるにあげる
5
再沸騰後、1~2分ゆでたら、ざるにあげて水気を切る。
Point

江口さん「こんにゃくの袋に入っている液体には凝固剤の成分が含まれているので、最初にサッと洗い流します。包丁を使わずにちぎることで表面積が大きくなり、味がからまりやすくなるので、料理によって使い分けましょう。ちぎるときは短く持ったスプーンをこんにゃくに差し込み、引きちぎるイメージ。指でもちぎれますが、スプーンの方が大きさをそろえやすいのでおすすめです」

●塩もみしてアク抜き

写真:こんにゃくを洗ってカットし、塩をまぶしてもむ
1
こんにゃくを洗ってカットし、こんにゃく1枚に対して小さじ1/2の塩をまぶしてもむ。5分ほどおいてからサッと洗い、ざるにあげて水気を切る。
Point

江口さん「少し力を入れてもみ込んだ後、5分ほどおくのが効果的。こうすることで、こんにゃくの中に入り込んだ水分が抜け、独特なくさみも取り除けます」

●電子レンジで簡単アク抜き

写真:カットしたこんにゃく、水、塩を入れる
1
耐熱容器に洗ってカットしたこんにゃく1枚分と、ひたひたになる量の水、小さじ1/4の塩を入れる。
写真:ラップをかけ、電子レンジで加熱する
2
ラップをふんわりかけ、電子レンジの600Wで2分30秒加熱したらざるにあげ、サッと水洗いして水気を切る。
Point

江口さん「電子レンジ加熱のメリットは、何といっても時短できること。目を離して別の作業を進められるので、忙しいときに助かりますね」

他にもいろいろ!
こんにゃくの下ごしらえ

加熱や塩もみ以外にも、こんにゃくがもっとおいしくなる下ごしらえがあります。ここでは、3つの方法をご紹介しましょう。

●においが気になるなら……


ボウルなどに、カットしたこんにゃく1枚、ひたひたの水、大さじ1の酢を入れて、約3分おくと、においを抑えることができます。酢水にさらした後は、水でサッと洗い流しましょう。

写真:アク抜きするときに酢を入れる
Point

江口さん「アク抜きされたこんにゃくを買ったけれど、においが気になる……なんてときにはこの方法を。こんにゃくの凝固剤として使われる水酸化カルシウムはアルカリ性なので、酸性の酢を入れることで中和され、においを抑えることができます」

●やわらかくしたいなら……


こんにゃくを叩くと組織が壊れてやわらかくなり、調理後もかみきりやすくなります。まな板などの上にこんにゃくを置き、めん棒などでまんべんなく叩きましょう。

写真:こんにゃくを叩く
Point

江口さん「小さなお子さんや、年配の方が食べるときにおすすめの方法。叩くときは強めに、こんにゃくが少しへこむくらいの力をに入れてください」

●味をしみ込みやすくするなら……


調理前にこんにゃくを乾煎りすると水分が抜け、味しみが良くなります。煮物や和え物、炒め物におすすめ。フライパンや鍋にカットしたこんにゃくだけを入れ、転がしながら中火で炒めましょう。

写真:調理前に乾煎りをする
Point

江口さん「水分が抜けることで、身が締まってプルンとした食感が増します。水分が飛ぶとピチピチと音が鳴るので、鳴り始めたら火を止めましょう。ゆでるほどではないですが、アクやくさみも抜けるので、濃い味付けにするならこの方法もあり。塩もみすら面倒なときも、乾煎りしたフライパンでそのまま調理できて便利です」

一度で使い切れなかった
ときに。
開封したこんにゃくの
保存方法

未開封のこんにゃくは長持ちする食材。パッケージに記載された賞味期限を守れば、常温で長期保存ができます。もし開封して使い切れなかった場合は、全体がつかる量の水と一緒にバットなどに入れ、冷蔵庫で保存しましょう。

写真:水にひたした状態で冷蔵保存する
Point

江口さん「こんにゃくはラップで包んだだけでは乾燥が進むので、水にひたした状態で冷蔵保存を。これなら約1週間、良い状態をキープできます。なお、袋に入っている液体につけておくとにおいが残りやすいので、水道水を使い、2日おきくらいで取り替えましょう」

こんにゃくをもっと
活用するために役立つFAQ

こんにゃくに対して抱きがちな疑問を、一問一答形式でご紹介します。あなたが気になっていたことも、ここで解消できるかも?

