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オクラのゆで方・ゆで時間と
「生でも食べられる」下処理のコツ、人気レシピ3選も

オクラのゆで方・ゆで時間と「生でも食べられる」下処理のコツ、人気レシピ3選も

6月から9月にかけて旬を迎えるオクラ。ねばねばのぬめりとプチプチした種の食感が楽しめる野菜ですが、上手にゆでないと水っぽくなったり、口当たりがザラついたりすることがあります。また、すぐに黒ずんでしまうなど、扱いにくいな、と思っているかたも多いのでは? そこで、オクラのせっかくの食感を台無しにしない上手なゆで方と、できるだけ日持ちさせる保存のコツを、ていねいに解説します。人気レシピをさらにおいしくつくるポイントも紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてください!

オクラの選び方と、
ゆでる前の下処理

ゆでたオクラが水っぽくなる大きな原因は、下処理の仕方。ゆでる前に切ったり、がくの取り方によっては、さやの中に水が入ってしまうためです。ゆでる前に気をつけて処理すれば仕上がりがぐんと良くなります。オクラの選び方と併せて説明します。

オクラの選び方

オクラは全体的に緑が濃く、張りのあるものを選びましょう。うぶ毛がしっかり立っているのも、新鮮な証拠です。しなびていたり、先端が黒く変色していたりするものは鮮度が落ちているので避けて。ヘタの切り口がカサカサで褐色になっているものも、あまり新鮮ではありません。

オクラの選び方とは

上が新鮮なオクラ。鮮度が落ちた下のものに比べると全体的にふっくらしており、ピンと立ったうぶ毛が密集しています。がくに付いたひげのような部分も、まだ残っている状態。

Point

江口さん「さやも傷が付くと、そこから黒ずんできます。見た目はあまりよくないですが、えぐみが出るわけではないので食べても問題ありません。気になる場合はゆでた後に、包丁でそいで取り除いて。また、育ちすぎたものは固くなるため、生食には不向き。ゆでずに食べるなら、直径1cm~1.2cmのものがおすすめです」

オクラの下処理

オクラの下処理:水でサッと洗い、ざるなどにあけて水気を切る
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水でサッと洗い、ざるなどにあけて水気を切る。
オクラの下処理:ヘタの先端を切り落とす
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へたの先端を切り落とす。
オクラの下処理:へたと実の境目にある張り出した部分に包丁の刃を入れ、ぐるりとむき取る
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へたと実の境目にある張り出した部分に包丁の刃を入れ、ぐるりとむき取る。
オクラの下処理:がくをむき終えた状態
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がくをむき終えた状態。
オクラの下処理:まな板の上で塩をまぶす
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まな板の上で塩をまぶす。塩の量は、オクラ1パックに対して小さじ1程度。
オクラの下処理:まな板に軽くこすりつけるように、両手でコロコロと転がす(板ずり)
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まな板に軽くこすりつけるように、両手でコロコロと転がす(板ずり)。
オクラの下処理:全体に塩が行き渡ったら、板ずり完了
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全体に塩が行き渡ったら、板ずり完了。
Point

江口さん「ゆでる前に板ずりをするので、洗うときはサッとホコリを落とす程度で構いません。ただ、水分がまったくないと塩が密着しないので、水洗いの工程は省かないようにしましょう。がくをまるごと切り落とすとさやの中に水が入ってしまいますが、角の部分のみをむき取ることで水っぽくなるのを防げます。

板ずりは、うぶ毛を取り除く工程。つるんとした見た目になり、食感が良くなるので、生で食べるときだけでなくゆでるときにも行いましょう。オクラがつぶれないよう、力の入れすぎには気をつけて。よりていねいに取り除きたいときや本数が少ないときは、まな板を使わずに1本ずつ塩でこすり落としても良いですよ」

