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アスパラのゆで方とゆで時間。
大切な下ごしらえのコツや
おすすめレシピ3選も紹介

春から初夏にかけて旬を迎えるグリーンアスパラガス。加熱すると緑が鮮やかになることから、ゆでて付け合わせに使われることも多い野菜です。この自然な甘さとほろ苦さ、そしてシャキシャキとした食感を引き出すために、ゆで方にはこだわりたいもの。下ごしらえからゆで時間、ゆでた後の処理まで適切に行うことで、味も食感も大きく変わってくるんです。では、アスパラの上手なゆで方とは?ゆで時間は何分?長持ちさせる保存方法や、レシピのポイントと合わせて、料理家の江口恵子さんに教えてもらいましょう。

アスパラの下ごしらえ。
根元の処理で食感に
差が出る!

アスパラは穂先から下へ向かうにつれて繊維が硬くなり、最も硬い根元部分は噛みきれないほど筋張っています。この硬い部分を取り除くことが、小気味よい食感を残す大事なポイント。この下ごしらえがアスパラをおいしくゆでる最初の一歩です。

まずは洗い方。
調理の直前に洗いましょう

ビニールテープで巻かれ、束になって販売されていることが多いアスパラ。人の手が直接触れやすい状態のため、ゆでる前にしっかり洗っておきたいですね。このときに注意したいのが、やわらかく繊細な穂先の扱い方。ちょっとした力で折れたり傷付いたりしてしまうので、やさしく扱うようにしてください。

洗うときは流水か、ボウルにたっぷりの水をためて。穂先部分は前者なら流水の勢いを弱め、後者ならやさしくふり洗いするなどして、力がかかりすぎないように注意を。

Point

江口さん「穂先は洗うときだけでなく、ビニールテープを外すときにも注意したいところ。手ではがしたり、包丁で切ろうとしたりすると勢い余って傷付けやすくなるので、ハサミで切るようにしてください」

根元の乾いた断面は
切り落とす

断面は乾いていたり汚れが付着していたりするので、どちらの方法をとるにしても切り落とす。

茎にある三角形の薄い葉のようなものは、「はかま」と呼ばれる部分。

江口さん「味や食感にほとんど影響しないので、そのままでも大丈夫。触ってみて硬い、汚れているなどで気になる場合は、ピーラーで削ぐようにして取り除いてください」

アスパラの下ごしらえは
硬い部分を取り除くのが肝!

根元の硬い部分はピーラーなどで皮を厚めにむくか、手で折って取り除きます。

方法その1 
ピーラーで皮をむく

1
アスパラの茎をしならせて、曲がらない部分より下(根元から大体4cm~5cmくらい)の皮をピーラーでむく。手で持つと茎がしなってむきづらいので、まな板に置いて押さえながらむくと良い。
2
むき終わった状態。厚い皮をすべて取り除く(白っぽくなるくらいまで)ので、かなり細くなる。

方法その2 
根元をしならせてポキッと折る

1
アスパラの根元部分をつまみ、もう片方の手で根元から1/3付近を持つ。
2
根元側を持つ手の親指を基点にして茎をしならせる。ポキッと折れた根元側が、取り除くべき硬い部分。

硬い部分も斜め薄切りにすれば筋自体が短くなるため、口の中に残りにくくなる。

Point

江口さん「確実に硬い部分を取り除きたい場合は、ポキッと折る方法ですが、食べられる部分まで多めに折れてしまうことがあるので、ピーラーでむくのがおすすめです。ちなみに、折った部分は捨てずに斜め薄切りにしてスープやみそ汁に入れるなどすれば、筋をそれほど気にせず食べられますよ」

おいしいアスパラの選び方・
見極め方

「そもそもアスパラはどう選べばいいの?」と思っている方に向け、おいしいアスパラの選び方をまとめました。

選び方1:
穂先が締まっているか

右のように穂先が開いたものは、鮮度が落ちている、あるいは成長しすぎの傾向にあります。水分が抜けてきているので、できるだけ左のように締まっているものを選んで。

選び方2:
断面と根元がきれいか

鮮度が高いアスパラは、断面がきれいで褐色になっていません。写真の場合、鮮度が落ちているのは右のアスパラ。断面にすが入っているのは、水分が抜けている印です。また、茎が筋張っているのも育ちすぎの可能性があるので、できるだけ避けましょう。

アスパラの
ゆで方とゆで時間。
穂先と茎は時間差で
ゆでるが基本!

