キャベツの千切りの
簡単なやり方!
保存方法(冷凍・冷蔵・塩もみ)も紹介
キャベツの千切りといえば、サラダや付け合わせの定番。きれいな千切りがお皿に載っているだけで、満足度はグンとアップしますよね。キャベツを切るだけの手軽さながら、実はどう切るかがポイント。見た目も食感も大きく変わるんです。コツさえマスターすれば意外と簡単で、フワフワの食感もシャキシャキの食感も切り方を変えて楽しめますよ。千切りキャベツの保存方法や、おすすめの絶品レシピ3選も紹介するので、料理の基本としてマスターしておきたい、必見の情報が満載です!
キャベツの千切りの前の準備
おいしいキャベツを選ぼう
キャベツの千切りをする前に、おいしいキャベツの選び方を紹介します。手に持ってずっしりと重く、固く締まった感触のあるものがおすすめ。外葉の緑が濃いものは、よく日に当たって成長した証です。切断された面が黒ずんでいたりせず、きれいな状態の方が鮮度も高いので、芯の切り口はぜひチェックを。1/2や1/4にカットされているキャベツを選ぶときは、断面ができるだけ平らでみずみずしいものを選びましょう。
江口さん「丸ごとのキャベツに付いた外葉は、天然のラップのようなもの。中身をガードする働きがあるので、できれば付いたままの状態で購入したいですね。カットされたものの場合は、時間が経つと断面が乾いたり、芯の部分が盛り上がったりするので、買ったらなるべく早めに使うようにしましょう」
キャベツの外側から内側の
特徴を知ろう
キャベツの葉は外側の方が固く、内側に向かうにつれてやわらかくなっていきます。内側は生でも食べやすい一方で、炒め物などに使う場合はすぐに食感が失われるので、大きめに切ると良いでしょう。
江口さん「キャベツの内側は色が白いのも特徴。その部分だけでは彩りがさびしいので、緑色がきれいな外側の葉も少し混ぜて使うのがおすすめです。ロールキャベツのように、キャベツの葉が大きくないとできない料理を除き、どの部分がどんな料理に向いているかというのは、それほど厳密ではないですね」
キャベツの千切りの方法
繊維を断ち切るように切ればふわふわに、繊維にそって切ればシャキシャキに。キャベツの食感が変わるので料理によって使い分けるとぐんとレベルアップ!ぜひ覚えておいてください。
まずは葉をはがす
キャベツをかたまりのまま千切りにするのは難しいもの。大量の千切りをするのでなければ、1枚ずつはがした葉を重ねて切る方法がおすすめです。
- 外葉をむく。
- キャベツを裏返し、包丁の刃を斜めにして芯の周りに切れ目を入れる。
- そのまま芯の周囲にそって、ぐるりと刃を入れていく。
- 芯を取る。
- 芯の方から1枚ずつていねいにはがしていく。
- はがした葉を流水やボウルに張った水でサッと洗う。
- 太い芯の部分をV字に切って、切り離す。
- 葉を半分に切る。
江口さん「丸ごとのキャベツの芯を取るときは、包丁を浅めに入れないとうまく切ることができません。ここで芯を取るのは葉をはがしやすくするためなので、一気に取ろうとして刃を深く入れなくても大丈夫。何枚かむいていくうちに、芯が見えたらまた同じように包丁で取り外して。なお、芯の周囲に刃を入れるときは包丁の向きを変えるより、キャベツを回転させながら向きを変える方が切りやすいです」
キャベツの葉を重ねる
はがした葉を重ねて、そのまま千切りをすることもできますが、巻いた状態にするとコンパクトになるので、より切りやすくなります。繊維の向きをそろえて重ねるのがポイントです。
- 繊維の向きをそろえて、数枚の葉を重ねる。
ここから、「繊維を断ち切る切り方」と「繊維にそう切り方」をそれぞれ紹介します。
繊維を断ち切る切り方
(定番のフワフワ食感)
- 繊維を断つように切る場合は、繊維が横向きになるように調整しつつ、手前からしっかり巻いていく。
- 巻き終わった状態。
- 繊維が横向きになるように巻いた葉を片手でしっかり押さえながら、端から1mmほどの幅で切っていく。