Q. アク抜きが面倒……。簡単に済ませる方法はある?

A. 江口さん「塩もみや乾煎りすら億劫なときは、熱湯をかける方法を。お湯を沸かしてこんにゃくにまんべんなく回しかけるだけで、ある程度ならアクとくさみを抜くことができますよ」

写真:熱湯をかける

Q. 塩もみって必要?

A. 江口さん「塩もみはアクやくさみを抜く手段のひとつ。別の方法でアク抜きをするなら、あえて行う必要はありません」

Q. しらたきや糸こんにゃくも、アク抜きしたほうがいい?

A. 江口さん「どちらもアクが味に与える影響は少ないですが、ゆでるなどアク抜きの工程を入れることでくさみが抑えられます。必須ではありませんが、気になるときは省かずに行うのが良いでしょう」

Q. こんにゃくは冷凍保存してもいい?

A. 江口さん「冷凍すると水分が抜けてスカスカになるので、歯触りを楽しむより、煮物や炒め煮など味をしみさせる料理に向いています。使うときは、中に残っていた水分をしぼってくさみを取り除くのがコツ。まるごとでも冷凍できますが、使いやすいサイズにしてから凍らせておくと次に調理するときに便利です。切ったものは、そのまま豚汁などに使っても良いでしょう」

写真:左側が切らずに冷凍したもの、右側が切った状態で冷凍したもの

冷凍したこんにゃく。左側が半分ほど残ったものを冷凍、右側が切った状態で冷凍したもの。

●こんにゃくの冷凍保存

写真:保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫へ
写真:切って保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫へ

冷凍保存の際はジッパー付きの保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じてから冷凍庫へ。平らな状態にして金属トレイにのせると、凍るまでの時間が短縮できる。

写真:解凍後に水分を絞る

解凍後にギュッと絞ることで、くさみごと水分が抜ける。

●アク抜き方法の比較


今回、ご紹介したアク抜きをするかしないかで、味や食感、においなどはどう変わるかを、江口さんに比較してもらいました!「水洗いのみ」に比べて、「ゆでる」「塩もみする」「電子レンジ加熱」のこんにゃくはどう変わるのでしょうか?

江口さん「ゆでたもの、レンジ加熱したものは、塩もみしたこんにゃくよりもプリッとした食感が増しています。アク抜きという点で見ると、水洗いだけのものに比べればいずれもくさみが抑えられている印象。どの方法が一番というわけではないので、食べ方や、調理にかけられる時間など、状況に応じて選ぶと良いでしょう」

写真:アク抜き方法の比較

左上から時計回りに、塩もみ、レンジ加熱、ゆで、水洗いのみ。よく見ると、加熱したものは透明感が少ない。

こんにゃくの活躍する場が
広がる、
おすすめレシピ3選

こんにゃくを使ったおすすめレシピとして紹介するのは、常備しておきたくなる炒り煮1品と、ボリュームのある煮物2品。いずれもレパートリーに加えたくなる、おいしい料理がそろっています!

はしが進んで止まらないご飯泥棒
『やみつき!甘ピリ辛こんにゃく』

写真:やみつき!甘ピリ辛こんにゃく

しょうゆ、みりん、砂糖を使った甘辛味。ずっとかんでいたくなるような、ギュッとした歯ごたえも楽しめます。

江口さん「甘辛のしっかりした味付けで、ご飯が進む一品です。汁気がないので、お弁当のおかずにもぴったり。ごま油で十分に炒めることで水分が抜け、味しみがさらに良くなるので、レシピ通り表面がちりちりになるまで炒めましょう」

ごろごろ野菜&鶏肉で食べ応えあり!
『筑前煮(基本の和食、おうちの和ごはん)』

写真:筑前煮(基本の和食、おうちの和ごはん)

やわらかな鶏肉、歯ごたえの良い根菜、そしてこんにゃくのなめらかさ。いろいろな食感が楽しめる人気の煮物です。

江口さん「きちんと下処理したこんにゃくは食感も良く、鶏肉のうま味や甘辛味がしっかり染みています。炒めた鶏肉は一度、取り出すことで固くならず、ジューシーな仕上がりに。干ししいたけは戻すのが面倒に思うかもしれませんが、生のものに比べるとうま味が断違いなので、ぜひ使って欲しいですね」

豆板醤の刺激をプラスした煮汁も格別!
『厚揚げのピリ辛みそ煮込み』

写真:厚揚げのピリ辛みそ煮込み

甘めなのにすっきりとした煮汁は、飲み干したくなるおいしさ!こんにゃくのプリッと感と厚揚げのむっちり感も、対比しながら味わって。

江口さん「こんにゃくのぷりぷりした食感をしっかり味わえるシンプルな煮物です。かつおだし1カップが入ることで煮汁がさらっとして、あっさりした味わいに仕上がっています。ササッとつくれるので、もう一品欲しいときにもおすすめ。厚揚げは油抜きをすることで味がしみておいしくなるので、熱湯をかける工程は省かないようにしましょう」

味の差、歴然!
おいしくいただくなら、
こんにゃくのアク抜きは
欠かさずに

江口さん「メインにはならないけれど、存在感がしっかりとしたこんにゃく。使う量が少なくても、アクやくさみの処理をするかしないかで仕上がりの味が変わってくるので、これまで意識していなかった方も、塩もみなど手軽な方法から試していただきたいですね。また、今回ご紹介した冷凍こんにゃくは、いつもとはまったく違う歯ごたえが楽しめます。未体験という方は、ぜひお試しください!」

ホームクッキング編集担当より

今回江口さんに教えていただいた下ごしらえをすれば、こんにゃくの印象が変わります! やさしい味の料理のときなどの特有のにおいも気にならず、味のしみ込みもよくなってワンランクアップの味わいに。電子レンジを使った下ごしらえ、とにかくラクでおすすめです。(編集長・杉森)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男
公開:2023年11月20日 最終更新:2024年4月19日

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