アスパラをゆでるときのポイントは3つ。ちょっとしたコツを押さえるだけで、グンとおいしくなりますよ。

アスパラ1束を
ゆでるときの材料

水・・・アスパラがかぶるくらい
塩・・・小さじ1/2くらい ※湯量の1%程度

Point

江口さん「1束あたり約100gで売られていることが多いアスパラ。1束より多い、もしくは少ない量をゆでる場合は、水と塩の量を調整してください。また、太さが違うとゆで時間が変わってきます。同じ束のものはたいてい太さがそろっていますが、2束以上をゆでる場合はできるだけ同じ太さのアスパラを選びましょう」

アスパラのゆで方の
ポイント3つ

その1.色鮮やか&うまみを引き出すために塩を入れる!
その2.固さの異なる穂先と茎は、時間差をつけてゆでる!
その3.ゆでた後は水にさらさない!

アスパラの
ゆで方/ゆで時間は1分15秒
(根元15秒、全体1分)

部位によって固さが異なるアスパラ。硬い部分ほど長く加熱する必要があるので、根元から先にゆでるようにしましょう。太さによっても変わりますが、ゆで時間の目安は1分15秒ほど。根元を入れて15秒後に残りの全体を入れ、約1分後に引き上げます。余熱で火が通るので「少し固めかな?」と思うくらい歯ごたえがあっても良いでしょう。

手順

1
フライパンにアスパラがかぶるぐらいの水を入れ、沸騰したら塩を入れる。
2
下ごしらえをしたアスパラを1/2に切り、根元側を先に入れ中火でゆでる。アスパラ全体が収まるフライパンの場合は切らず、穂先側を手に持って根元部分のみ湯に入れる。
3
約15秒後、残りの穂先部分を入れる。
4
菜箸で上下を入れ替えるようにしながら約1分ゆでる。
5
竹串を刺し、スッと通ったらゆで上がり。
6
ザルにとって広げ、そのまま冷ます。
Point

江口さん「塩を入れてゆでることで緑が鮮やかになり、アスパラのうまみも引き出されます。切らずにゆでた方が良いともいわれますが、アスパラの大きさ次第で家にあるフライパンでは収まらないこともあるもの。栄養成分の流出もそれほど気にしなくていいので、使う料理のサイズに合わせてカットしてからゆでましょう。また、アスパラはえぐみやアクが少ないため、水にさらす必要はありません。ゆでた後で水にさらすと水っぽくなってしまいます。そのままザルに広げて冷ませば水切りもできるので、ほくほくとした食感になりますよ」

きちんとゆでたアスパラは、それだけでごちそう!シンプルな味付けで十分おいしくいただけます。「マヨネーズが定番ではありますが、おすすめは『しょうゆ+オリーブオイル』です」と江口さん。

アスパラを電子レンジで
加熱する方法。
時短が最優先の人向け!

別の料理でコンロがふさがっているときなどに便利なのが、電子レンジでの加熱。ゆでるよりも加熱時間は少し長くなりますが、お湯を沸かす時間がない分、時短できますよ。

手順

1
下ごしらえしたアスパラ4本を、食べやすい大きさに切って耐熱皿に載せる。写真は4等分に切ったもの。
2
ラップをふんわりかけて、600Wで1分30秒、加熱する。
3
ラップを外して竹串を刺し、スッと入れば完成。まだ硬い場合は、600Wで10秒ずつ加熱しながら確認する。
Point

江口さん「1束分(約100g)くらいまでなら、加熱時間は1分30秒~2分ほどで十分。レンジによっても変わるので、竹串で確認しながら調整しましょう。電子レンジでの加熱は時短ができるうえに、洗い物が増えないのもメリット。一般的に、栄養素が残りやすいとも言われます。ただ、みずみずしさや色の鮮やかさを長く保てるのはお湯でゆでた方なので、お好みや状況に応じて使い分けてください」

ゆでたアスパラの
人気レシピ3選。
これでバリエーションが
広がる!