オクラの下処理:1本ずつうぶ毛を除くときは、塩をまぶしたオクラを手に取り、親指でこする

1本ずつうぶ毛を除くときは、塩をまぶしたオクラを手に取り、親指でこする。

オクラのゆで方とゆで時間

オクラは加熱時間が短ければシャキシャキ、長ければとろりとした食感になります。どちらにするかはお好みで。生食できるオクラは火が通りきっていなくても心配はいらないので、試しながら好きなゆで時間を探ってみてください。ここでは鍋でゆでる手順に加え、電子レンジで加熱する時短テクニックもご紹介します。

ゆで方

オクラのゆで方:鍋にオクラが浸るくらいの湯を沸かし、沸騰したら下処理を終えたオクラを入れる
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鍋にオクラが浸るくらいの湯を沸かし、沸騰したら下処理を終えたオクラを入れる。
オクラのゆで方:時折、上下を返しながら、40秒から1分ほどゆでる
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時折、上下を返しながら、40秒から1分ほどゆでる。
オクラのゆで方:色が鮮やかになったら鍋から引き上げ、冷水にとって冷ます
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色が鮮やかになったら鍋から引き上げ、冷水にとって冷ます。
オクラのゆで方:ざるにとって水気を切る
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ざるにとって水気を切る。
Point

江口さん「オクラはあくが少ないので、たっぷりのお湯でゆでる必要はありません。オクラが浸る程度で大丈夫。今回の撮影では、直径15cmの小鍋に500mlから600mlの水を入れています。板ずりの塩は色を鮮やかにするうえに下味の役目もあるので、洗い流したりせずにそのままゆでましょう。

ゆで時間は大きさや鮮度によっても変わりますが、硬めが好きなら40秒ほど、やわらかめが好きなら1分30秒ほどが目安。ゆで上がったら冷水にとって、さらに色鮮やかに仕上げましょう。ゆでた後に揚げる場合は水分が残っていると油がはねて危ないので、水切りの後にキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってください」

電子レンジを使用して
加熱する方法

電子レンジを使用してオクラを加熱する方法:切り込みを入れる
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下処理を終えたオクラの塩を水で洗い流し、包丁の刃先で1cmほどの切り込みを入れる。
電子レンジを使用してオクラを加熱する方法:600Wで1分間加熱する
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耐熱容器にオクラと小さじ1の水、ひとつまみの塩を入れ、ラップをふんわりとかける。600Wで1分間加熱する。
Point

江口さん「鍋でゆでると、しっとりみずみずしく仕上がるオクラ。電子レンジ加熱だと時短できて省エネになるほか、栄養素の流出も少ないと言われているので、状況や好みに応じて使い分けましょう。ただし、オクラを揚げたり電子レンジで加熱したりすると、急激に温度が上がって破裂しやすくなります。特に皮が硬めのものは破裂しやすくて危険なので、必ず切り込みを入れましょう。また、レンジ加熱では使う水の量が少ない分、板ずりの塩が残っているとしょっぱくなるので、加熱前に一度、洗い流してください」

オクラは生でも食べられる?

前述したとおり、オクラは生食できる野菜。加熱したものに比べると粘りが抑えられる一方、青臭さが少し残りますが、板ずりしたものを小口切りにすると気になりません。江口さんによると、「かつお節としょうゆをかけたり、納豆に混ぜたりして食べるのがおすすめ」なのだとか。

オクラを生で食べるときは、板ずりした塩を洗い流して、厚さ1mm程度の小口切りに

生で食べるときは、板ずりした塩を洗い流して、厚さ1mm程度の小口切りに。

足が早い?オクラの保存方法

一般的にネットに入った状態で販売されているオクラ。そのまま野菜室に入れると水分が失われ、すぐにしなしなになってしまうので、ネットのままラップで包んでから冷蔵保存するようにしましょう。さらに日持ちさせたい場合は、冷凍保存も可能です。