江口さん「葉を巻いてコンパクトな状態にすれば切りやすいうえに、形がそろってきれいに仕上がります。重ねる枚数が多いと厚みが出て切りにくいので、4~5枚を目安にしましょう」
繊維にそう切り方
(シャキシャキ食感)
- 繊維にそって切る場合は繊維が縦向きになるように巻きます。包丁は端から入れるため、繊維に対して並行に切っていくことになります。
- 繊維が縦向きになるように巻いた葉を片手でしっかり押さえ、端から1mmほどの幅で切っていく。
芯を薄く切る
- 事前に切り離した芯は斜めにし、繊維を断ちながら薄く切る。
- 左が繊維を断ちきった場合、右が繊維にそった場合の千切り。前者はふんわりとした仕上がりで、後者は1本1本がしっかりしているように見えますね。
江口さん「繊維にそうかそわないかは、それぞれのお好みで。たとえばドレッシングなどであえるとき、歯ごたえを残したいなら繊維にそって切るのがおすすめです。フライなどに添えるとき、モシャモシャとした食感が気になるようなら繊維を断ち切った千切りキャベツがいいですね。こちらはやわらかいので、子どもも食べやすいと思います。芯は斜めに薄切りにして繊維を断ち切れば食べやすくなるので、葉の千切りに混ぜても違和感はありません」
時短の千切りの方法もある!
「千切りをする前に葉を一枚一枚はがして巻く」、そんな時間も惜しい場合もあるかもしれません。そんなときに便利な、1/4カットを千切りにする方法をご紹介しましょう。
- 1/4サイズのキャベツの芯を切り落とす。
- 色の濃さを目安にして、およそ3つに分ける。
- 外側と中央の葉は大きいので、さらに半分に切る。
- 外葉と中央の歯は、分割した葉の繊維の向きをそろえて重ね、端から切り始める。
- 内側の葉は分割せず、そのままの大きさで切っていく。
江口さん「この方法だと、巻いて切るよりも千切りの長さが短くなり、食べやすくなります。最初に3つに分けるのは、1/4カットのままよりもさらに扱いやすくするため。外側と中央の部分は、内側の大きさに合わせてそれぞれ半分にカットします。切断面を下にしたままだと弓なりになっていて切りにくいので、できるだけ平らになるよう、包丁を持たない方の手でグッと押さえながら切りましょう」
切った後は水にさらして
シャキッとさせて
千切りにしたキャベツは水にさらすことでパリッとした食感になり、特有のえぐみも抑えられます。さらす時間が長いと栄養成分の流出につながるので、5分ほど経ったら引き上げるようにしましょう。
- 千切りにしたキャベツをざるに入れ、水を張ったボウルに入れる。
- 5分ほどさらしたらざるを引き上げ、水気を切る。
江口さん「さらす水は常温でいいですが、夏は氷水がおすすめ。水切り中は千切りキャベツを数分ごとにひっくり返すと、比較的に短時間で済みます。サラダスピナーを使うと、手早く水が切れて便利」
千切りキャベツの保存方法
千切りにしたキャベツは空気に触れる面が多く、すぐに色が変わってしまうので、切ったらすぐに冷凍保存を。塩もみをしたものなら変色しにくいため、冷蔵保存で4~5日は日持ちします。
生のまま冷凍
(保存期間は1カ月ほど)
- 千切りしたキャベツをジッパー付きの保存袋に入れ、手で押さえて空気を抜く。
- 保存袋の口を閉じ、金属トレーに載せて冷凍庫で保存する。
塩もみして冷蔵
(保存期間は4~5日ほど)
- 千切りしたキャベツをボウルに入れ、塩をまぶす。塩の量はキャベツ1/4個に対し、塩小さじ1/2が目安。
- 塩が全体に行き渡るように菜箸でかき混ぜ、15分ほどおく。
- キャベツがしんなりしたら、両手でギュッと押さえて水分を絞る。
- ジッパー付きの保存袋に入れ、冷蔵庫で保存する。
江口さん「千切りキャベツを生の状態で冷凍しておくと、袋からバサッと出すだけでそのままみそ汁やスープなどに使えて便利です。ただし水分がたくさん出るので、加熱せずに食べる場合はしっかり絞ってから調味料を加えないと、味がぼんやりしてしまうのでご注意を。