シンプルな食べ方もいいけれど、ゆでたアスパラをもっと活用したい!そんな人におすすめのレシピを3つピックアップしました。少ない手順で気負わずつくれるものばかりなので、アスパラをゆでたときはぜひお試しを。

オリーブオイル&チーズが香る
『アスパラガスのホットサラダ』

温泉卵がとろ~り。穂先から染み出るドレッシングも抜群のおいしさです。

江口さん「温かい状態で食べるのが一番おいしいので、すべての材料を用意してからアスパラをゆでて、さっと仕上げてください。食卓に春らしい彩りを添える、見た目にもおいしい一品です」

シャキシャキ食感+豚の脂で食べ応えアリ!
『アスパラの肉巻きソテー』

しょうゆとみりんの甘辛味。半分にカットすれば、お弁当にもおすすめです。

江口さん「肉がはがれないように、しっかり巻くのがコツ。アスパラは豚肉に対して直角ではなく、少し斜めに置いてずらしながら巻いていくと均一になります。巻き終わったらアスパラに定着するように、肉の上からギュッと握りましょう。焼くときは、巻き終わり部分から。動かしすぎると肉がはがれるので、しばらく触らずにおいてください」

浸すだけの簡単レシピ!
『アスパラとミニトマトのだしマリネ』

アスパラのほろ苦さと甘さが際立つ味つけ。かつおだしの香りも食欲をそそります。

江口さん「アスパラとトマト、そして白だしという3つが組み合わさった、うま味マシマシの組み合わせ。オリーブオイルを少し足したり、ブロッコリーを入れたりするのも良さそうです。トマトを湯むきするときは、表面に包丁で少し傷を入れると、皮がむきやすくなりますよ」

アスパラの保存方法。
生のまま冷蔵も冷凍も
できる!

アスパラは乾燥しやすいので、買ったままの状態で冷蔵保存するのはおすすめできません。すぐに調理できない場合は、キッチンペーパーや保存袋などを活用して、できるだけ水分を失わないようにしましょう。1週間以内に食べきるなら冷蔵、1か月ほど日持ちさせたいなら冷凍で保存を。

生のまま冷蔵保存

手順

1
アスパラガスの断面を少し切り落とす。キッチンペーパーを湿らせてコップの底に敷く。
2
アスパラガスをコップに立てる。
3
ポリ袋をかぶせて輪ゴムで留め、冷蔵庫に立てて保存する。
Point

江口さん「断面を少し切り落とすのは、水を吸いやすくするため。アスパラは一度乾燥すると、水に浸しても元に戻らないので、ペーパーとポリ袋で乾燥を抑えましょう。立った状態で保存すると、アスパラにかかるストレスがさらに抑えられます。野菜室はアスパラにとっては温度が高めなので、冷蔵庫での保存がおすすめ」

生のまま冷凍保存

冷凍するときは、アスパラを使いやすい大きさに切り、小分けにしてラップで包みます。さらにジッパー付き保存袋に入れ、金属トレーに載せて冷凍庫へ入れて保存を。

Point

江口さん「アスパラは水分が少ないので、生のままで冷凍できます。使うときも解凍不要で、そのまま加熱調理ができるのは便利。ただし、多少の水分が抜けることで、生のときのようなシャキシャキ感はなくなります」

アスパラのゆで方と理想の
ゆで時間を覚えて、
味わいつくそう!

江口さん「葉物野菜などより、扱いが手軽なアスパラガス。見た目がかわいらしく絵になるので、サラダやお弁当に少し足すだけでも華やかになります。旬ならではのおいしさを味わうなら、先述の『しょうゆ+オリーブオイル』などのシンプルな食べ方がおすすめですが、今回ご紹介したレシピもぜひ挑戦してください。レシピや好みに合わせて歯ごたえを残してゆでるなど、やり方をいろいろ試すことで理想の食感が見つかると思います。アスパラのゆで方と理想のゆで時間をぜひ覚えておくといいでしょう」

ホームクッキング編集担当より

ホームクッキングでは定番メニュー「アスパラガスのベーコン巻き」がコンスタントに検索上位にきています。彩りもよいし、穂先の造形も様になるという、料理をおしゃれにみせてくれる野菜ですよね。そして噛んだときの甘みも魅力ですから、ぜひ正しいゆで方で絶品の食感とともにその味を楽しんでください!(編集長・杉森)

写真:江口恵子さん

教えてくれた人 江口恵子さん

料理家、フードスタイリスト、 All About「家事」ガイド 。雑誌や広告、Webなどでレシピ提案やスタイリングを行うほか、企業のレシピ開発など、幅広く活躍。料理教室「 ナチュラルフードクッキング 」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナー。著書に『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)などがある。

撮影/金田邦男
公開:2023年3月22日

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