冷蔵保存

オクラを生のまま冷蔵保存する場合は、ネットごとラップで包む

生のまま冷蔵保存する場合は、ネットごとラップで包む。

ゆでたオクラをまるごと冷蔵保存するなら、水気をしっかり切ってからジッパー付き保存袋に入れて密閉

ゆでたものをまるごと冷蔵保存するなら、水気をしっかり切ってからジッパー付き保存袋に入れて密閉。保存期間は2~3日。

小口切りにしたオクラは、ふた付きの保存容器などに入れ、冷蔵保存

小口切りにしたオクラは、ふた付きの保存容器などに入れ、冷蔵保存を。保存期間は1~2日。

冷凍保存

オクラの冷凍保存:ゆでたオクラの水気を、キッチンペーパーでしっかり拭き取る
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ゆでたオクラの水気を、キッチンペーパーでしっかり拭き取る。
オクラの冷凍保存:切ってからジッパー付き保存袋に入れ、金属トレイに載せて冷凍
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すぐに調理できるよう、切ってからジッパー付き保存袋に入れ、金属トレイに載せて冷凍する。保存期間は約1か月。
オクラの冷凍保存:小口切りにしたオクラを冷凍するときは、平らな状態にしてラップに包む

小口切りにしたオクラを冷凍するときは、平らな状態にしてラップに包むと良い。

Point

江口さん「オクラを冷凍するときは霜がつかないよう、水分をしっかり拭き取りましょう。ゆでて切った状態で冷凍保存すれば、自然解凍してすぐに食べられます。生のままだと、小口切りにしたもの以外は加熱しないとおいしくありません。冷凍したオクラは、スープや炒め物などに使うのがおすすめです」

オクラがメインの
おすすめレシピ3選

鮮やかな緑と切ったときのかわいらしい形で、食卓をにぎわせてくれるオクラ。ボリュームのある主菜からおつまみにもなる副菜まで、合わせる食材によってさまざまな料理に変身します。ここでは、人気レシピ3品をピックアップ!江口さんのワンポイントアドバイスと共にご紹介します。

甘さほんのり、
箸休めにぴったり!
『オクラのごましょうゆかけ』

オクラのごましょうゆかけ

ごまの香りとオクラのつるりとした食感は、食欲が落ちる夏場にもおすすめ。

江口さん「甘さを抑えた、ごまあえのあえごろものような味付け。すりごま、しょうゆ、みりんと、いつもの調味料だけを使うので、オクラさえあればパパッとつくれますね。時間がないときのもう1品に、ぜひつくってみてください」

オクラの食感と
豚肉のコクが相性抜群!
『味しっかり!オクラの肉巻き』

味しっかり!オクラの肉巻き

だしの香りが、ねっとり&シャキシャキのオクラと豚肉の味わいを引き立てます。

江口さん「調味料は『濃いだし 本つゆ』だけ。ごはんにぴったりの外さない味に仕上がっています。レシピにもあるように、豚バラ肉を巻き終えたらギュッと握り、巻き終わりから焼き始めるのがコツ。こうすることでオクラから豚肉がはずれにくくなりますよ」

つるつる、プチプチ…。
いろいろな食感が
口の中でひとつに!
えのきとオクラの梅おかか和え

えのきとオクラの梅おかか和え

梅肉の酸味と、ふと香る大葉のさわやかな風味も楽しめる1品。

江口さん「さっぱりと食べられるので、夏場の食欲が落ちたときにもおすすめ。青じそは大きめにちぎることで、香りと存在感が増しています。かつお節でうま味もプラスされているので、冷や奴やパスタ、ごはんに載せていただくのも良さそう」

好みのゆで方を
マスターして、
旬のオクラを
もっとおいしく!

江口さん「和洋折衷、いろいろな料理に使えるオクラ。サッとゆでておかかじょうゆ、といったシンプルな料理ほど素材の味が際立つので、きちんと下処理することが大事です。板ずりやがくのむき取りはしなくても食べられますが、することで料理の仕上がりがランクアップするので、ぜひ実践してみてください」

ホームクッキング編集担当より

ねばねば成分のヘルシーさもあって人気の野菜、オクラ。副菜を中心にホームクッキングにもたくさんのレシピを掲載しています。でも、食べたときに「ぐずっ」となる水っぽさ、なんだか味もぼやけてる……テンション激落ちの瞬間です。共感したかた、今回江口さんから教えていただいた下処理、ぜひ実践してみてください。本当に印象が変わります!(編集長・杉森)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男
公開:2023年6月23日

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