また、塩もみをしたものは食感がやわらかくなるので、3mm~5mm幅と太めで千切りしましょう。水の絞りが甘いとくさみの原因となり、傷みも早まるので、ここでもしっかり絞ることが大切。味が付いているので、そのまま食べてもいいですし、餃子などの具に混ぜ込むのもおすすめです」
丸ごとキャベツを保存する方法
ほぼ丸ごとの状態でキャベツが余ったときは、カットせずにそのままの状態で冷蔵保存しましょう。まずは芯の処理から。先ほど紹介したように、芯を一度で取り切ろうとするのは難しいので、少しずつ外していってください。
- 数回に分けて芯を取り除く。
- 芯があった部分に濡らして絞ったキッチンペーパーを入れる。
- ラップで全体をぴったり包み、冷蔵庫の野菜室で保存する。
江口さん「キャベツは水分に強くムレにくいので、直接ラップで包んでも問題ありません。このように丸くて大きいものをラップで包む場合は、十字にするのがおすすめ。先に一方向だけぐるりと巻き、90度回転させて残りの一方向も巻くことで、ラップのむだ使いを抑えながら全体を余さず包むことができますよ。
先に芯の処理をする理由は、キャベツが芯から育つ野菜だから。残したままでは成長が止まらずに日持ちしにくくなります。芯を取り除くだけでなく、つまようじや竹串を刺すことでも成長を止めることができます」
千切りキャベツを使った
おすすめレシピ3選
さまざまな料理に活躍するキャベツの中でも、特に千切りを使ったレシピをピックアップしました。手軽なものからユニークなものまで、単におかずに添えるだけではもったいないと思わせるものばかり。厳選して3つのレシピを紹介します。
だしを効かせた和風味の
『キャベツの
ごまコールスロー』
江口さん「にんじんやハムが入って、彩りがきれいなサラダです。ポイントになるのは塩もみの工程。塩をしっかりもみ込んで、水をしっかり絞ることで味がぼやけずにおいしく仕上がります」
揚げる手間は不要!
『コロッケ風ポテト』
江口さん「マッシュしたじゃがいもと炒めたひき肉に、パン粉を載せてコロッケの味を再現。パン粉は炒めたものなので、揚げ物が苦手な人やしたくない人にもいいですね。お皿にたっぷりの千切りキャベツを敷いてその上に盛り付けましょう。見た目のインパクトもあって、食卓が賑わいそう」
さっぱり大人味の
コールスロー
『キャベツの
粒マスタードサラダ』
江口さん「しょうゆ×オリーブオイルという、意外だけど相性が抜群な味付け。そのまま食べてもおいしいですが、サンドイッチに挟むなどの使い方もできます。つくって時間が経つと多少は水分が出ますが、味がぼやけるほどではないので、つくりおきしておくと便利」
キャベツの栄養素をおいしく摂取できる副菜レシピも!
コツをつかめば、
キャベツの千切りが
ぐんときれいに!
江口さん「千切りはコツを押さえれば上手にできますし、うまくできると楽しくなるので、面倒と思わずにチャレンジしていただきたいですね。生野菜のサラダは時間が経つにつれて水っぽくなりがちですが、キャベツはそこまで水分が出てきません。これも他の野菜にはないキャベツの良さなので、今回、ご紹介したサラダのレシピでぜひ確かめてください」
教えてくれた人 江口恵子さん
料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。
撮影/金田邦男
公開:2023年1月25日 最終更新:2024年4月19日
ホームクッキング編集担当より
夜遅くに大量にキャベツの千切りをすると、疲れるどころか無心になれてストレス解消になるんです。という話を以前、座談会で聞いたことがあります。一定のリズムで切れるとたしかに気持ちがいいですよね。今回のコツを守れば、安定して切ることができると思います。ぜひ「繊維の向き」にこだわってチャレンジしてみてください。ストックしておくのもいいですね。(編集長S)