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にんにくの保存方法!
冷蔵・冷凍・常温別の
長持ちさせる方法や
活用レシピ3選も紹介

にんにくの保存方法!冷蔵・冷凍・常温別の長持ちさせる方法や活用レシピ3選も紹介

独特の香りと味をもつにんにくは、料理にパンチを効かせたいときや、食材のくさみを消したいときなどに大活躍!ジャンルを問わず使うメジャーな食材ですが、せっかく常備していたのに、芽が出ていたり、カビが生えたりしてしまってはもったいないですよね? そこで今回は、にんにくを長持ちさせる保存のしかたを解説!冷蔵・冷凍のほか、調味料として使える「漬け保存」のコツもご紹介します。おすすめレシピもあるので、ぜひご活用ください。

まるごとのにんにくを
保存するなら
常温、もしくは冷蔵で

まるごとの状態でストックするにんにく。すぐに使わないときは、常温か冷蔵で保存しましょう。

●常温で保存

写真:常温で保存

常温で保存する場合は直射日光を避け、風通しを良くすることが大切。ネットの袋に入れて吊す、かごやざるなどに入れるといった方法で保存しましょう。

Point

江口さん「目の付く場所に置いておくのも、ストックしていることを忘れて買い足してしまわない小さなコツです。風通しが悪いと傷みやすくなるので、通気性を確保できるものに入れましょう。このとき、にんにく同士が多少重なっても大丈夫。かごなどがなければ、素焼きや木製の小皿で代用できます。ただし、深さのある器だと風が通りにくいので、お皿を使うようにしてください。保存期間は1週間から10日間ほど。それ以上になると、芽が出てくることが多いですね」

●冷蔵で保存

写真:冷蔵で保存

まるごとの状態でさらに長持ちさせたいなら、冷蔵保存を。皮をむかずにキッチンペーパーなどで包み、ジッパー付きの保存袋に入れて冷蔵庫へ。

Point

江口さん「キッチンペーパーは乾燥を防ぐうえに、適度に湿気を吸ってくれます。保存期間は1カ月から2カ月行かないくらい。なお、にんにくに水分が残っているとカビが生えやすいので、しっかり乾燥させてから冷蔵庫に入れましょう。このときは、野菜室よりも低温のチルド室に入れた方が、さらに芽が出にくく、カビが生えにくくなります」

写真:にんにくの根元

にんにくは根元に水分が残りやすいので、冷蔵保存の前にチェックを。

使いかけにんにくを
冷蔵・冷凍保存する方法

数片のみ使うことが多いにんにく。使い切らなかった分を保存するときは、冷蔵もしくは冷凍するのがおすすめです。

●冷蔵保存

1
薄皮の手前まで皮をむく。
写真:薄皮の手前まで皮をむく
2
1片ずつ分ける。
写真:1片ずつ分ける①
写真:1片ずつ分ける②
3
ジッパー付き保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じて冷蔵庫へ。
写真:ジッパー付き保存袋に入れる
Point

江口さん「冷蔵にんにくの保存期間は1か月強。外側の皮を残しておくと、カビが生えやすくなります。すべての皮をむいておけば使うときは便利ですが、乾燥が進むので薄皮は残して。すべてむきたい場合は、1片ずつラップで包んでから保存袋に入れてください。これだと最初の手間がかかりますが、出し入れするときに雑菌が付着しにくいというメリットもありますね」

写真:1片ずつラップに包む

薄皮までむいたときは、1片ずつラップに包んで乾燥を防ぎます。ラップの幅が広い場合は、「にんにくの大きさに合わせてはさみでカットすると、ムダを防げるのでおすすめ」と、江口さん。

写真:(左)ラップで包み袋に入れたもの(右)薄皮を残しただけのもの

左がラップで包んでから袋に入れて冷蔵したもの、右が薄皮を残しただけで袋にも入れず冷蔵したもの。右側は乾燥がかなり進んだことで、身が縮んでいるのがわかります。

●1片ずつ冷凍保存

写真:1片ずつ冷凍保存

使いかけのにんにくを冷凍保存するときは、1片ずつ分けたものをジッパー付きの保存袋に入れ、金属トレイに載せて冷凍庫へ。

Point

江口さん「冷凍保存の期間は、約3カ月。今回は薄皮を残した状態で保存袋に入れましたが、皮をすべてむいてラップに包んだ状態でも同様に冷凍保存できます。冷凍にんにくは薄皮がむきやすくなるので、残しておいても手間はそれほどかかりません」

●冷凍にんにくの薄皮をむく方法

1
半解凍したにんにくの根元を切り落とす。
写真:半解凍したにんにくの根元を切り落とす
2
上側を指でグッと押すと、中身がつるんとすべり出る。
写真:上側を指でグッと押すと、中身がつるんとすべり出る
3
薄皮がむけた状態。
写真:薄皮がむけた状態

●カット・スライスした状態で冷凍保存


スライス、輪切りなどにカットしたにんにくや、すりおろしたにんにくも、ラップに包んでジッパー付き保存袋に入れれば冷凍保存ができます。凍らせると、手でパキッと折れるのも便利。ひとまず1片分を目安に小分けしてラップに包み、使う分量より多い場合は折って使うと良いでしょう。

写真:カット・スライスした状態で冷凍保存
Point

江口さん「カットした状態で冷凍しておくと、解凍せずにそのまま料理に使えます。ただし、空気に触れる面が増えて香りが飛びやすくなるので、1か月ほどで使い切ると良いでしょう」

そのまま調味料としても
使える、
にんにくの「漬け保存」

たくさん手に入ったときは、しょうゆやオリーブオイルなどに漬けて保存するのもおすすめ。長持ちさせられるのはもちろん、にんにくの風味がついたしょうゆやオリーブオイルは調味料としても活用できるので、料理の風味付けにもぴったりですよ。

つくり方は、にんにくの薄皮と根元を取り除き、消毒した保存容器に入れてしょうゆやオリーブオイルをひたひたに注ぐだけ。2日~3日おけば、おいしく食べられます。簡単にできるので、ぜひチャレンジしてみてください。

●しょうゆ漬け


薄皮までむいたにんにくを保存容器に入れ、しょうゆにひたす。ふたをして冷蔵庫で保存。(写真では、にんにくまるごと1個分に対し100mlのしょうゆを使用)

写真:しょうゆ漬け

●オリーブオイル漬け


つくり方はしょうゆ漬けと同様。(写真では、にんにくまるごと1/2個分に対し60mlのオリーブオイルを使用)

写真:オリーブオイル漬け
Point

江口さん「しょうゆ漬けは炒飯や焼きうどん、炒め物などに。オリーブオイル漬けはパスタソースやサラダのドレッシングに使うほか、バゲットに塗るのもおすすめです。生のにんにくよりもまろやかな風味になるので、苦手な人も食べやすいはず。ただし、食べ過ぎにはご注意くださいね。

しょうゆ、オリーブオイルが減ったらその都度足していき、常ににんにくが浸っている状態にしましょう。容器の清潔さを保ってさえいれば、およそ1年近く持つので、取り出すときは清潔な箸などを使って。なお、容器の消毒は熱湯でもいいですが、消毒用アルコールを使って拭く方法も手軽でおすすめです」

こんなときどうする?
にんにくの保存に関する
Q&A

にんにくの保存や扱いに関して、ありがちな疑問を集めました。ここで江口さんに解消してもらいましょう!

Q.芽が出てしまったにんにく、食べてもいい?
A.江口さん「にんにく自体は食べられますが、芽の部分は刺激があり、えぐみが強いので取り除くことをおすすめします。焦げやすい芯部分も、一緒に取り除くと良いでしょう。芯は包丁の角や手でも取れますが、つまようじや串などを使うと安全で、爪の間に入り込みにくいです。芽が出たままにしておくと成長のために栄養を使ってしまうので、早めに食べきりたいですね」

写真:爪楊枝で芽と芯部分を取り除く

にんにくを縦半分にカットし、爪楊枝などの先端を芽の部分に引っ掛けるようにして持ち上げると、簡単に取れる。

Q.保存していたら、色が変わってきたような……。まだ使えるか、見分けるコツは?
A.江口さん「にんにくは腐りにくい反面、カビには注意する必要があります。いずれにせよ、皮の上から見分けるのは難しいので、薄皮まですべてむいて確認しましょう。カビだけでなく、やわらかくなっていたり、異臭がしたりしたら食べるのは避けて」

Q.調理の際に、にんにくをつぶすのはなぜ?
A.江口さん「つぶすことで繊維が壊れ、より香りが立つからです。また、みじん切りの前につぶすと、刃を入れる回数が少なくなって楽ですよ」

食材の味を引き立てる、
にんにくを使った
おすすめレシピ3選

食欲をかき立てる香りは、にんにくだからこその持ち味!少し入るだけで料理がグッと引き立つので、上手に使っておいしい一皿にしたいですね。ここでは、にんにくを使うおすすめレシピ3品をご紹介します。

牛肉とにんにくでスタミナアップ!
『ビーフペッパーバターライス』

写真:ビーフペッパーバターライス

バターしょうゆ×にんにくの香りに、思わず喉が鳴りそう!コーンのプチプチ感も楽しめます。

江口さん「にんにくをしっかり効かせることが、味のポイントになる一品。レシピ通り、みじん切りにすると香りがよく出るうえに、全体に散らばってなじんでくれます。牛肉が入ってボリュームがあるので、余ったご飯を活用したいときにもおすすめ。ホットプレートを使うレシピですが、フライパンでも十分おいしくつくれます。コーンの甘みもアクセントになるので、ぜひ省かずに入れてください」

さっぱりむね肉に、にんにく風味とバターのコクをプラス!
『しっとりやわらか!鶏肉とズッキーニのペペロン炒め』

写真:鶏肉とズッキーニのペペロン炒め

にんにくの風味がズッキーニの甘さを引き立てる一品。ピリ辛味で、さらに食欲アップ!

江口さん「酒と塩をもみ込んだ鶏むね肉は、しっとりとした食感。薄いそぎ切りにすることで加熱時間が短くなるので、さらにパサつきが抑えられます。ズッキーニは最初だけ強火にすると、焼き色が付いてよりおいしくなりますよ。にんにくの風味が苦手な場合は、バターの量を増やすとまろやかな味わいに」

かつお節の香りと旨みとにんにくが好相性
『きゅうりの和クルス【白だしの和風ピクルス】』

写真:きゅうりの和クルス【白だしの和風ピクルス】

ごはんもお酒も止まらなくなる!?無限に食べたくなるような、後をひく味わいです。

江口さん「白だしがいい仕事をしてくれる、切って漬けるだけの簡単レシピです。火を使わないから、暑い夏にもぴったり。すっぱい味が好きな方は、味見しながら少しずつ酢の量を増やすと良いでしょう」

にんにくの香りを
活かすためには、
保存もしっかりと

江口さん「にんにくの香りは、食欲をそそりますね。つい食べ過ぎてしまうこともありますが、人によっては胃に負担がかかるので、しっかり加熱して刺激を抑えましょう。チューブタイプも便利ですが、生のものだと香りが格段に良くなるので、常備しておくのがおすすめです。とはいえ、一度に消費するのは難しいもの。だからこそ今回、ご紹介した保存方法を実践して、上手に使い切っていただきたいと思います」

ホームクッキング編集担当より

保存が効くように思えて、気が付いたら芽が出ていたり、しわしわになっていたりするにんにく。あまり安くならない食材でもあるので、ちょっとショックですよね。今回ご紹介した保存方法はどれもすぐに試せるお手軽さが魅力!特にすりおろしたにんにくの冷凍保存は時短にもなって重宝します。チューブのにんにくも便利だけど、今日は生の風味を堪能したい!そんな時に備えて、常備しておくのもおすすめです。(編集担当・市川)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男
公開:2023年8月30日 最終更新:2024年4月19日

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